東京オリパラの選手村で活躍する自動運転のバスEV「トヨタ e-Palette」【東京モーターショー2019】

■完全フラットなフロアに最大20名が乗車可能

トヨタは東京モーターショー2019に自動運転のEVバス・e-パレット(e-Palette)を出展しました。

これは東京オリンピック&パラリンピック2020の選手村にて実際に運用することを想定して開発されたモデルです。

オリンピックで活躍
この車両は東京オリンピックパラリンピック2020の選手村で走行予定です

全長は5225mmで全幅は2065mmです。

全高は2760mmとたっぷり取られています。

これは身長2mの人でも楽々と立って乗り込むことができるように、との配慮で計算された寸法です。

また床は完全にフラットで、車椅子の方が乗降しやすいような設計がなされています。格納式の乗降用スロープも備わります。

最大の乗車定員は20名です。

ライトでコンタクト
車両前後についたライトと中央の文字表示部によって、歩行者とのコンタクトもとります

航続距離は150kmを想定しており、最高速は19km/hの設定です。

自動運転にあたっては車両の前後左右とルーフ部分にセットされたライダー(レーザーレーダー)ユニットなどを用いて自社の周囲の状況を把握しています。

乗降にあたってはセンターに設置された幅1.3mと大きく開くスライドドアを使います。

中に入ると前後と側面にベンチシートがセットされています。

乗降はスライドドアから
スライドドアの開口幅は1.3mと大きめに確保されています

車両前方左には3枚のモニターがセットされています。

これは左右ドアミラーとバックミラー(が通常は示すようなエリアのカメラ)映像を映写するものです。

オペレーターが常駐
基本的に自動運転ですが、万一のことに備えてオペレーターが一人常駐することになっています

このクルマ、基本的に自動運転ですけれども、万一の時に備えオペレーターの方が一人、モニター近くに待機することになっています(緊急停止ボタンもそばに備わっています)。

また、人間が操作することも可能。

その際には車両左側に格納してある操作用のスティックを引き起こして運転します。

スティック操作も可能
人間による運転も可能です。その際には格納されている操作スティックをセットしてドライブします

実際に体験同乗もしました。

発進時のトルクのかかり方が穏やかなため、車内で立って乗っていても安心感があります。

走行中、前方の横断歩道脇に歩行者を発見すると自然な動きで停車。

その後、歩行者が前方を横切り終えると再発進をしていきました。

コーナリングも自然です
発進や停止、そしてコーナリングもとても自然に行ってくれます。なお最高速度は19km/hに設定されています

今回のテストコースでは各所にコーナーが設置されていましたが、その進入速度やコーナリング中の動きも自然そのもの。

オリンピックでの実際の使用結果次第では、将来的には地方のコミュニティバス代替案としても考えられる存在になるんではないでしょうか。

(写真・動画・文/ウナ丼)

この記事の著者

ウナ丼 近影

ウナ丼

動画取材&編集、ライターをしています。車歴はシティ・ターボIIに始まり初代パンダ、ビートやキャトルに2CVなど。全部すげえ中古で大変な目に遭いました。現在はBMWの1シリーズ(F20)。
知人からは無難と言われますが当人は「乗って楽しいのに壊れないなんて!」と感嘆の日々。『STRUT/エンスーCARガイド』という名前の書籍出版社代表もしています。最近の刊行はサンバーやジムニー、S660関連など。
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