新型ゴルフVIII TDI 2.0L ディーゼルは尿素SCRをダブルで使用。新世代クリーンディーゼルはひとクラス上のクオリティも手に入れた【清水和夫StartYourEnginesX】

■ディーゼルゲート問題を乗り越え、新たな技術で登場した新型ゴルフVIII TDI 2.0L ディーゼル

パッケージやデザインを一新し、スタイリッシュに生まれ変わった新型8代目ゴルフ。

先代から全長で26mm長く、全高を35mmも低くしたことでスポーティ感が増し、より精悍なフォルムとなりました。インテリアはオールデジタル化され、未来的な意匠を手に入れられました。またガソリンに加え、ディーゼルユニット、48Vのマイルドハイブリッド(1.5L直4ターボ+BSG)を設定し、パワーユニットのラインアップも豊富です。ゴルフはまだまだVWを支える主要モデルとしての資質を備えているようですね。

そんな新型ゴルフTDI、2.0Lディーゼルに国際モータージャーナリスト・清水和夫さんが海外にて試乗! インプレッションを動画と共にお届けいたします!

●ひとクラス上へと成長を遂げた新型ゴルフVIII TDI 2.0L ディーゼル

まずひとネタ! このサスペンションはDCC(電子制御可変ダンパー)付きで、なんとダンパーDCCを付けるとフロントのサブフレームがスチールからアルミになるということでした!

新型ゴルフVIII TDI 2.0L ディーゼル
新型ゴルフVIIIはノーマル設定でもフットワークは十分、楽しめます。

さぁDレンジに入れて出発! 一路、ポルト空港までTDIに乗って出発します。

ディーゼルは48Vを使っていません。ガソリンのTSIは48Vでオルタネーターがモーターの代わりをしているのでモーターアシストをするんですけどね。でもなぜディーゼルは載せないんだ?というと、高いものと高いものの組み合わせになっちゃう…ということで諦めているみたいです。

新型ゴルフVIIIのコクピット
新型ゴルフVIIIのコクピット。

eTSI(マイルドハイブリッド仕様)はベルト・ドリブン・スターター・ジェネレーター(BSG)、48Vでオルタネーターをモーターとして使ったり、あるいは回生ブレーキでとっておいたり。エンジンをスタートさせるスターターモーターが予備のために付いてはいるんですけど、基本的にBSGでエンジンを通常はかけますね。

48VのガソリンeTSIがなぜ燃費が良いか? 約10%燃費が良くなると言われていますが、走行中に「コースティング」といってエンジンをカットして空走させる。通常ですとエンジンをがカットすると電力が足りなくなります。12Vだと電源が足りなくなるんですけど、48Vの電力があればコースティングが出来るということで、それも含めて燃費が約10%良くなると言われていますね。

試乗中の清水和夫さん
新クリーンディーゼルはひとクラス上のクオリティですね!

さて今乗っているクルマはTDI、2.0Lディーゼル、新設計。基本は変わらないんですけどいろいろ新しく見直して、排ガス規制を十分クリアできる、次世代のクリーンディーゼルと言っていいでしょうね。

そのために尿素SCR(Selective Catalytic Reduction/選択触媒還元)をダブルで使用します。これは最初メルセデスベンツから始まった技術なんですけど、EGR(排ガスの一部をエンジンに戻す再循環装置)とSCRでNOx(排気ガス中の窒素酸化物)を除去するわけですが、特に尿素を使ったSCRを二重にしてダブルインジェクターでNOxを除去すると、窒素酸化物NOxをNとを分離させるのに尿素を使ってしつこく酸素と窒素分子が結合しているものを別れさせ…。この辺は化学の世界なんですが、排ガスの浄化装置にかなりコストがかかるんですね。

しかしVWは2015年に端を発したディーゼルゲート問題以降、約4年かけてこの問題に禊(みそぎ)を付けた…という風に言っていいかもですね。ということで、技術的にも新世代クリーンディーゼルエンジンが出てきました。

●ディーゼルらしからぬ静粛性が凄い!

