■序盤から速さを見せた34号車 BUSOU raffinee GT-R
2022年5月4日(水・祝)に決勝レースが行われた「2022 AUTOBACS SUPER GT Round2 FAV HOTEL FUJI GT 450km RACE」。
道上龍監督が今年からGT300にGT-Rで参戦ということで注目される、新生BUSOU Drago CORSEのBUSOU raffinee GT-Rが、参戦2戦目となるこのレースで早くも2位表彰台を獲得しました。
予選Q1を井出有治選手が担当し2位、予選Q2を柳田真孝選手が走り、4位でセカンドローからのスタートとなったBUSOU raffinee GT-R。
スタートは柳田選手。序盤から速さを見せ、ポジションを1つ上げた3番手でレースを進めていき、31周目でピットインし、井出選手に交代。
鮮やかなピット作業で実質トップだった10号車TANAX GAINER GT-Rの直前でコースに復帰します。が、温まっていないタイヤでは抵抗が出来ず、その座を明け渡すことに。
そして42周目。1回目のピットを終えてレースに復帰してきた61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTは、BUSOU raffinee GT-Rの直前に入り実質2番手でレースに復帰します。しかし、ここでSUBARU BRZ R&D SPORTは温まっていないタイヤのため、すぐにBUSOU raffinee GT-Rに抜かれてしまいます。
ここで、実質的なポジションがトップのTANAX GAINER GT-R、2番手BUSOU raffinee GT-R、3番手SUBARU BRZ R&D SPORTということになり、超接近戦のバトル展開となっていきます。
しかし、この直後にヘアピンADVANコーナーの進入で22号車 アールキューズ AMG GT3が単独クラッシュ。FCY(フルコースイエロー/80km/h制限)からセーフティカー(SC)、そして16時1分に赤旗中断という流れでレースが中断されてしまいます。
そして16時25分、49周目のSCスタートからの52周目でレースは再開されますが、58周目にGT500マシンがストレートで大クラッシュとなり、再び赤旗中断。ガードレールの損傷などを応急補修し18時10分にSCスタートでレースは再開されます。
しかし、SCは解除されることなく18時20分で時間切れとなり、そのままフィニッシュ。GT500クラスでのラップが62周でレースが終了となります。
BUSOU raffinee GT-Rは58周でトップとのタイム差は1.555秒の2位でチェッカーを受けました。
アクシデントの連発で正式なレース距離とならず、またレース全体が規定周回数に達していないことから、獲得ポイントは通常の半分となってしまいます。
しかし、序盤から速さを見せ、ピットワークも完璧となった今回のBUSOU raffinee GT-R。たらればの話をすれば、レースが規定の100周で行われていたら、もしかすると優勝もあり得たかもしれない。そんな印象を抱かせる速さを見せていました。
そこで、決勝レースの直後に今回のレースのポイントを道上龍監督にうかがってみました。
●タイヤのベストマッチングが勝利のポイント
今回の第2戦富士では、GT300表彰台のみならず、4位までダンロップタイヤが独占しています。まずその辺りから道上監督にうかがってみました。
「今回は路面温度とクルマのバランスとして、ダンロップさんが用意してくれたタイヤがベストマッチだったことに尽きます。昨年から富士とダンロップの相性がいいということと、今年はテストのデータとしてもGT-Rも富士と相性がいいし、予選前のフリー走行や予選でのタイムも好調で、本当に序盤から速さを見せることが出来ました」
「ドライバーの2人は本当にプロなので、走りに関しては完全に信頼しています。その2人に応えることのできるクルマづくりが、この富士では出来ていた、という印象です」
「GT-Rとダンロップという組み合わせで言えばトップの10号車 TANAX GAINER GT-Rも同じですが、もし100周でレースが出来ていれば優勝の可能性が無かったとは言えないと思います」
ピットのタイミングで2位浮上したことについてもうかがってみました。
「先ほども言いましたが、GT-Rとダンロップの組み合わせということで、ウチと10号車が近いタイミングでピットインするのは予想がついていました。しかし、SUBARUがどのタイミングで入るかというのはわかりません。そんな中でのSUBARUのピットのタイミングは、こちらにとってはラッキーというよりも、早くピット作業を終えて早くレースに復帰できたことで、ほんの少しアドヴァンテージをもらった、という気持ちです」
BUSOU raffinee GT-Rの直前にレース復帰したSUBARU BRZ R&D SPORTを、すぐさま抜いたことで2番手浮上。その先の展開を道上監督はどのように考えていたのでしょうか。
「その時は真後ろにSUBARUがいたわけですから、ピットアウトで抜いてもタイヤが温まってくれば向こうも本領を発揮するわけで、全然安心はできませんでした」
早くも参戦2戦目にして表彰台の2番目の位置につけたBUSOU raffinee GT-R。次戦鈴鹿での上位も期待して止みません。
そんな第3戦 鈴鹿は5月28日(土)、29日(日)に300kmレースとして開催されます。
(写真・文:松永和浩)
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