トヨタが後付けの「踏み間違い加速抑制システム」を開発。まずは30型プリウスとアクアから適応

駐車場でのアクセルとブレーキのペダル踏み間違いによる事故が社会問題となっています。そこで国が推奨する自動車安全コンセプトとして「サポカー(セーフティ・サポートカーの略称)」を提唱しています。

サポカーは、いわゆる衝突被害軽減ブレーキを装備しているクルマを指しますが、その上位機能を示す「サポカーS」という表示は高齢運転者をはじめとして対策が求められているペダル踏み間違い事故を防ぐための先進安全装備を備えたクルマに与えられています。

こうした先進安全装備は、新型車が続々と採用していますが、その一方で従来からの保有車は放っておかれているのが現状です。そこでトヨタは、旧型車に対して「踏み間違い加速抑制システム」を開発しました。

システムを構成するのは、前後バンパーに装着する「超音波ソナー(センサー)」とアクセルから足を離すように表示と音で指示を出す「表示機」といったアイテム。

前後3mに障害物がある状態でアクセルを踏み込むと、アクセルからの信号をキャンセルすることで加速を抑制します。自動的にブレーキをかける機能はないので停止するためにはブレーキペダルを踏む必要がありますが、かなり明確に表示してくれるので、足を離すことが期待されますから、少なくとも被害を軽減することはできるでしょう。また、後退時には約5km/h以上になってもアクセルを踏み続けていると加速抑制機能が働きます。

車種専用設計として開発される「踏み間違い加速抑制システム」は、ひとまず先代プリウス(30型)と、トヨタセーフティセンスが設定される以前のアクア(2011年12月26日~2018年4月2日に販売されたモデル)の2車種に対応します。いずれも非常に多くの台数が売れていますから、このアイテムを装着することで事故を防止する効果が大きいはずです。

「踏み間違い加速抑制システム」のメーカー希望小売価格は55,080円(消費税込)。取り付けには3~4時間を要するということですから、おおよその目安としての工賃は3万円前後となりそうです(実際の工賃は取り付け時にご確認ください)。

(山本晋也)

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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