このゴルフVIIIのシャシーも素晴らしいですけど、エンジンの音・振動が非常に静かになっています。ちょっとコレ本当にディーゼルなの!?って思うくらい、外で聞かないと分からないくらい室内ではディーゼルの音・振動がありません。もちろん、タイヤのロードノイズや風切音などの走行音もかなり少なくなってきているので、このゴルフVIIIの世代は、昔のCセグメントの代表選手というよりも、完全に乗った感じのクオリティ感はクラスの1コ上に突入していますね。

ゴルフVIIIサイドビュー
全高が低くなり、スタイリッシュな新型ゴルフVIIIになりました。

昨晩エンジニアといろいろ話をしていたんですけど、もちろんシャシー、サブフレームをアルミにしたり、きめ細かいシャシー技術のアップデートが見られますが、エンジンそのものもディーゼルはよりクリーンになり、より乗りやすくなっています。DSGもスタート時のちょっとしたもたつき感とかクラッチ操作とか、この辺も非常にスムースになってきていますね。

このディーゼル、日本だと400万円近くになってしまいそうなんですが、乗ると圧倒的なトルクとスロットルに対するドライバビリティ、応答性…、非常に乗りやすいし楽しいし、力強いな!という気がします。

DSGは7速。見た目はどこから見てもゴルフの黄金比を持っているんですけど、やっぱりディテールを見ると相当洗練された新しいモダンなゴルフという感じがしますね。だからデザインランゲージも1974年から続いたゴルフIのデザインの言語も貫きながら、近代のモダンな非常に洗練された部分もデザインとしては頑張っていますね。

カー to X
将来、どのようなカー to Xが生まれるのか、楽しみです!

ドライバーアシストシステムも、従来のACCの延長戦ですが、きめ細かいところ。カーto X、これは当面はWi-Fiを使ってインフラ、あるいは他のクルマと情報提供を仕合いながら、ギブ&テイクをしながら道路情報を共有していく…という新しいカー to Xも搭載されています。実際に日本ではWi-FiのDSRC 5.9GHzが使えるかどうかというのは、まだ整備されていない領域でもあります。あと1〜2年かけて日本ではどういうカー to Xが出てくるのかも楽しみですね。

●全高を低くスタイリングアップ、Cd値もアップ!

今、サスペンションはあえて固くしないノーマルモードですけど、これで十分という感じですね。

歴代のゴルフ
色々な工夫のもと、VIIIは全高が低くなりCd値も小さくなりました。

今回のMQB(モジュラー トランスバース マトリックス)プラットフォーム、最大の特徴は、全長・全幅・ホイールベースはそんなに変わっていないんですけど、全高が36mmも低くなっているんですね。Cd値が0.7くらいまで下がり燃費も良いんですけど、屋根を低くした分、キャビンが狭くなったのかな?と思いきや、そんなでもありません。このへんはシートとかシートレールとかを工夫したのだと思います。まさかフロアを下げるわけにはいかないですからね。細かいところを工夫しながら低くしたようです。屋根そのものの厚みみたいなところもあるかな。

新開発のクリーンディーゼル
次世代のクリーンディーゼルとなり、静粛性は素晴らしいです。

いずれにしてもパッケージで特徴的なのは、全高が下がったということ。ですからエクステリアデザインも外見も非常にボクシーなモッコリした2ボックスではなく、非常にエレガントな感じになっていますね。

これでインプレのほうは終わりにして、ドライビングを楽しんでいきたいと思います。

(試乗&レポート:清水 和夫/アシスト:永光 やすの/動画:StartYourEnginesX)

ゴルフVIIIのフェイス
キリリとした顔つきの新型ゴルフVIII。

【SPECIFICATIONS】

フォルクスワーゲン ゴルフ 2.0 TDIディーゼル
ボディサイズ:全長4284 全幅1789 全高1456mm
ホイールベース:2636mm
エンジン:直列4気筒DOHCディーゼルターボ
総排気量:1968cc
最高出力:110kW(150ps)/3500-4000rpm
最大トルク:360Nm/1750-3000rpm
トランスミッション:7速DCT
駆動方式:FWD
サスペンション形式:前マクファーソンストラット/後マルチリンク
0-100km/h加速:8.8秒

【関連リンク】

StartYourEngines HP
https://www.startyourengines.net

国際モータージャーナリスト、清水和夫が主宰する自動車専門動画ウェブメディア。クルマの限界性能と安全性を徹底的に試すダイナミック・セイフティ・テスト(DST)を始め、国内外の新車インプレッション、注目度の高まる先進安全技術、自動運転など、クルマに関するあらゆるジャンルの動画をサイトアップしています。ぜひぜひ!チャンネル登録のうえご視聴ください。

StartYourEnginesX
https://www.youtube.com/user/StartYourEnginesX

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