進化したトヨタ「GRヤリス」を井出有治がダートで走らせたら意外?に上手くて勝田パパに褒められた♪

■井出有治、(ほぼ)初めてのダート走行に挑む!

●経験ほぼナシでも、さすがのドライビングをグラベルでも魅せた♪

GRヤリスの進化型が、2024年1月12日に「東京オートサロン2024」会場で発表されました。待ち遠しい発売は、桜が咲く春ごろの予定。

TGRからーはラリチャレ用ラリー仕様
TGRカラーはラリチャレ用ラリー仕様

スーパー耐久レースやラリーという過酷なモータースポーツ参戦の中、壊しちゃ~直し、直しちゃ~壊し…を繰り返し、そしてドライバーの意見を盛り込んで大幅に進化したGRヤリスを、元F1レーサーでもある井出有治さんにサーキットで試乗していただきました(コチラの記事をチェックしてくださいね!)

ダートコースの前には、袖ケ浦の本コースでテスト
ダートコースの前には、袖ケ浦の本コースでテスト

進化のトピックスでもある、ドライバーファーストのコクピットや、GR-DAT(GAZOO Racing Direct Automatic Transmission/ガズーレーシング・ダイレクト オートマチック トランスミッション)がRZ“Hight performance”グレードに初採用、メンテナンスやコスパを重視し、3分割されたバンパー、冷却効率アップが図られたエクステリア、またハイマウントストップランプを別体にしたリヤウイング等々の進化をしたGRヤリス。

その全ては、ただただ「楽しくモータースポーツをする」ためのものなのです。

●ラリーこそ進化型GRヤリスの魅力が光る舞台

WRCフォーラムエイトラリージャパン2023を走る、勝田貴元選手のGRヤリスラリー1車両。進化型GRヤリスのいわば「親分」みたいなマシン!?(画像:Rally Japan)
WRCフォーラムエイトラリージャパン2023を走る、勝田貴元選手のGRヤリスラリー1車両。進化型GRヤリスのいわば「親分」みたいなマシン!?(画像:Rally Japan)

全日本ラリー選手権のステージも、進化型GRヤリス「修業の場」です。開発に携わったのは、WRC世界ラリー選手権 TOYOTA GAZOO Racing WRTでドライバーを務めている勝田貴元選手のパパ、勝田範彦選手。

勝田範彦選手、よろしくご伝授ください!
勝田範彦選手、よろしくご伝授ください!

ちなみに、WRCで貴元選手が乗るマシンは、GR Yaris Rally1 HYBRID。今回、井出有治さんに試乗して頂いた進化型GRヤリスの『親分』みたいなレーシングカーです(雑に言えば!?)。

土手に突っ込み、横転し(たかどうかは不明ですが)、エンジンも駆動系もバンパーも壊しに壊して、その経験を活かして改良されてきた進化型GRヤリス。

そんな進化型GRヤリスの試乗ステージは、サーキット本コースだけではありませんでした。本コース裏手にあるグラベルコースでも進化型GRヤリスに乗れるのだと。

●まずは勝田選手のコ・ドラ?になって同乗走行し、走行イメージを叩き込む!

私「井出さん、ダートって走ったことあります?」

コレ、ボクも走るの!? まったく自信なし(涙)
コレ、ボクも走るの!? まったく自信なし(涙)

井出さん「ウ~ン、チョロッと1~2回? でも、ダートっていうかグラベル走ると、ガンガンゴンゴン、車体底に石だのなんだのぶつかってくるから、なんか車が可哀想なんですよね~」

私「試乗車だからソコは遠慮なくいっちゃって~! 横転だけは気を付けてね♪」

なんて会話をしながら、現行GRヤリスのRZダート仕様(iMT)と、進化型GRヤリス(プロトタイプ/GR-DAT/ラリーチャレンジ参戦車)をグラベル試乗、いってみました。

スタートし、パイロンスラロームからの大きく右コーナー、短いストレートからの360度ターン、左コーナー(うねりあり)をクリアしゴール! ジムカーナではないので、コース間違いはないでしょうw。

まずは、勝田選手の助手席に乗って攻めドコロのチェックから。

ワクワク♪
ワクワク♪

「勝田選手の運転を覚えて、そのイメージで走ればなんとかなる…カモ?と思ったけど、勝田選手のあの向きの変え方とか、ドライビングが凄すぎて! 舵角、アクセル、ブレーキ…その塩梅は多分、感覚だけでいけているんだと。ボクにはできないなぁ…多分」(井出)。

そんな同乗初体験をしている井出さんを見ていたら、D1-GPのR35GT-R(末永正雄選手+TOYO TIRES GLION TRUST RACING[当時])のドリフト同乗体験のことを思い出していました。

●お、グラベルも意外といけてるじゃないの!

黒いのがダート仕様のiMT GRヤリス
黒いのがダート仕様のiMT GRヤリス

いよいよ井出有治(ほぼ)初めてのグラベルアタック!

