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■シート高735mmで足着き性抜群、価格は75万9000円から
カワサキの「エリミネーター」といえば、1990年代に巻き起こった国産アメリカンバイク・ブームの立役者ともいえるバイクです。
特に、アメリカで人気のドラッグレースで活躍するレーサー、いわゆる「ドラッガー」を彷彿とさせる低くて長いフォルムが特徴。また、精悍でマッチョなスタイルなどが、当時多くのバイク好きを虜(とりこ)にしたものでした。
カワサキは、そんな往年の名車を復活させることを宣言し、大阪モーターサイクルショーで、新型モデル「エリミネーター(ELIMINATOR)」と「エリミネーターSE(ELIMINATOR SE)を世界初公開しました。
新型は、400ccの並列2気筒エンジンを搭載。伝統のロー&ロングフォルムを継承しつつも、現代的なテイストを融合したデザインや最新装備を採用することで、ネオクラシックなバイクに仕上がっています。
●迫力のフォルムが人気だった元祖モデル
元々、エリミネーターは、1980年代から2000年代前半に発売していたアメリカンバイクのシリーズです。
1983年に発売された初代モデルは、900cc・4気筒エンジンを搭載した輸出向けモデルで、国内には当時の自主規制で最大排気量だった750cc版を投入。その後、1986年には400cc、1987年には250ccも登場し、豊富なラインアップを誇りました。
特に、250ccや400ccのモデルは、前述の通り、1990年代の国産アメリカンバイク・ブームをけん引した立役者ともいえるバイクたちです。
大型モデルと比べると、サイズ自体はコンパクトでしたが、シリーズ共通の迫力あるドラッガースタイルを継承。また、当時、初心者が比較的取得しやすかった自動二輪中型限定免許(いわゆる中免、現在の普通二輪免許)でも運転できる400cc以下のモデルだったこと、リーズナブルな価格などにより、若い世代を中心に大きな支持を受けました。
そんな名車エリミネーターの車名を継承したのが、今回の新型で、往年のモデルと同様に、カウルレスのスタンダードと、フロントカウル仕様のSEがラインアップされます。
●低速域で豊かなトルク特性を持つエンジン
新型は、エンジンに398cc・並列2気筒を採用した普通二輪モデルとして登場。フルカウルスポーツの「ニンジャ400」やネイキッドの「Z400」と同系のエンジンは、最高出力48ps/10000rpm、最大トルク3.8kgf・m/8000rpmを発揮し、低速域での豊かなトルク特性を持たせたことで、良好なコントロール性を実現するといいます。
外観は、ワイルドなアメリカン的スタイルだった先代エリミネーター400などと比べると、ややマイルドな印象で、どちらかといえばロードスポーツに近いフォルム。でも、伝統といえるロー&ロングなシルエットは、しっかりと継承しています。
車体には、軽量化を追求し扱いやすさを高めた新設計のトレリスフレームを採用。250〜500ccのカワサキ・オンロードモデル中で最も低い735mmというシート高により、抜群の足着き性も実現します。
足まわりでは、フロント18インチ、リヤ16インチのホイールを採用し、低く長い車体のフォルムに貢献。自然なハンドル・ステップ位置によるリラックスしたライディングポジションにより、街乗りからツーリングまで、幅広いシーンで快適な乗り心地も実現しています。
●最新の多機能メーターを採用
ほかにも、メーターには、丸型オールデジタル液晶インストゥルメントパネルを装備。クラシカルな全体のスタイルにモダンな印象を与えると共に、良好なコントラストを持つ白背景液晶により、優れた視認性も発揮します。
また、メーターに表示できるのは、デジタルスピードメーター、デジタルバースタイルタコメーター、ギヤポジションインジケーター、時計、オドメーター、デュアルトリップメーター、燃料計などと、かなり多機能です。
加えて、パネル内にはブルートゥースも内蔵し、スマートフォンとの相互通信も可能。専用スマートフォンアプリ「RIDEOLOGY THE APP」を使えば、スマホに燃料計やオドメーター、メンテナンス情報などを表示できるほか、車両メーター側でも電話着信、メール受信などのスマホ情報を表示することが可能です。
●SEにはカワサキ車初のドラレコも装備
さらに、フロントカウル付きモデルのエリミネーターSEでは、カワサキ車初のドライブレコーダーも搭載します。
ミツバサンコーワ製GPS対応型ドラレコを、車体前後に採用。あおり運転の被害時に役立つのはもちろん、ツーリングなどで走った道乗りを動画でプレイバックするといった使い方もできる便利アイテムです。
ほかにも、SEでは、ツートンのレザーを使用し、上縁にステッチを施したシートや、フォークブーツなど、さまざまな専用パーツを装備。防水設計のUSB Type-C電源ソケットも搭載することで、スマートフォンの充電なども可能です。
価格(税込)は、スタンダードのエリミネーターが75万9000円、フロントカウル付きのエリミネーターSEが85万8000円。
発売日については、まだ未発表で、後日ホームページなどで告知される予定です。
(文:平塚直樹)