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■飛び石傷は、放置せずに、タッチアップペイント(タッチペン)で対処しましょう
高速道路を走っていると、前方にトラックを発見、そのまましばらく後ろを走っていたら「ビシッ」と飛び石をもらってしまい、ボディに小さな傷が…(泣)、という経験をされている方は多いのではないでしょうか。プロの板金塗装を頼むほどでもないけど、そのまま放置もしたくないというあなたに、タッチアップペイントを使ったメンテナンスをご紹介します。
●飛び石傷は塗装がはがれてしまっている
クルマを擦ってしまったという傷と、飛び石による傷は性質が異なることが多いです。ボディの塗装の上に傷が乗っている状態なのか、そもそもの塗装がはがれてしまっているのか、これにより対処方法は異なってきます。
飛び石傷のように、硬く鋭利なものがボディの塗装面に当たり、塗装そのものをはがして壊してしまった際には、部分補修のタッチアップペイントを使用します。塗装面の上に乗った傷は、汚れと同じようなものなので、コンパウンドなどの研磨剤で磨いていくと落ちていきますが、飛び石傷にコンパウンドをかけても、そもそもの塗装がはがれているので、状況が良化することはありません。はがれた塗装には、塗装をし直すという対処法が必要になってきます。
●タッチペンの選び方とカラーナンバー
油性ペンほどの太さや大きさのパッケージに、塗料と小さな筆がセットになっているのがタッチアップペイントです。手軽に補修ができるアイテムとしてカー用品店やカーディーラーで販売しています。
クルマの色は、例えば一口に白といっても、様々な色味の白があります。メーカーごとにボディカラーには「カラーナンバー」と呼ばれる番号が割り振られており、この番号で色を識別しているので、マイカーと同じカラーナンバーのタッチペンを購入することが重要です。カラーナンバーは、型式表示プレートや、ステッカーとして車体に記載されていて、エンジンルーム内や運転席ドア周辺、助手席ドア周辺に表示されていることが多いでしょう。インターネットに車両型式とボディカラー名を入れると、カラーナンバーを検索できるページもあります。
●タッチペンの使い方
マイカーに合ったタッチアップペイントを購入したら、さっそく使ってみましょう。
まずは、飛び石傷を受けた部分をアルコールなどで脱脂して綺麗にします。汚れやほこりを取り除き、塗料を乗せやすくします。
傷の部分が綺麗になったら、さっそくタッチペンを使用していきます。付属の筆の先に、少しだけ塗料をつけて、傷がついている個所に塗料を置いていきます。筆で塗るのではなく、塗料を垂らして置く、というイメージで施工しましょう。
一度塗料が付いたら、少し乾かしてから数回に分けて塗り重ねていきます。ボディの塗料が欠け落ちて抜けているへこみを一度に埋めようとせずに、薄く薄く重ねていく方が仕上がりが綺麗になります。
塗っては乾かしを繰り返して、欠けた塗装の穴が埋まったところで第一段階の作業は終了です。そのまま、塗料が完全に乾燥するまで数日、時間を空けます。
数日たって、塗装の内部まで乾燥が進んだら、磨きの作業を行います。用意するのは耐水サンドペーパー(#400、#800、#1000の3種類)と、コンパウンド(#3000、#5000、#10000の3種類)です。
タッチペンを付けた部分の周囲を、マスキングテープで四角く覆います。サンドペーパーで不要な部分まで削り取らないようにするためです。タッチペンを塗った部分は凸凹しているので、その凹凸が分からなくなるまで、耐水サンドペーパーの番手を上げながら磨いていきます。凹凸を指で確認しながら、削っていきます。
凸凹していた表面が滑らかになったら、保護のために貼っていたマスキングテープをはがし、コンパウンドをかけていきます。こちらも番手の低いものから高いものに順に変えていきながら、耐水サンドペーパーでついた削り跡を消していきます。丁寧に磨いていき、削り跡が消えて光沢が出てきたら完成となります。仕上げにワックスやコーティング剤を塗布しましょう。
●まとめ
飛び石傷は、塗装の剥がれや欠けが起きていることになり、そのまま放置すると、ボディの錆が出たり、塗装の割れが広がっていく可能性もあるので、早めの処置をお勧めします。塗るよりも落とすという感覚で、タッチアップペイントを活用していきましょう。
(文・写真:佐々木 亘)