モビリティの究極は宇宙へ。未来の宇宙飛行士は月面ドライブを体験しよう【これだけは見逃すなジャパンモビリティショー2023】

■子どもも大人も空を見上げて宇宙に夢見ましょう

●トヨタは宇宙はでも良い車づくりへ

トヨタ「ルナクルーザー」の模型
トヨタ「ルナクルーザー」の模型

モーターショーからモビリティショーへと生まれ変わって第1回目となるジャパンモビリティショー2023ですが、動くもの全般が展示されていると言っていいのでしょう。

月面の視界が広がります
月面の視界が広がります

モビリティの究極は宇宙への移動でしょう。ジャパンモビリティショー2023には宇宙を動く展示物がいくつかありますが、中でも注目したいのがトヨタが展示する月面でのモビリティ「ルナクルーザー」です。

ルナクルーザー体験のエントランス
ルナクルーザー体験のエントランス

トヨタは、月面での有人探査活動のための乗り物であり、生活空間である「ローバ」の研究をJAXA(宇宙航空研究開発機構)とともに2019年から行っています。この移動できる快適空間のトヨタ車がルナクルーザーというわけです。

モビリティショーではこのルナクルーザーに乗り込むことができます(要予約)。

ルナクルーザーの室内
ルナクルーザーの室内

車内は運転や各種探索など仕事する空間と、寝たり食べたり出したりの生活空間をきっちりと分けるほど広くはできませんが、なるべくなんとなくわかれていて、安全であることはもちろんですが、ストレスからホームシックにならないような工夫などが考えられいます。

トイレの角度は宇宙での生活と腸の角度などから研究中
トイレの角度は宇宙での生活と腸の角度などから研究中

トイレなどももちろんあるわけですが、着座ポーズが地上のものと違っている想定だったり、月面で起こることの想像力が湧いてきて、子どもの頃のワクワク感が蘇ります。

機動戦士を動かしている気分!?
機動戦士を動かしている気分!?

そして、ルナクルーザーの操縦席に座り、ややゲームコントローラー的なジョイスティックやボタンを操作して、月面を走らせることもできちゃいます。

実際にボクも体験させていただきましたが、重力の低い月面ドライブの経験は不思議な感覚で、ワクワク感がまたまた高まっちゃいました。ほとんどの人が無いわけで、お子さんならずとも不思議な体験で楽しめるはずですよ。

ちなみに、予約するにはジャパンモビリティショーの公式アプリ「推しモビ」から行うことになりますが、予約体験モノはどれも人気で超人気ユニットのライブ並みに困難かもしれません。一般公開初日の28日土曜日では予約開始時間で瞬時に埋まっていましたのでがんばってください。

●ライドデザインは2輪で月面を探索

ライドデザインの夢、宇宙探査はEVバイクで!
ライドデザインの夢、宇宙探査はEVバイクで!

さて、月面探索はルナクルーザーのような大型探索乗り物ばかりでは効率悪いかもしれません。月面上での細かな動きや、そもそも運ぶのにロケットで重力圏を離脱させるには「軽い乗り物」が有理となるんじゃないですか?という出展が、西2ホールのスタートアップストリートにありました。

ライドデザインの月面を走り回るEVバイクの模型
ライドデザインの月面を走り回るEVバイクの模型

それがライドデザインの「Luna EV Moto」です。ライドデザイン代表のデザイナーであり2輪レーサーでもある濱田浩嗣さんが考える宇宙での探索活動は、大きな乗り物から小さな2輪に乗り換えて行うのがいいのではないかと提案。

ライドデザインではEVバイクの可能性を様々考えています
ライドデザインではEVバイクの可能性を様々考えています

阪神大震災も経験した濱田さん曰く、寸断したり半分崩れ落ちた道路では、どんなに走破性の高い4輪駆動車でも無理なことが多く、オフロードバイクならそういったシーンでも支援物資を届けることができたりもした。という自身の体験からも、月面での2輪の機動性を信じ、低重力下での理想的EVバイクの開発を行っているとのことです。

現在のところ、抱きつくようなポーズでライドするバイクが良いのではないかという想定で、デザインは進んでいます。

月面で最適な2輪は地球上でも有理となるシーンが必ずあるはず、として、そこで培ったノウハウを地上のバイクに盛り込んでいくのも将来考えている、ということで、ロマンは宇宙から地上へと逆流して広がりを見せます。

ボクらが子どもの頃は、男の子のなりたい職業の上位にプロ野球選手、お医者さんなどと並んで、「宇宙飛行士」というのが必ずあった気がしますが、最近はどうなんでしょう?

地球上では大変なニュースが多いですが、宇宙のことを考えていると、一瞬でもそんなこと忘れることができるかもしれませんよ。

(文・写真:クリッカー編集長 小林 和久

この記事の著者

編集長 小林和久 近影

編集長 小林和久

子供の頃から自動車に興味を持ち、それを作る側になりたくて工学部に進み、某自動車部品メーカへの就職を決めかけていたのに広い視野で車が見られなくなりそうだと思い辞退。他業界へ就職するも、働き出すと出身学部や理系や文系など関係ないと思い、出版社である三栄書房へ。
その後、硬め柔らかめ色々な自動車雑誌を(たらい回しに?)経たおかげで、広く(浅く?)車の知識が身に付くことに。2010年12月のクリッカー「創刊」より編集長を務める。大きい、小さい、速い、遅いなど極端な車がホントは好き。
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