ずばり言うよ! ミドルクラスミニバンのノア/ステップワゴン/セレナを徹底比較! 3人がクロスレビューで外観デザインを評価 その1【ミニバン特集2023】

■売れ筋のミドルクラスミニバン代表はノア、ステップワゴン、セレナ

左からステップワゴン、ノア、セレナ
左からステップワゴン、ノア、セレナ

いまや日本での乗用車のスタンダードとも言えるミニバン。その中でも売れ筋なのが、ミドルクラスと呼ばれる、いわゆる5ナンバーサイズクラスである全長4.7m×全幅1.7m程度に収まる車種(実際にはわずかにオーバーして3ナンバーが主流です)。

そんなミドルクラスの代表格、トヨタ・ノア、ホンダ・ステップワゴン、日産セレナのデザインを見て、レビュアーたちはどう感じたのか? ズバリ語ってもらいます!


●トヨタ・ノアのデザイン

トヨタ・ノアHV S-Z4WD
トヨタ・ノアHV S-Z4WD

・工藤貴弘「リヤフェンダーの張り出しで抑揚が付きましたね!」

工藤貴弘普通のノア、ノアのエアロ仕様、そしてヴォクシーと、3つのデザインから好みに応じて選べるようになっているのはありがたいですね。個人的には“おとなしすぎず派手過ぎず”の、ノアのエアロ仕様がいいかなあ。

ノアの正面
ノアの正面

何を隠そう、ノア&ヴォクシーが本格3ナンバーボディになったのは、現行モデルが初。そのおかげで、フロントだけでなくリヤフェンダーが張り出して(従来モデルのエアロ仕様はフロントだけがワイドフェンダーだった)側面デザインに抑揚が付きました。よかった!

・井出有治「ホイールハウスの隙間が好みでない…あ、車高短派ってワケじゃないですよ!」

井出有治ノアはいかにもトヨタらしい、万人が好みそうなスタイルで、デザイン的にもよくまとまっていますよね。そして、見た目から積載量主張派。

ノアのサイド
ノアのサイド

が、試乗車が4WDってことなのか、3台中で1番ホイールハウスの隙間が大きい。コレ…ボクは好みじゃないんですよね~。この隙間がサイドビューを美しくしていないと思っちゃうんです。あ、別に車高短派ってワケじゃないんですけどね!

・久保まい「とても好みなデザイン♪ フロントのパーツは洗車もしやすそうです」

久保まい正面からの顔は、スタイリッシュでかっこいい! ヘッドライトも、シャープで斜めになっているデザインがシュッとした印象で、個人的にはとても好みなデザインです♪ フロントグリルも大きく、存在感を感じました。

ノアの真後ろ
ノアの真後ろ

フロントグリルが細かい網目状になっていたり、柵のような形状の車もおしゃれでかっこいいなと思うのですが、花粉や砂埃などのちょっとした汚れを拭いたりする時には、目が細かいので拭きにくいかなと思うのです。けれど、ノアのフロントはパーツが大きいので、ちょっした汚れもすぐに拭きやすそう!

余談ですが、私は車が傷つくのが怖いので洗車機に入れた経験がなく、ちょっとした汚れであれば、サクッと水洗いすることが多いので、気になった感想でした(笑)。

●ステップワゴンのデザイン

ホンダ・ステップワゴンスパーダeHEVプレミアムライン
ホンダ・ステップワゴンスパーダe:HEVプレミアムライン

・工藤貴弘「シンプルで実は一番好き!」

工藤貴弘クロスレビューなのでスパッと書きますが、個人的にはステップワゴンのデザインが、ライバル3台(にヴォクシーを足した4台)のなかで一番好き。シンプルでプレーンで、素の美しさを追求した無印良品のような感覚が好印象です。

ステップワゴンの正面
ステップワゴンの正面

こういうのって単純に見えるけれど、実はこだわりが凝縮されているんですよね。例えば、ドアハンドルはフロントドアとリヤドア(スライドドア)がつながっていて、できるだけシンプルに見せていたりとか。

・井出有治「ヤンチャなBOXスタイルがカッコイイ!」

井出有治ステップワゴンはTHEミニバン!的な、いかにも「荷物たくさん積めます!」を主張しているような、角ばったヤンチャなBOXスタイルがカッコイイ。なんとなく未来的なEV風、といった雰囲気さえも感じさせるデザインに見えますね。コレって女性よりも男性のほうが好みかなと思います。

ステップワゴンのサイド
ステップワゴンのサイド

でも、ルーフ上リヤ側のスポイラーみたいなのが、なんだか急にスポーティでレーシーな雰囲気に。あれにホンダアクセスのギザギザ付けてもいいかも(あれ、マジで走りが変わります、不思議と!)。

