トヨタ「タウンエースノア」デビュー。タウンエースにノアのサブネームが付いてファミリーミニバンをアピール【今日は何の日?10月23日】

■タウンエースの後継で、人気のノアの先代にあたるミニバン

1996年に登場したライトエースノア。タウンエースノアの兄弟車
1996年に登場したライトエースノア。タウンエースノアの兄弟車

1996(平成8)年10月23日、トヨタから「タウンエース」の2回目のモデルチェンジで、新たにノアというサブネームが付いたファミリー向けミニバン「タウンエースノア」がデビューしました。

同時に、兄弟車「ライトエース」も「ライトエースノア」としてデビュー。2つのモデルは、基本的には販売チャンネルが異なる兄弟モデルです。


●ミニバンのルーツ的な存在のタウンエースワゴン

1976年にデビューした「タウンエース」は、「ライトエース」と「ハイエース」の流れをくむ商用車系バンと乗用車系ワゴンで構成。ワゴンは、広いキャビン空間を生かした3列シートの8人乗り1ボックスでした。

1976年に登場したタウンエース
1976年に登場したタウンエース

1.6L直4 OHVエンジンをフロントシートの真下に配置したキャブオーバーという形式の車で、余裕の車室内空間を生み出し、使い勝手の良さが最大の特徴でした。日常ユースからレジャーユースまで楽しめるワゴンという独自のマーケットを開拓し、現代のミニバンのルーツ的存在となりました。

1982年には、2代目タウンエースが登場しました。異形2灯式ヘッドランプや大型バンパーなどでスタイリッシュなミニバンとなり、エンジンも1.8L直4 OHVに変更。さらに、ディーゼルやターボエンジンを搭載したモデルを追加して、走りについても磨きをかけたのです。

●セミキャブオーバーにしてユーティリティを向上させたタウンエースノア

1996年にタウンエースの2回目のモデルチェンジで、後継モデルとして登場したタウンエースノアは、それまでのキャブオーバーからセミキャブオーバーに変更。これは、1990年代に衝突安全に対する要求が高まり、従来の1ボックスタイプのタウンエースでは、クラッシャブルゾーンの確保が困難になったためでした。

1966年にデビューしたタウンエースノア
1966年にデビューしたタウンエースノア

マルチリフレクターのヘッドライトと大型バンパーを装備したフロントフェイスに、フロントからリアへ流れるようなスタイリングを採用。エンジンをボディ前部に移動させた効果で、多人数でもゆったりできる広い室内空間とフラットフロアによるウォークスルーを実現、さらにステップを下げることで乗降性も改良されました。

パワートレインは、2.0L直4 DOHCエンジンと2.2L直4 OHCディーゼルエンジンの2機種と、5速MTおよび4速ATの組みあわせ、駆動方式は先代同様、FRとフルタイム4WDの2種類が選択できました。

タウンエースノアの車両価格は187.6万~298.7万円、リーズナブルな価格と優れたユーティリティが評価され、タウンエースを上回る堅調な販売を記録。ちなみに、当時の大卒の初任給は、19.5万円(現在は約23万円)程度でした。

●後継のノア/ヴォクシーは、コンパクトミニバンとして現在も絶好調

2001年には、タウンエースノア/ライトエースノアの後継として、ノア/ヴォクシーの兄弟車が登場しました。

2022年に登場した新型ノア
2022年に登場した新型ノア

フロントマスクが親しみやすいノアと、やや精悍さを加味したヴォクシーは、洗練されたファミリー志向のミドルサイズのミニバンとして、ホンダ「ステップワゴン」、日産自動車「セレナ」と競いながらヒットを続けました。

そして2022年、ノア/ヴォクシーが1月、ステップワゴンが5月、セレナが11月に相次いでモデルチェンジを実施。2023年上半期実績では、ノアとヴォクシーはそれぞれ単独でも、セレナとステップワゴンを圧倒する人気を獲得しています。


扱いやすく、ファミリー向けとしてジャストサイズのミニバンのルーツとなったタウンエースノア、そのコンセプトを受け継いだノア/ヴォクシーは、20年以上も経った現在も人気を維持しています。

毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれません。

Mr.ソラン

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Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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