スーパー耐久にデミオのSKYACTIVEディーゼル参戦!

猛烈な勢いで爆発的に売れまくっているマツダのクリーンディーゼルであるSKYACTIVE-D。アテンザやデミオでは販売数の半数以上をSKYACTIVE-Dが占めていて、2月の終わりに発表されたコンパクトSUVのCX-3にいたってはディーゼル専用車となるほどです。

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そんなマツダのクリーンディーゼルであるSKYACTIVE-Dは6段MT車も設定されており、ディーゼルでもスポーツドライビングを楽しめると、こちらも大好評。しかしスポーツドライビングを謳っていても、それは本当に満足いくレベルで速いのか?今年、その疑問に回答を出そうとする大きなチャレンジが始まりました。

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3月1日にツインリンクもてぎで開催されたスーパー耐久公式テストに、なんとSKYACTIVE-D搭載のデミオが参加したのです。

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昨年の10月に発売されたSKYACTIVE-D搭載のマツダ デミオ XDは、Bセグメントのコンパクトハッチバックにも関わらず、ヨーロッパ車並みの車両本体価格200万円近辺でありながら、全てのデミオの販売台数の7割以上を占めるという売れ行き。国産ディーゼル乗用車のとしての販売記録を次々と塗り替えながら、まだまだ更新を続けているクルマ。

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 そのデミオXDでスーパー耐久シリーズに参戦し、そのスポーツ性を確認しようというチャレンジを行うのは、マツダ ロードスターのチューニングで有名な有限会社ノガミプロジェクトを母体としたTeam NOPRO。

代表の野上敏彦さんは元々はマツダスピードのメカニックとしてルマンへ参加。自身もMAZDA757で89年の全日本耐久選手権、RX-7やロータリーエンジンに換装したロードスターなどで全日本GT選手権にドライバーとして参加するなど華々しい経歴の持ち主。そしてスーパー耐久へは2011年から先代のDE型デミオで参戦し、2013年の富士SUPER TEC7時間耐久ではマツダ史上初となるレシプロエンジン車の耐久レースクラス優勝。そして昨年度は手堅く表彰台を獲り続けシリーズランキング3位と好成績を残します。

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そんなTeam NOPROが全くの新型車、しかもクリーンディーゼルのデミオXDでスーパー耐久に参戦するというウワサはオートサロンの時期からアチコチで耳にすることが多かったのですが、実際に目の前でマシンを見ると驚くことばかりです。特にこの隙間無いエンジンルーム。市販車ではエンジンカバーがあってみることが出来なかったエンジン本体と捕器類を見るとSKYACTIVE-Dの緻密さにうなります。

そして特筆は静粛性のすごさ。レース用のストレートマフラーを装着してもアイドリング時はほぼ無音と言ってもいいくらいに静か。まわりが迫力ありまくりの排気音を奏でる中ではEV並みに静かなクルマと言えます。その上、電池の力を借りずに低燃費を実現するクリーンディーゼル。エコカー減税100%認定車が耐久レースで通用するのか否かにも注目が詰まります。

ディーゼルのレーシングカーといえば世界耐久選手権のアウディR11プロトタイプカーが有名で、他にはアメリカでマツダがアメリカン・ル・マン・シリーズのプロトタイプカーやGRAND-AM ロレックス・スポーツ・カー・シリーズのチームにエンジンを供給するなど、海外で実験的に投入されるに留まっています。

しかし日本国内で、市販のクリーンディーゼルを、いやハイブリッドまでを含めた市販のエコカー減税100%認定車を使って全国を転戦するレースシリーズに参加するのはこのTeam NOPROのデミオXDが史上初となるのです。 

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その史上初のチャレンジに挑むドライバーは右からSUPER GTやマカオGPでの実戦経験も豊富な谷川達也選手、走ることにはかなり意欲的で昨年はSUPER FJにもチャレンジした自動車ジャーナリスの山田弘樹選手、監督も兼務する野上敏彦代表、そして野上代表のご子息でロードスターパーティレースなどで大活躍した野上達也選手の4名。一番左は今年のTeam NOPROにレースクイーンとして参加する汐美茉琴ちゃん。

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 汐美茉琴ちゃんはリルクルールというユニットに参加する現役アイドルで、クリーンディーゼルのデミオXDと共に話題になること必至。

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マツダのレシプロエンジンエキスパートが新たに挑むクリーンディーゼルレーシングチャレンジ。このデミオXDが本当に強いとなれば、それこそエコカーの概念は大きく変わっていくことでしょう。

スーパー耐久2015の開幕戦は3月28~29日、ツインリンクもてぎで開催となります。

(文・写真:松永和浩)

この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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