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■もうすぐ東京で4年ぶりのモーターショー開催。だけど気になるのは来年春のバンコク!
みなさん、モーターショーを見に行きますか?
コロナ禍で2021年はあえなく中止となったから、今年は4年ぶりに東京モーターショーが開催される年なんですよ。しかも、ネーミングも「JAPAN MOBILITY SHOW」と改め、モビリティの枠を超えて他産業やスタートアップなども募るというのです。世界の変化に対応してモーターショーも生まれ変わるんだ!という決意がヒシヒシと感じられますよね。
でも、ネット時代にわざわざモーターショーに出かけるのはメンドウ。そう思っている人も多いのでは? そう、それがモーターショー主催者にとって世界共通の悩みになっているわけです。
ぼくは数年前から海外モーターショーに足繁く通ってるんですが、とりわけ先進国のモーターショーはその凋落が著しいですね。
●先進国のモーターショーは岐路に立たされている
いちばん強烈だったのは、最後のフランクフルト開催となった2019年のIAA(ドイツ国際モーターショー)。ちょうど、気候変動に関する話題が注目を集めていたこともあり、CO2排出は「悪」というイメージがモーターショーを直撃。地元ドイツ以外のメーカーがほとんど出典を取りやめた他、展示規模も大幅縮小のお通夜状態にビックリしました。
おまけに、プレスカンファレンスは「EV開発に全力投球するから許してください!」という懺悔ムードだし、会場の外では環境活動家がアンチSUV(SUVは重いので燃費が悪い=二酸化炭素を多く排出するからケシカラン!)のデモを繰り広げているし、ぼくも長いこと自動車ジャーナリストやってますがあんな惨憺たるモーターショーは空前絶後だったんじゃないかと思います。
●注目はアジア圏のモーターショー
ところが、所変われば品変わると申しますか、アジアに場所を移すとモーターショーってまだまだ人気抜群なんですよ。
アジア圏でぼくが訪れたモーターショーというと、バンコク、ジャカルタ、上海、デリー、クアラルンプールあたりですが、どこへ行っても観客が多いし、しかも車に対する視線が熱い! 来場者の熱気だけで火事が起きるんじゃないか、っていうくらいです。
そりゃまぁ当然なことで、先進国では車はほぼ普及し終わっているのに対して、新興国は「初めて車を買う人」が圧倒的多数。しかも、アジア圏のモーターショーはトレードショーを兼ねていることも多く、展示ブースの裏に商談コーナーがあってモーターショー会場内でけっこうな新車が売れたりするわけ。そりゃ、ワクワク度がぜんぜん違うし、購入前提だったら見る方も真剣ですよね。
●バンコクモーターショーをオススメする理由3つ
というわけで、ぼくは最近アジア圏のモーターショーがお気に入りなんですが、中でもみなさんにもお勧めしたいのが毎年3月下旬に開催されるバンコクモーターショーですね。 ここがうれしいポイントはいくつもあるんですが、代表的なものは以下の3つ。
1.格安のLCCがバンバン飛んでるから交通費が安くつく
ぼくは先日デトロイトショーへ行ったし、年明けにはラスベガスのCES取材も予定してるんですが、どちらも航空運賃は20万円コース。でも、バンコクならLCCで6万円台、JAL/ANAでも10万円チョイ。ぜんぜん負担が違うんです。
2.日本のバブル期みたいにショー全体に活気があって楽しい
これは先に述べたとおり、モータリゼーション発展期ならではの熱さがあるわけですが、もうひとつバンコクショーで有名なのはコンパニオンの数とクォリティが(おそらく)世界一なこと。美しいコンパニオンはやっぱりモーターショーの華。これはアジア圏全体に言えることですが、モデルさんの多さとクォリティは欧米圏を完全に圧倒しております。とにかく華やかで、見ているだけで楽しくなってくる。
3.食事が安くて美味しいこと
タイ料理は日本人の味覚に合うと言われていますが、ぼくもまったく同感。だいたい何を食べても美味しいし、バンコク市内のモールへ行けば日本食のお店にも不自由なし。最近円安なもんで、アメリカへ取材に行くと安いファストフードで済ませることが多いのですが、バンコクショーは圧倒的に食生活が豊かですね。楽しいモーターショーを見て、おいしい料理に舌鼓を打って、本当に幸せ!
そんなわけで、ぼくのスケジュール帳にはすでに来年3月末のバンコクモーターショー取材の予定が書き込まれているわけですが、この記事を読んで「なんか楽しそうじゃん!」と感じたみなさまもタイ観光がてら見物に行くことをお勧めいたします。
タイは欧米にくらべると物価も安くて過ごしやすいし、LCCでドンムァン空港に降りれば会場のインパクトアリーナまでタクシーで30分ほど。こんなお手軽に訪問できる海外モーターショーは、なかなか他にはないと思いますよ!
日本で売っていない現地向けの日本車を見るだけでも結構楽しかったりします。
(文:鈴木直也/写真:鈴木直也、工藤貴宏)