RX-01のドアノブはFDのモノ!? マツダ保管のコンセプトカーなどのRE車を見学!【歴代ロータリー車ミーティング2017】

1月22日に開催された「歴代ロータリー車ミーティング2017 in マツダR&Dセンター横浜」。今回は、マツダ歴代RE車見学の模様をお伝えします。

会場であるマツダR&Dセンターのギャラリースペースへ参加者一同の愛車の整列、そして集合写真が行われた後、トークショー会場への移動中にサプライズが起きました! なんと、同施設に保管されているコンセプトカーなどの歴代RE車を特別に見学する時間が設けられたのです。

そこでは、RX-01やマツダ先駆などの東京モーターショーの出展車両をはじめとして、水素ロータリーのコンセプトカーの数々、モンテカルロラリーに参戦したSA22Cや、ボンネビルスピード記録挑戦車であるレーシングビートのSA22Cなどを間近で観ることができ、参加者は興奮の渦に包まれました。

まさにマツダREの歴史のスタートラインといえる、コスモスポーツ。そのプロトタイプも展示されていました。前期につながるショートホイールベースのボディながら、フロントノーズの大きなエンブレムやBピラーの造形など、市販型との差異も多数。当時、全国各地のマツダディーラーによる実用化テストが実施されました。

左上からル・マン24時間レースで優勝の栄冠をマツダにもたらした4ローターの耐久マシン、マツダ787Bのレプリカモデル、左中がボンネビル・スピードチャレンジで、1978年294.4km/hを記録したレーシングビートのSA22C、1979年に中川・森川組が第47回モンテカルロラリーに出場しグループ2クラスで優勝したSA22C、ピカピカの初代カペラはロータリーエンジン累計生産20万基を記念したオールステンレスボディ、1991年の東京モーターショーに出展されたHR-Xはマツダ初の水素ロータリーエンジン搭載車。ちなみにHR-Xはモーターも搭載したハイブリッドで、エンジンは499cc×2のH-RE10Xと呼ばれる専用のものでした。

そして右上は、2005年の東京モーターショーに出展されたマツダ先駆。次世代REハイブリッドを搭載した大人のための4シーターロータリースポーツとして展示されました。同年は同じコンセプトカーとして、プレマシーハイドロジェンREハイブリッド、技術展示としてRX-8ハイドロジェンREとRENESIS水素ロータリーエンジンも出展されていましたから、今にして思うとロータリー当たり年だったのかもしれませんね。

さて、そのサプライズ見学会、その中でも注目だったのが、RX-01。2003年にRX-8が登場するずっと以前、1995年に東京モーターショーに出展されたRX-01は、マツダが久々にリリースしたスポーツタイプボディにマルチサイドポートの自然吸気ロータリーエンジンを搭載したコンセプトカーでした。

そのRX-01を間近に見られたばかりか、なんとドアを開けて中を見られるという状態。チェックしてみると時代背景から、FD3S型RX-7やロードスターなどのパーツが使われているのがわかります。たとえば、ドアのアウターハンドルやシャッター付きのキーホールはFDからの流用。そればかりか、ドアもよく見てみるとオリジナルはFDのものをカットしてアレンジしたようにみえます。メーターもそのようです。パワーウインドウスイッチやコンビネーションスイッチ(ウインカーレバーなど)はNA型ロードスターのそれ。ハザードスイッチも当時のマツダ車に使われていた丸形タイプのよう。アクセルペダルなども見覚えのあるもの……細かいところを見ていけば行くほど、その現実感のあるしつらえにコンセプトカーながら、他のクルマとの立ち位置の違いをあらためて感じさせました。

駆け足での見学ではありましたが、サプライズを仕掛け、参加者を多いによろこばせてくれたマツダのスタッフに、参加者一同感謝しました。

このほかマツダ(東洋工業)黎明期の車両も保管されており「できることならばパブリックなギャラリースペースをつくり、これらのヒストリックな車両を恒常的に展示してもらえたら」という意見も多く訊かれました。

(古川教夫)

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この記事の著者

古川教夫 近影

古川教夫

1972年4月23日生。千葉県出身。茨城大学理学部地球科学科卒。幼稚園の大きな積み木でジープを作って乗っていた車好き。幌ジムニーで野外調査、九州の噴火の火山灰を房総で探して卒論を書き大学卒業。
ネカフェ店長兼サーバー管理業を経て、WEB担当として編プロ入社。車関連部署に移籍し、RX-7やレガシィ、ハイエース・キャピングカーなどの車種別専門誌を約20年担当。家族の介護をきっかけに起業。福祉車輌取扱士の資格を取得。現在は自動車メディアで編集・執筆のほか、WEBサイトのアンカー業務を生業とする。
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