新型フォルクスワーゲン ゴルフ8に清水和夫が拍手!高度な運転支援レベル2「トラベルアシスト」技術がすごい!

■新型フォルクスワーゲン ゴルフ8でTSIとDSGは完成形に達した!

新型フォルクスワーゲン ゴルフ8 に関しては、2019年12月26日に、国際モータージャーナリスト・清水和夫さんによる国際試乗会でのインプレッションを皆さまへお届けしました。その時の試乗車は2.0 TDIディーゼル(直噴ディーゼルターボ)。

新型ゴルフ8
新型フォルクスワーゲン ゴルフ8の国内試乗、いってみましょう!

コレに遅れること約2年半、ようやく日本仕様の新型ゴルフ8に清水さんが試乗しました。

今回、日本で発売された新型ゴルフ8は、1.0 eTSIのActive BasicとActive。1.5 eTSIのStyleとR-Lineの4種類。残念ながら清水さんが2年半前の国際試乗会で乗ったディーゼル仕様は導入されていません。

今回、日本で清水さんが試乗した新型ゴルフ8は、1.0eTSI Activeです。ではさっそく、清水和夫流試乗チェック動画を見ていきましょう!

●トラベルアシストと48Vモーターが新型ゴルフ8のよきポイント!

清水和夫
試乗したのは、お馴染み国際モータージャーナリスト・清水和夫さん。「トラベルアシスト、いいねぇ!」

さぁ、これから新型フォルクスワーゲン ゴルフ8に試乗します。エンジンは1L 3気筒です。

も~ね、カンペキにデジタル技術が進んでいます。ディスプレイ部分はタッチパネルで指1~2本で機能が変わります。

レーンキープアシスト
同一車線内中央ガイドのレーンキープアシストがしっかりと効いています。

ACCは白線を見る車線逸脱防止と、同一車線内中央ガイドのレーンキープアシストなどが可能な「トラベルアシスト(Travel Assist)」、これがかなり使いやすい安全運転支援レベル2の状態になっています。

今回、ドライバーがハンドルを持っているかどうかは、ステアリングホイールのコラムではなく静電気で感知しているので、手のひらをハンドルに添えておけば認識できます。これは便利だな!

新型ゴルフ8トラベルアシスト
大きな車はトラックのイラストで表示。これ、バイクだったらバイクのイラストが出るのかな?

新型ゴルフ8はカメラとミリ波レーダーしか持っていないんですけど、デジタルメータークラスターに表示される画像には、抜いていくクルマがトラックの大きさだとトラックのイラストになって出てきます。

LiDAR(ライダー)を持っているような、いわゆるHMI(Human Machine Interface)というか、ドライバーに対して「ここまでシステムが見てるよ!」という、周辺状況認識を伝えてくれていますね。

●3気筒エンジン+48Vは「頭がいい!」

エンジンは3気筒の1000ccターボ+48Vのマイルドハイブリッドです。

新型ゴルフ8のエンジン
直3 4バルブ DOHCインタークーラー付きターボ+48Vマイルドハイブリッドを積む新型ゴルフ8。試乗したのは1Lの1.0eTSI Active。

48Vのリチウムイオンバッテリーに充電された電気は、DC/DCコンバーターで12Vの従来の鉛バッテリーにも充電されます。今まではオルタネーターで12Vを充電していましたけど、今度はベルトスタータージェネレーターで48Vが動きます。で、12Vの鉛バッテリー充電も必要なので、それは48Vから12Vにコンバーターで落として充電する…というバージョン。いずれにしてもコレ、頭いいな!

乗っていてホントに静かだね。今80km/hで走っていますけど、風切り音がかすかに聞こえるくらいで、ロードノイズもしません。また、Aピラーとガラスの、このへんのしっかり感が出ています。

今ね、バッテリーEVはバッテリーにお金がかかるので、骨格にあまりお金をかけていないんじゃないか?ってうハナシがあって。むしろガソリン車やHV、PHVのほうが、クルマとしてしっかりしている気がします。

新型ゴルフ8のコクピット
新型ゴルフ8のコクピット。デジタル化が凄いです!