まずは、iMT(6速MT)のRZダート仕様、その次にGR-DATのTGRラリーチャレンジ参戦用のラリー仕様、それぞれ2本のアタックをします。タイヤは2台ともダンロップのDIREZZA 88R DT 205/65R15(左右非対称/軟質・一般ダート用)。

「も~グダグダでしたね(汗)。最初の1本め、360度ターンのところでサイドブレーキのレバーが見つからず?空振り(涙)。なので2本めは360度ターンに入る大分手前から、レバー握ったまま走っちゃったw。サイド引いてスピード落とさないように、早め早めにいってみました。いや~でも楽しい♪」(井出)。

「サスガですね、ナイスなドライビングでしたよ!」と、師匠の勝田選手からお褒め(お世辞?w)の言葉をいただいていました。

TGRからーはラリチャレ用ラリー仕様
TGRカラーはラリチャレ用ラリー仕様

「勝田選手の走ったのを憶えて、そのイメージを真似して走ってみましたが、真似になっていなかったみたい。

轍があるから侵入に気を付けて…と、最初に説明を受けたけど、全体的にコースの路面は悪かったのかな?…まぁ悪いかどうかも分かんなかったけどwww。

普段、こんな挙動を経験することもないし、でも、轍で足が壊れるから気を付けて…の感覚は分かりました。

自分で走ってみて、やっぱり勝田選手は凄いんだとあたらめて思いました。左足ブレーキであんな侵入、なかなか決められないです~。様子見ながらコーナーに入るとアンダー出ちゃうので、アクセル踏んでパワースライドで誤魔化す!みたいな。でも、あと5本くらい走ればもうちょっと上手く走れるカモ」(井出)。

「サーキットの本コースを走ったインプレそのままで、シロート的には走りやすかったのはダート仕様のiMTでしたね。

サーキットで低速コーナーではiMTのほうがレスポンスもよくツキもいいので、それをきっかけに向きを変えられるっていうのはグラベルでも同じ。反応のイイトコロを使って誤魔化して向きを変えたりして。

勝田選手をお手本にし、そのイメージして走るぞ!
勝田選手をお手本にし、そのイメージして走るぞ!

GR-DATのほうはやっぱりレスポンスが少ないので、その間に回転も落ちてスピードも下がっちゃう。ターボラグじゃないんだけどソレっぽい感覚があるので、『ここでアクセル開けたい』って思いそうな手前から、早めにアクセル踏んでおかないとスピードを落としてしまうんですよね。

いや~でも面白い! 今日は競技じゃなくお遊び(試乗テストなんだけどなぁ…)だからね。順位関係ないから。しかも、勝田選手が褒めてくれた♪ もちろん、シロートレベルなハナシだけど!」(井出)。

サーキットのレースでサイドブレーキを思いっきり引く、なんてのはないですからね。

「今日、勝田選手の横に乗って、プロの方がグラベルを走らせる、向きを変えるきっかけとか変え方が勉強できて、良かったです。基本、レースは左足ブレーキ使うけど、でも今日はいきなり乗って左足ブレーキをやる勇気は無かった~!チャンスがあればまた”遊び”で乗りたいですね!」(井出)。

●勝田範彦選手に聞いてみました。「ラリースト井出有治、イケそうですか?w」

井出さん、ほぼ初めてなのにさすがなドライビングでしたよ!(勝田範彦選手)
井出さん、ほぼ初めてなのにさすがなドライビングでしたよ!(勝田範彦選手)

「最初、ボクの横に乗って、その運転をイメージしてほぼ初めてのダートを走ったそうですけど、サイドターンなんかボクより上手いくらい! やっぱりサスガなドライビングでしたよ!!」(勝田範彦選手)。

褒め過ぎですwww! ま、全日本ラリー選手権トップクラスのヘイキ・コバライネン選手も元F1ドライバーなので、井出さんも…どう?

(試乗インプレッション:井出 有治/文:永光 やすの/写真:井上 誠、Rally Japan、永光 やすの)

TGRカラーはラリチャレ用ラリー仕様
TGRカラーはラリチャレ用ラリー仕様

【進化型GRヤリス RZ“High performance” SPECIFICATIONS】(社内測定値)
全長/全幅/全高(mm):3995/1805/1455
ホイールベース(mm):2560
トレッド F/R(mm):1535/1565
乗車定員(名):4
車両重量(kg):1280(iMT)/1300(GR-DAT)
エンジン:直列3気筒インタークーラーターボ
エンジン型式:G16E-GTS
内径×行程(mm):87.5×89.7
総排気量(cc):1618
最高出力(kW(ps)/rpm):224(304)/6500
最大トルク(N・m(kgf・m)rpm):400N(40.8)/3250~4600
トランスミッション:iMT(6速MT)/GR-DAT(8速AT)
駆動方式:スポーツ4WDシステム“GR-FOUR”電子制御多板クラッチ式(3モード選択式)
差動装置(F/R):トルセン®LSD/トルセン®LSD
サスペンション(F/R):マクファーソンストラット式/ダブルウィッシュボーン式
ブレーキ(F/R):ベンチレーテッドディスク 18インチアルミ対向4ポットキャリパー/16インチアルミ対向2ポッドキャリパー
タイヤ(F/R共):225/40R18 ミシュランPilot Sport 4S
ホイール(F/R共):BBS製鍛造アルミホイール 8J インセット45mm
燃料タンク容量(L):50

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https://clicccar.com/2018/11/09/650999/

この記事の著者

永光やすの 近影

永光やすの

「ジェミニZZ/Rに乗る女」としてOPTION誌取材を受けたのをきっかけに、1987年より10年ほど編集部に在籍、Dai稲田の世話役となる。1992年式BNR32 GT-Rを購入後、「OPT女帝やすのGT-R日記」と題しステップアップ~ゴマメも含めレポート。
Rのローン終了後、フリーライターに転向。AMKREAD DRAGオフィシャルレポートや、頭文字D・湾岸MidNight・ナニワトモアレ等、講談社系車漫画のガイドブックを執筆。clicccarでは1981年から続くOPTION誌バックナンバーを紹介する「PlayBack the OPTION」、清水和夫・大井貴之・井出有治さんのアシスト等を担当。
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