「スカイラインGT」の集大成! 日産「スカイラインNISMO」は788万400円から

■100台限定の「スカイラインNISMOリミテッド」は匠による手組みエンジンを搭載

2023年8月8日(火)、日産自動車はスポーツセダンの代名詞である日産・スカイラインにワークスブランドであるNISMOがチューンを施した「スカイライン NISMO」と、特別仕様車の「スカイライン NISMO リミテッド」を発表しました。

スカイラインNISMOが星野さんに贈呈された
スカイラインNISMOが星野さんに贈呈された

スカイラインNISMOは1,000台限定で標準車は788万400円。レカロシート+カーボン製フィニッシャー装着車は847万円で9月上旬に発売。また、100台限定のスカイラインNISMOリミテッドは、947万9800円で2024年夏に発売予定となっています。

スカイラインGT伝説のルーツとなったS54B型スカイラインGT
スカイラインGT伝説のルーツとなったS54B型プリンス・スカイラインGT

横浜にある日産本社で開催された発表会には、アンバサダーに就任した星野一義氏を招いてトークショーを開催。

星野さんが、直6エンジン+ウェーバーのキャブというスペックだけ見て購入したという、2代目のS54B型プリンス・スカイラインもステージに展示され、このモデルからスカイラインのGT伝説が始まったと回顧しました。

アンバサダーに就任した星野一義氏を招いてトークショーを開催
トークショーが開催され、スカイラインの思い出が話された

また発表会の中で、これまでの星野さんの功績を称えて、日産モータースポーツ&カスタマイズ株式会社・片桐隆夫代表取締役社長最高経営責任者から、スカイラインNISMOが贈呈され、記念のキーの授与式がありました。

スカイラインNISMOのフロントスタイル
スカイラインNISMOのフロントスタイル

今回発表されたスカイラインNISMO&スカイラインNISMO リミテッドは、車両本体価格589万9300円のスカイライン400Rをベースに、NISMOがレース活動で培った技術をフィードバックしたカスタマイズモデルです。

スカイラインNISMOのリアスタイル
スカイラインNISMOのリアスタイル

スカイラインNISMOは、外観は空力性能を向上させた前後のバンパーとサイドシルカバーを専用パーツとして開発。細く鮮やかなレッドアクセントをはじめ、専用フォグランプ、エンブレムなど、一目でNISMOと分かるデザインを採用しています。

スカイラインNISMOのインテリア
スカイラインNISMOのインテリア

インテリアは、ベース車400Rの高い質感はそのままに、シックなブラックで統一。コクピット周りにはレッドセンターマーク付のNISMO専用本革巻ステアリングをはじめ、280km/hスケールのスピードメーター、そしてNISMOロゴを配したレッドリングタコメーターを採用し、上質なドライビング空間を演出しています。

ホールド性と快適性を両立したフロントシート
ホールド性と快適性を両立したフロントシート

採用されたNISMO専用チューニングのレカロ製スポーツシートは、スエード調表皮の張り分けの位置にこだわり、急旋回時でもシート中央部に体圧が残る高いホールド性を実現しています。また、着座時の体圧の分散を最適化する座面構造の採用により、グランドツーリングに求められる快適性も備えています。

最高出力、最大トルクともに向上した3LV6ツインターボエンジン
最高出力、最大トルクともに向上した3LV6ツインターボエンジン

搭載している3L V型6気筒ツインターボエンジンはGT500レース用エンジンに携わった開発者が、同じ開発設備を使ってチューニングを施し、最高出力は420ps(+15ps)、最大トルク550Nm(+75Nm)へと大幅に向上しています。

チューニングしたエンジンに合わせて、スタンダードのドライビングモードでは日常使いにおいても力強さと気持ちの良い加速の伸びを実現。また、スポーツおよびスポーツ+モードでは、7速ATにNISMO専用の変速スケジュールを施し、エンジンの回転数を高回転でキープし、スポーツ走行時のレスポンスの良い切れ味鋭い走りを提供します。

GTエンブレムがフロントフェンダーに輝く
GTエンブレムがフロントフェンダーに輝く

パワーアップしたエンジンをしっかりと路面に伝えるため、リアタイヤの幅を20mm拡大させ、前後で異なるサイズの専用開発の高性能タイヤを採用しました。アルミホイールは、リム幅を拡大しながらも高剛性と軽量化を両立したNISMO専用エンケイ製19インチアルミホイールを装着しています。

フロントの245に対してリアは265と20mm幅広となっている
フロントの245に対してリアは265と20mm幅広となっている

高性能タイヤに合わせて、サスペンションとスタビライザーにも専用チューンを実施。これにより、旋回時のロールを押させつつ、アンジュレーションのある路面においても追従性を保つことで、高い4輪接地性を実現し、限界域まで安心できる車両安定性を提供しています。

ブレーキには、耐フェード性に優れる摩擦材を採用。加えて、専用タイヤとブレーキパッドに合わせて、アンチロックシステムの制御やビークルスタビリティコントロールに専用チューンを施し、コントロール性を向上させています。

トランク容量はベース車から変化なし
トランク容量はベース車から変化なし

そして、前後のウィンドウシールドガラスの接着材には、GT-R NISMOにも採用している高剛性接着材を採用し、車両重量を増やすことなく車体剛性を向上させています。

S54型スカイラインGT誕生60周年を記念した100台限定の特別仕様車、スカイラインNISMO リミテッドは横浜工場の匠ラインで特別な資格をもつ匠が一つ一つ手組みで作り上げる高精度なエンジンを搭載しています。

大人のスポーツカーなのでリアスポイラーも控えめ
大人のスポーツカーなのでリアスポイラーも控えめ
スカイラインNISMOにはシリアルナンバーのプレートが貼られる
スカイラインNISMOにはシリアルナンバーのプレートが貼られる

レース車を想起させるデザインに、日産初採用となる艶消しガンメタリック塗装のホイールを特別装備しています。リミテッドの証として、エンジン組み立て担当者の名前の入った匠ラベルをはじめ、100台限定を刻印した専用シリアルナンバープレート、専用エンブレムを装着しています。

アンベールの瞬間
アンベールの瞬間

スカイラインNISMO リミテッドのボディカラーは、ホワイトパール、NISMOステルスグレー、ダークメタルグレーの3色を用意しています。

ベースの400Rに対して1000台限定のNISMOが+約200万円。そして100台限定のNISMOリミテッドは+約358万円という価格設定ですが、匠が手組みしたバランス取りされたエンジンは、この価格以上の価値があると言えるでしょう。スカイラインファンならば手に入れたい逸品だと思います。

(文・写真:萩原 文博)

この記事の著者

萩原 文博 近影

萩原 文博

車好きの家庭教師の影響で、中学生の時に車好きが開花。その後高校生になるとOPTIONと中古車情報誌を買い、免許証もないのに悪友と一緒にチューニングを妄想する日々を過ごしました。高校3年の受験直前に東京オートサロンを初体験。
そして大学在学中に読みふけった中古車情報誌の編集部にアルバイトとして働き業界デビュー。その後、10年会社員を務めて、2006年からフリーランスとなりました。元々編集者なので、車の魅力だけでなく、車に関する情報を伝えられるように日々活動しています!
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