・久保まい「ドアハンドルも角ばったデザインでまとめられてます」

久保まい初代を思い出させるような、四角い印象のデザインがかっこよかったです♪ 歴代のなかで、少し丸みを帯びた優しい印象のデザインもありましたが、個人的には四角い印象のデザインが好みなのでかっこいいなと思いました。

ステップワゴンの真後ろ
ステップワゴンの真後ろ

ドアハンドルも大きく角ばったデザインで開けやすく、全体的にかっこいいデザインでまとめられているのが素敵ですよね。


●セレナのデザイン

日産セレナe-POWER ルキシオン
日産セレナe-POWER ルキシオン

・工藤貴弘「先代から変わった顔つき、嫌いじゃないですが、横に回ると既視感が?」

工藤貴弘B87X0116気が付けば、セレナがこのクラスでもっとも小さいボディになってしまいました。だから「行動範囲に狭い駐車場があって」なんていう人には最有力候補かもです。フロントデザインは先代から大きく変わって新鮮。この顔つきは嫌いじゃないです。ただ、横にまわると既視感があるのはどうしてなんでしょうか?

・井出有治「ボクは旧型が好み! 新型は女性好みのスタイルかな?」

井出有治B87X0134旧型セレナに乗っているボクは1番セレナが気になるけど、外観だけを言えば、好みは旧型の勝ち(笑)。顔つきも旧型のVモーションがボクは好みだし、新型のコレはトヨタ顔っぽく見える? でも、ルーフラインなどもRがついていて柔らかい雰囲気を持っていることもあり、女性も好むスタイルなのかな。

・久保まい「正面は角丸で可愛く、繊細でおしゃれな印象」

久保まいセレナは正面から見ると角が丸く、横から見ると前から中央へ曲線を描いたようなカーブのデザインがおしゃれで、3車種の中でも1番可愛い車だなと思います。ノアとステップワゴンは存在感があってかっこいいという印象でしたが、セレナは繊細でおしゃれな印象。

B87X0140また、カラーバリエーションも豊富で、1色塗りだけでなく2トーン(オプション)も選べるので、個性が出せるところもいいですね。ちなみに、今回お借りした車はカーディナルレッド/スーパーブラックの2トーン〈特別塗装色〉という、オプションで選べるカラーリングでした。深みのある赤色と、パキッとした黒色が目を引く色で素敵ですね。


【レビュアー紹介】

工藤貴弘工藤 貴弘:若手フレッシュ自動車ライターがいつの間にか大御所のひとりに。大雑把な部分から重箱の隅まで、走りの車種からのんびり車種まで、あらゆる知識と興味が豊富。


井出有治井出 有治:元F1ドライバーにして現在一児の父。子どもが生まれるまではミニバンに興味なかったものの、もっか愛車セレナを子守り仕様へと改装するのに夢中。


久保まい久保 まい:車、タイヤへの愛があふれる長身モデル。運転大好きで、愛車のミッドシップスポーツカーが修理不能になって、次の購入車には再び同じ車種のMTを選択!


●トヨタ・ノア ハイブリッド S-Z E-Four 主要諸元

全長×全幅×全高:4695×1730×1925mm
ホイールベース:2850mm
車両重量:1710kg
エンジン:直列4気筒
総排気量:1797cc
最高出力:98ps(72kW)/5200rpm
最大トルク:142Nm/3600rpm
フロントモーター最高出力:95ps(70kW)
フロントモーター最大トルク:185Nm
リヤモーター最高出力:41ps(30kW)
リヤモーター最大トルク:84Nm
駆動方式:4WD
トランスミッション:電気式無段変速機
サスペンション:前マクファーソンストラット 後トーションビーム
タイヤ:前後205/60R16
車両本体価格:389万円

●ホンダ・ステップワゴン e:HEV スパーダ プレミアムライン 主要諸元

全長×全幅×全高:4830×1750×1845mm
ホイールベース:2890mm
車両重量:1840kg
エンジン:直列4気筒
総排気量:1993cc
最高出力:145ps(107kW)/6200rpm
最大トルク:175Nm/3500rpm
モーター最高出力:184ps(135kW)
モーター最大トルク:315Nm
駆動方式:FWD
トランスミッション:電気式無段変速機
サスペンション:前マクファーソンストラット 後トーションビーム
タイヤ:前後205/55R17
車両本体価格:391万2700円

●日産セレナ e-POWER ルキシオン 主要諸元

全長×全幅×全高:4765×1715×1885mm
ホイールベース:2870mm
車両重量:1850kg
エンジン:直列3気筒
総排気量:1433cc
最高出力:98ps(72kW)/5600rpm
最大トルク:123Nm/5600rpm
モーター最高出力:163ps(120kW)
モーター最大トルク:315Nm
駆動方式:FWD
サスペンション:前ストラット 後トーションビーム
タイヤ:前後205/65R16
車両本体価格:479万8200円

(写真:萩原 文博/まとめ:クリッカー編集部)