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■シバレルラリー、今年も大勢の参加者を集めてスタート!
●伝説のパリダカドライバー・菅原義正さんもプライベート参加
2023年2月23日(木・祝)~26日(日)という4日間の日程で、「Shibareru Adventure Rally 2023(通称:シバレルラリー)」が、冬の北海道を舞台に開催されました。
第3回目となるこのシバレルラリー、今回は道北を日々旅しながら巡るコースが設定され、25台総勢48名が参加しました。
シバレルラリーは「ラリー」という名称がついてはいますが、ラリー競技として優劣をつけるのではなく、競技要素は極力排除しながらラリーレイドの形態を活かした新しいツーリズム、ということです。
もちろん、競技ライセンスは不要ですし、タイム計測もありません。毎日、前夜に渡されるルートブックを見ながら、出発地点、通過地点(CP=チェックポイント)、最終目的地を巡るわけですが、これらのCPも通過義務ではなく、旅行を楽しむための提案として示されており、ルートブックを使ったコマ図ラリーと、真冬の北海道でのスノードライブを安全に楽しむ機会として設けられています。
ライセンス不要なため、自動車免許を持っていればだれでも参加が可能ということもあり、ラリー競技に参加したことがなくて、このシバレルラリー参戦のためにコマ図の読み方を事前に勉強してやってきた、というコ・ドライバーもいたりします。
また、その一方で、ラリーレイドの最高峰ともいえる通称パリダカ(現:ダカールラリー)に参戦経験を持つドライバー、菅原義正さん、三橋淳さん、青木拓磨さんといったところが一緒になって参加している、というのも面白いところです。
今回最高齢となる菅原さんはなんと! 単独参戦です。往時のパリダカで、菅原さんが駆る日野レンジャーの活躍をTVで観ていた者にとっては、一緒に同じイベントに参加できるというだけで涙ものでもあります。
コースは、北海道を知り尽くした主催者が、ぜひ見て欲しいと思っている「冬の北海道」を設定しており、各日250kmから300kmほどの移動をします。
コマ図通りに走れば、このラリーに出なければなかなか遭遇することのない景色や体験が可能となっています。
●ラリーらしくSSもあるけど、「滑らすステージ」
いわゆるラリー競技のように、クローズドされた場所での「SS」も用意されます。
といっても、このシバレルラリーの「SS」は、スペシャルステージではなく「“滑らす”ステージ」と呼んでいます。このSSは、一般道では味わえない、スノードライブを十分堪能できるセクションが用意されています。
コマ図ラリーについては、CPも各日の最終目的地も座標軸で知らされているため、ロスト(コースがわからなくなること)したとしても問題はありません。
コース自体はゆったりめの設定となっており、敢えてルートから離れたグルメスポットに出向いてランチを摂ったり、温泉や観光施設を周ったりと、各々が自由にラリーをやりながら楽しみを見つければよいということです。
今回は新千歳モーターランドで車検およびブリーフィング、そして最初のSSが行われ、移動した後、雨竜・サーキット(北海道雨竜郡雨竜町)でのナイトセッションのSSをクリアし、初日は旭川まで。2日目は旭川から稚内、3日目は稚内から紋別、そして最終日は紋別から大雪山までを巡るルートとなります。
●横浜ゴムのテストコース「TTCH」がSSステージに!
今回の目玉企画としては、TTCH(タイヤテストセンターオブ北海道)がSSとしてコースに組み込まれたことです。
TTCHとは、圧雪路や氷盤コース、ハンドリングコースなどを有した横浜ゴムの冬季タイヤの開発拠点で、もちろん通常は一般車両が走行することのない場所です。メディアとしても1~2年に1回、スタッドレスタイヤの試乗会などで走行する機会があるだけ、という貴重な場所での走行体験もできるイベントになりました。
マシントラブルで、2日目に1台がリタイアしたこと以外は、全車が事故もなく無事に4日間を走り切りました。
このシバレルラリーを主催するビッグタンク代表の春木久史さんは、「冬の北海道を象徴するルートを、ということで、今回は最北端と流氷、そして利尻富士をコースに設定しました。気候条件もあるので、よほど運が良くなければ見れないものですが、今回はその3つを全部見ることができました。次回は昨年の大会でたどり着けなかった知床方面へのリベンジを実施したいですね」とコメントしてくれました。
「来年はさらに規模を増やしていきたいのですが、インバウンドの関係でなかなか宿泊関係で厳しい」ということでした。来年の参戦を目論むのなら、早めのチェックをおススメします。
(青山 義明)