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■モーターショーでは考えられなかった、ホンダブースの展示物
東京モーターショーから「ジャパンモビリティショー」にモデルチェンジして何が変わったかといえば、とにもかくにも対象となる出展の範囲。
以前は車とバイクが中心でひとり乗りの電動モビリティなどラストワンマイル的な車両も少しある、といった感じ。しかし、モビリティショーとなったことで、「モビリティに関する展示ならなんでもアリ」というわけです。
実際に、空飛ぶ車(というか人も乗れるドローン?)が多数あったり、まさかの鉄道車両(モックアップではなく実物!)があったり、なかなかカオスなことになっています。
そんななか、これぞモビリティショー。モーターショーではあり得なかったね……と感じるのがホンダブースの入り口付近の展示物。なんと飛行機なのです。
●ホンダジェットが見られる機会なんて、なかなかないよ
この飛行機はいったい何なのか?
そう、ホンダジェットです。
2015年から生産が始まり、2015年から運用がはじまっているホンダジェットは、このクラスでもっとも飛行速度が速く、もっとも高い高度を飛べ、もっとも飛行距離が長いという高性能が自慢。今ではクラスナンバーワンの人気と販売実績を誇り、230機以上が顧客へ収められています。
そんなホンダジェットが、ジャパンモビリティショーに登場したというわけ。
ただし展示されているのは本物ではなく、実物大のモックアップ。いろんな事情により翼(独自のエンジン搭載位置が特徴!)もありません。
とはいえ、あのホンダジェット(の実物大モデル)を見られる機会なんてそうありませんよね。
●しかもなんと、室内に乗り込める!
そしてこの(実物大モックアップの)ホンダジェットは、なんと室内まで精巧に作られたもの。機内に乗り込んで、つかの間のセレブ体験(!?)ができちゃうんです。
もちろん筆者も乗り込んでみましたが、その印象は「ミニバンよりも前後方向に余裕があるけれど、横方向は意外に圧迫感があるな」というもの。まあ小型ビジネスジェットなので、同じ飛行機といっても乗り慣れている大型旅客機とはずいぶん違いますね。
でも、それを感じられただけでも貴重な経験でした。
展示してあるホンダジェットは2022年秋に発表された「EliteⅡ」と呼ばれる最新タイプ。燃料タンクの拡大などで航続距離が従来タイプより204km伸びた2,865kmとなっているほか、「Black Edition」として黒い機体色が設定されているのも特徴です。
ちなみに、先日発表された次世代モデル「HondaJet Echelon(エシュロン)」は「EliteⅡ」よりも機体がひとまわり大きくなって搭乗人数が増えるほか、同カテゴリーの機体でははじめてアメリカ横断ができる航続距離を実現。ますます売れそうな予感です。
ところで、トヨタ自動車(の系列子会社)も過去にホンダジェットを所有していて、その機体番号は「JA86GR 」つまり「86」と「GR」に掛けていた、というのは知っていても人生の何の役にも立たない豆知識。日産が所有していたビジネスジェット(全長がHonda Jetの倍以上あって航続距離も約1万3000kmと長いGulfstream G650)は機体番号「N155AN」で遠見に見ると「NISSAN」でしたが(笑)。
(工藤貴宏)