DSGの出だしは48Vになったことでギクシャク発進が無くなっています。ゴルフは1Lも1.5Lも全部48Vがデフォルトなので、これがDSGの完成形になるのかなと思いますね。

そういう意味で、ターボチャージャーのかったるいところ(低回転域)をモーターでアシストしたり、ツインクラッチのクラッチングのイヤなところをモーターでアシストしたりできますから、48Vの技術はTSI、DSGにとって極めて重要な意味を持っているなという気がします。

新型ゴルフ8のフロントシート
新型ゴルフ8のフロントシート。
新型ゴルフ8のリヤシート
新型ゴルフ8のリヤシート。

考えてみれば…2007年かな? TSI、DSGが最初に出た時に、ゴルフは確かスーパーチャージャーとターボチャージャーの両方を持っていたんだよね。その時の言い訳は、「ターボのかったるいところを機械式過給機で補完する」と言っていました。初代TSIのスーパーチャージャーのところを、このモーターに置き換えたというふうに考えると、すごく納得できる話ではあります。(清水 和夫)


その静かなドライビングと、清水さんのインプレッション&ウンチクのすべては動画をぜひどうぞ!

(試乗インプレッション:清水 和夫/動画:StartYourEnginesX/アシスト:永光 やすの

新型ゴルフ8の主なスペック
新型ゴルフ8の主なスペック。

◼️SPECIFICATIONS
車名:フォルクスワーゲン ゴルフ 1.0eTSI Active Basic/1.0eTSI Active(第8世代)
ボデイサイズ 全長×全幅×全高:4295×1790×1475mm
ホイールベース:2620mm
トレッド 前/後:1540/1510mm
車両重量:1310kg
最小回転半径:5.1m
エンジン:直列3気筒インタークーラ付きターボ
総排気量:999cc
ボア×ストローク:74.5×76.4mm
圧縮比:11.4
最高出力:81kW(110ps)/5500rpm
最大トルク:200Nm(20.4kgm)/2000〜3000rpm
燃料タンク:47L
電動機 最高出力;9.4kW(13ps
最大トルク:62Nm(6.3kgm)
駆動用バッテリー;リチウムイオン電池
バッテリー総電圧 :44V
燃費消費量(WLTCモード):18.6km/ℓL
トランスミッション:7速DSG
乗車定員:5名
サスペンション 前/後:マクファーソンストラット/トレーリングアーム
ブレーキ 前/後:ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤサイズ 前後共:205/55R16
価格:eTSI Active Basic 2,916,000円/eTSI Active 3,125,000円(共に1.0eTSIエンジン)

新型ゴルフ8のスペック1
新型ゴルフ8の主要諸元表。
新型ゴルフ8のスペック2
新型ゴルフ8の主要装備表。
新型ゴルフ8のスペック3
新型ゴルフ8の主要装備。
新型ゴルフ8のスペック4
新型ゴルフ8の主要装備2。


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【関連リンク】

StartYourEnginesX
https://www.youtube.com/user/StartYourEnginesX

フォルクスワーゲン NEWゴルフwebサイト
https://www.volkswagen.co.jp/ja/models/golf.html

この記事の著者

清水和夫 近影

清水和夫

1954年生まれ東京出身/武蔵工業大学電子通信工学科卒業。1972年のラリーデビュー以来、スーパー耐久やGT選手権など国内外の耐久レースに参加する一方、国際自動車ジャーナリストとして活動。
自動車の運動理論・安全技術・環境技術などを中心に多方面のメディアで執筆し、TV番組のコメンテーターやシンポジウムのモデレーターとして多数の出演経験を持つ。clicccarでは自身のYouTubeチャンネル『StartYourEnginesX』でも公開している試乗インプレッションや書下ろしブログなどを執筆。
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