自賠責保険料が4月から2年連続の値下げ。普通車は新車購入時の37か月契約で2万7770円に

■2年連続で値下げ、基準料率が平均6.7%下がる

クルマを新車で購入する時や車検を受ける際に加入する自賠責保険の料金が、2021年4月から値下げされます。いわゆる「強制保険」と呼ばれ、原付バイクを含め、クルマに乗る場合には必ず加入することが義務付けられているのはご存じの通り。クルマの維持費に必ず含まれるものだけに、実際いくらになるのか気になるところです。

そこで、ここでは、主な改訂保険料を調べてみました。

自賠責保険料が4月から値下げ
自賠責保険は必ず加入が必要

●37か月と25か月の新保険料はいくら?

2021年4月1日から適用される新しい自賠責保険料は基準料率が平均6.7%引き下げされます。ちなみに、値下げは2020年に続き2年連続です。実際の改訂保険料は、車種や保険期間などの契約条件によって違います。

車検が必要なクルマの場合は、新車購入時は初めての車検までの3年分、車検時は次の車検までの2年分で加入することが多いでしょう。特に自賠責保険の場合は、車検との満期のずれにより自賠責保険が未加入の期間が生じないように、新車購入時は37か月(36か月+1か月)、車検時は25か月(24か月+1か月)で加入することが一般的です。

そこで、以下に、車検が必要な主な車種の自賠責保険料が、37か月と25か月それぞれでどう変わるのか紹介します。

【保険期間37か月の場合】

自家用乗用自動車:2万7770円
軽自動車(検査対象車):2万7330円
小型二輪自動車:1万1390円

【保険期間25か月の場合】

自家用乗用自動車:2万610円
軽自動車(検査対象車):2万310円
小型二輪自動車:9440円

上記の「自家用乗用自動車」とは普通車のこと。また、小型二輪自動車とは排気量250ccを超えるバイクのことです。

普通車の場合でいうと、37か月が改訂前3万170円でしたから2400円安くなり、25か月では改訂前2万2210円から1600円安くなります。軽自動車では、37か月の改訂前が2万9550円でしたから2220円安、25か月は改訂前2万1780円に対し1470円の値下げとなります。また、小型二輪自動車は改訂前9870円に対し430円安くなります。

ちなみに、車検が必要ない原付バイク(原動機付き自転車)の場合は、24か月で8850円(改訂前8950円)、36か月で1万590円(改訂前1万790円)となります。

●値下げの理由は事故の減少

自賠責保険料が引き下げられる理由は、簡単にいえば、前年度(2020年)の交通事故が減ったからです。

減った要因として考えられているのは、新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛や、衝突被害軽減ブレーキなどクルマに装備される先進安全技術の普及など。それらにより、交通事故数が減少し、自賠責保険が主にカバーする怪我や死亡に対する保証を行う保険金をあまり使わなくてよかったため、滞留資金が増え、2021年の保険料が下がったのです。

自賠責保険料が4月から値下げ
保険料値下げは交通事故件数が関係している

実際に、警察庁の発表では令和2年(2020年中)の交通事故発生件数は30万9000件で、前年比18.9%減。また、交通事故による負傷者数は36万9476人で前年比20%減。死者数は2839人で前年比11.7%減と軒並み減少しています。特に、死者数は4年連続で戦後最少を更新したうえに、初めて3000人を下回ったといいます。

自賠責保険の保険料は、交通事故件数や死傷者数に影響されるため、かつては値上げされたこともありました。事故に遭わない、起こさないことは、クルマや自分や他人の体や命、そして保険料などでお財布にも密接に関わるということです。それだけに、日頃から十分注意して運転したいものですね。

(文:平塚直樹 *写真は全てイメージです)

この記事の著者

平塚 直樹 近影

平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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