CX-5、アテンザと続いた「スカイアクティブ全部のせ」ですが、マツダ初となるハイブリッドが加わったことで、選択肢はほかのライバルにないほど広がっています。まず、マツダ自慢の2.2Lのクリーンディーゼル搭載車「SKYACTIVE-D 2.2」は来年1月に登場予定。
「試乗記01」でお届けしたアクセラハイブリッド「SKYACTIVE-HYBRID」のほかに、ガソリン車は1.5L、2.0Lがあります。さらに、ディーゼルとガソリンはAT、MTを設定。4WDは1.5LガソリンのATに用意されます。
売れ筋は1.5Lのガソリンとマツダは予想しているようですが、ここではディーゼルを中心にその印象をご報告します。
新型アクセラのディーゼルは、「アクセラスポーツ」のハッチバックのみで、6MTと6ATを設定。2.2Lの直列4気筒直噴ターボは、最高出力175ps/4500rpm、最大トルク420Nm/2000rpmと、アテンザと同じスペックですが、車両重量は60kgも軽くなっています。
大人約1人分も軽くなっているわけですから、注目の走りはアテンザよりも明確に軽く、出だしから高速域まで軽快なフットワークを味わえます。
アクセラのガソリン車と比べるとノーズは重く感じますが、それでもキビキビした走りが楽しめますし、MTでも3速辺りに入れておけばATのようなイージーさで上りと下りが連続する勾配を難なくクリアできる分厚いトルクもアテンザ以上に実感できます。
スカイアクティブ・ディーゼルの魅力は、V8 4.0Lガソリン並みのトルクとマツダも謳っていますが、ディーゼルとしては十分に回る特性で、公道であれば頭打ち感をなかなか抱きにくいのも美点です。
また、MTの方がATよりも20kg軽くなっていますが、当然ながら走りに影響は感じられません。気になる燃費はまだ「未定」になっています。アテンザのATは20.0km/L、MTは22.4km/Lですから車両重量を考慮すると、できれば1km/Lは上回ってほしいもの。
ATを21.0km/Lと仮定すると、アクセラハイブリッドは30.8km/Lですから、約10km/Lもの差があります。
なお、ハイブリッドはセダンのみなので、ハッチバックが欲しい人は選択肢に入らないわけですが、ボディ形状を問わなければ2.2Lディーゼルの2WDは、AT/MTともに298万2000円、ハイブリッドは237万3000円〜262万5000円になっています。
単純に比べると、ハイブリッドの方が燃費も価格も断然オイシイですが、ディーゼルは赤いラインがグリル内に描かれる専用マスクやLEDのフロントフォグランプ、ピアノブラック塗装のリヤバンパー、本革巻のステアリングやパーキングブレーキレバー、BOSEサウンドシステム、電動スライドガラスルーフなどが専用装備される最上級グレードという設定ですから、単純比較はできません。
しかも、高速を使ったロングドライブが多いならディーゼルの魅力がより輝くだけでなく、ワインディングや街中などでも走りを重視するならディーゼルの方が断然上でファン・トゥ・ドライブを享受できます。
しかし、燃費と静粛性、コストパフォーマンス、リセールバリューを重視するならハイブリッドに軍配が上がります。
(塚田勝弘)