被災地だけではないが、ガソリン不足で救援物資も送れない状態に陥っている状況下、三菱自動車は、災害支援車両としてi-MiEVと悪路走破性と積載性に優れるトライトンを送ることにしたようです。
i-MiEVは早速18日から30台の輸送を開始し、順次被災地のニーズに合わせて増やすとのことです。i-MiEVの航続可能距離は、カタログ上は160kmですが、寒い中エアコンを切っても6割走れば上々でしょう。とはいえ、ガソリンがなくてはガソリン車まったく動かないわけですから、フル充電で100km近く走るi-MiEVの存在は確かにありがたいには違いありません。
被災地に急速充電器があるとは考えにくいですから、充電は夜使わない時などにAC100Vで14時間、もし役場や公民館にAC200Vがあれば、半分の7時間かけて充電することになります。
日産自動車、スバルの対応は?
EVのリーフを市販している、日産自動車の広報部に伺ったところ、現時点ではコメントはできず、もし何か発表があれば「プレスリリース」が公式見解になるとのことです。つまり、現時点ではリーフの貸与を検討しているのか、検討していないのかもコメントしてもらえませんでした。
プラグインステラをリリースするスバルは、現時点では義援金2000万円のほかに、発電機、投光器、清水用ポンプ、泥水用ポンプを約200台無償提供するとのこと。会社とは別に従業員からも義援金1000万円を送るようです。
EVやハイブリッド、プラグインハイブリッドなど、自動車メーカーの車両(エコカー)提供といえば、駅伝やマラソンの先導車が思い浮かびますが、こうしたスポーツイベントの協賛や協力だけでなく、被災地への車両貸与もイヤらしい意味になってしまいますが、TVなどに映れば大きなインパクトを与えるはずです。自動車メーカーだけでなく、被災地以外の自治体や導入企業も含めて、i-MiEVの他にもプラグインハイブリッドや燃料電池車など、他に出せる車両はないのでしょうか?
もちろん、今回の三菱自動車の決断はCSR(企業の社会的責任)以外の何物でもなく、無条件に拍手を送るべきです。
(塚田勝弘)