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飛ぶ鳥を落とす勢いのRAV4と、RAV4の登場にも(販売台数が)全く動じないフォレスター。本記事では、居住性と、SUVとしては大事な要素である荷室について、2台を比較してく。
1.前席シートの座り心地はどうか?
RAV4の運転席シートはシートバックが大きくボリューム感がある。尻下のクッションは柔らかく、お尻がすぽっとハマるような印象があり、腰まわりをソフトにサポートしてくれる。サイドサポートは大きくはないが、シートの背面が引き形状(弓のように凹んでいる)のため面圧が均等となり、シートにはまり込むように背中を支えてくれる。
対するフォレスターは、本革シート(ブラウン+シルバーステッチ)の表皮が硬めという影響もあり、尻下のクッションはRAV4よりもハードに感じる。腰回りのサポートも、張りの強いシートに跳ね返されるような印象があり、沈み込むような印象は少ない。
サイドサポートはRAV4よりも大きめに張り出しており、脇腹を左右から支えてくれるが、シートバック側から押される印象があり、スポっとハマりこむような感覚はない。形状の効果によって身体がホールドされる、という印象だ。
オフロード走行など車体が揺れる状況でのシートホールド性を優先するならば、フォレスターの方が適しているが、オンロード走行のシーンだとRAV4のシートの方が疲れにくいだろう。
2.後席シートの座り心地や居住性はどうか?
RAV4の後席シートは運転席シートよりもさらにソフトだ。特に尻下のクッションが柔らかく、フカフカとするほどである。身体を沈ませて支えるコンセプトのようだ。内装のカラーリングの影響もあり、明るくて開放的な後席空間であるが、前席シートのヘッドレストやショルダー部分が大きいため、後席からの前方視界はよろしくない。
フォレスターの後席シートは、運転席シートと同じくハードな印象だ。尻下のクッションが硬く、体重をかけてもあまり撓まないほどだ。尻下の高さがあり、さらには前席シートのヘッドレストやショルダー部分が小さいため、後席からの前方視界は良い。
また、フォレスターは座面がRAV4よりも高いため、サイドのウィンドウの縁も低く感じられることも視界の良さに繋がっている。
後席に関しては、短時間であれば、RAV4のほうが快適だと思うが、長時間だと、身体を動かしやすい分、フォレスターのほうが楽に感じるであろう。総じて、後席はフォレスターの方が優秀である、というのが筆者の印象だ。
2.荷室の広さや、使い勝手はどうか?
RAV4の荷室床面は、地面から80cmの高さにある。横幅は110cm、奥行は100cm、室内高は85cmほどで、後席シートバックを前方に倒すことで床面はフルフラットとなり奥行きは200cmほどに広がる。ちなみに、後席を倒すスイッチは荷室側にはなく、後席シートバックの方にあるヒンジを引っ張ることで倒すことができる。
ちなみに荷室右側にハイブリッド車でもないのに、12Vコンセントが備わっていた。これはポイントが高い。
対するフォレスターは、荷室床面が75cmの高さにあり、横幅は130cm、奥行は95cm、室内高は85cmほどで、RAV4同様、後席シートバックを倒すことでフルフラットとなり、奥行きは190cmほどに広がる。
フォレスターは後席を倒すスイッチが荷室にあり、後席側へ回らずとも荷室側からワンタッチで倒すことができる。12Vコンセントはないが荷室右側にシガーソケットが備わっている。ちなみに、荷物を固定するためのフックの数が多いのはフォレスターだった。
例えば、キャンプなどのアウトドアの際は、長さのある荷物もあるが、こまごまとした荷物のほうが多くなるため、荷室間口の広いクルマの方が荷物の乗せ降ろしがしやすい。となると、荷室奥行きが広いRAV4よりも、荷室間口の横幅が20㎝も広くて荷室側から後席シートバックを倒せるフォレスターの方が、使い勝手は優れている、といえるだろう。
まとめ
シート性能や荷室の使い勝手は、クルマを長く使うほどに、その有難みをジワジワと痛感する性能だ。どういった場所に出かけて、その時にクルマはどんな役割を果たすのか、考えた上でクルマ選びをすることをお薦めする。
次回はいよいよ、RAV4とフォレスターの走行性能を比較していく。
(文:吉川賢一/写真:鈴木祐子)
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