大阪駅「うめきた地下ホーム」の開業で何が便利になる?

■先進技術を盛り込んで開業

うめきた地下ホームに停車中の「はるか」。大阪〜関西空港間の所要時間を関空快速より20分程度短縮しました
うめきた地下ホームに停車中の「はるか」。大阪〜関西空港間の所要時間を関空快速より20分程度短縮しました

2023年3月18日のダイヤ改正で大阪駅うめきた地下ホームが開業しました。

開業日の3月18日に10時33分発の「はるか17号」で出発式が執り行われました(画像提供:JR西日本)
開業日の3月18日に10時33分発の「はるか17号」で出発式が執り行われました(画像提供:JR西日本)

うめきた地下ホームは東海道本線梅田貨物支線(以下梅田貨物線)を、地下ルートに移設して新設しました。

地下ホームは現在工事中のうめきたエリア2期区域の下にあり、うめきた地下口へは仮設通路を設置。また、うめきたエリア先行区域にあるグランフロント大阪方面と地下通路で結ばれています。

うめきた地下口入口の周囲は工事中のうめきた2期区域。道路とは仮設通路で結ばれています
うめきた地下口入口の周囲は工事中のうめきた2期区域。道路とは仮設通路で結ばれています
グランフロント大阪方面とうめきた地下改札口を結ぶ地下通路を設置しました
グランフロント大阪方面とうめきた地下改札口を結ぶ地下通路を設置しました
顔認証自動改札機をうめきた地下口改札口に設置して、実証実験を行います
顔認証自動改札機をうめきた地下口改札口に設置して、実証実験を行います

うめきた地下改札口には、顔認証自動改札を設置しました。今回は実証実験で、新大阪〜大阪間のICOCA定期券の所有者がモニター登録することで利用することができます。

うめきた地下改札口のきっぷ売り場には、AIを活用した指定席券販売機「みどりの券売機プラス+AI」を設置。また、改札内外2ヵ所にAI案内所を設置しています。

みどりの券売機プラス+AIは音声の内容をAIが判断
みどりの券売機プラス+AIは音声の内容をAIが判断
AI案内所は非接触タッチパネルと音声で利用することができます
AI案内所は非接触タッチパネルと音声で利用することができます
AI案内所の非接触タッチパネルは、ボタンが投影されています
AI案内所の非接触タッチパネルは、ボタンが投影されています

コンコースにはサイネージを活用した案内パネルを設置。顔認証自動改札機やみどりの券売機プラス+AI、AI案内所と共に未来的な雰囲気となっています。

乗り場案内はサイネージを採用。壁の映像コンテンツはタッチパネルで操作することができます
乗り場案内はサイネージを採用。壁の映像コンテンツはタッチパネルで操作することができます

うめきた地下口のほか、東海道本線・大阪環状線の高架下に西口を新設しました。西口からは既存の高架ホームへの通路と、うめきた地下ホームへの通路を設置。これらの通路を通ることで、うめきた地下ホームと高架ホームが結ばれ、10〜15分で乗り換えることができます。

大阪駅高架ホームの西側に新設した西口
大阪駅高架ホームの西側に新設した西口
高架ホームから西口・うめきた地下ホームへの通路も設置
高架ホームから西口・うめきた地下ホームへの通路も設置
西口とうめきた地下ホームを結ぶ通路
西口とうめきた地下ホームを結ぶ通路

うめきた地下ホームは21〜24番乗り場。このうち21番乗り場は世界初のフルスクリーンホームドアを採用していて、車両のドアの数、位置に合わせて自在に可動します。また、乗車位置案内などにサイネージを採用しています。

うめきた地下ホームは21〜24番乗り場があります
うめきた地下ホームは21〜24番乗り場があります
21番線に設置されたフルスクリーンホームドア
21番線に設置されたフルスクリーンホームドア
車両のドアの数、位置に合わせてドアが移動します
車両のドアの数、位置に合わせてドアが移動します

うめきた地下口・コンコース・ホームには先進的な技術が盛り込まれているのが特徴で、関西を代表する駅であることを強調しています。

●うめきた地下ホームのメリット

関空アクセス特急「はるか」
関空アクセス特急「はるか」

うめきた地下ホームが設置された梅田貨物線は、東海道本線・新大阪駅から大阪環状線・西九条駅を直結していて、京都方面から関西空港を結ぶ特急「はるか」や新大阪・京都から南紀方面を結ぶ特急「くろしお」を運行しています。

南紀方面への特急「くろしお」
南紀方面への特急「くろしお」

しかし、梅田貨物線は大阪駅から離れていたため、「はるか」「くろしお」は大阪駅に停車できませんでした。そのため、大阪駅から関西空港や南紀エリアに行く場合、天王寺駅などで特急に乗り換える必要がありました。大阪駅から関西空港へは関空快速が直通していますが、所要時間が1時間8分程度と、特急乗り換えの52〜58分よりも時間がかかっていました。

関空快速は大阪駅の高架ホームから大阪環状線経由で関西空港と直結
関空快速は大阪駅の高架ホームから大阪環状線経由で関西空港と直結

うめきた地下ホームが開業したことで、大阪駅から関西空港と南紀エリアに特急で直通できるようになりました。特に特急「はるか」は大阪駅と関西空港を47分程度で結び、所要時間は20分程度短縮され、今後のインバウンド需要の増加を考えると、所要時間の大幅な短縮は大きなメリットです。

うめきた地下ホームに停車中の「はるか」。大阪〜関西空港間の所要時間を関空快速より20分程度短縮しました
うめきた地下ホームに停車中の「はるか」。大阪〜関西空港間の所要時間を関空快速より20分程度短縮しました

●おおさか東線もうめきた地下ホームに直通

開業したうめきた地下ホームには、おおさか東線も発着するようになりました。

うめきた地下ホームの開業により、大阪駅発着となったおおさか東線
うめきた地下ホームの開業により、大阪駅発着となったおおさか東線

おおさか東線は、新大阪〜久宝寺間を結ぶ路線でしたが、今回のダイヤ改正で運転区間を大阪に延長しました。鴫野駅・放出駅では学研都市線、久宝寺駅では大和路線に接続していて、大阪南東部・奈良県方面から大阪へのアクセスルートの選択肢が増えました。

梅田貨物線は、2025年に開催される大阪万博へのアクセスルートとしても期待されています。梅田貨物線が大阪環状線と合流する西九条駅から分岐する、JRゆめ咲線の終点となる桜島駅からは、夢洲にある万博会場へのアクセスバスを運行する計画で、JR西日本は新大阪〜桜島間にアクセス列車を運行。同区間を20分で結ぶ計画です。

JRゆめ咲線は2025年に開催される大阪万博へのアクセスルートとなり、新大阪・うめきた地下ホームと直結します
JRゆめ咲線は2025年に開催される大阪万博へのアクセスルートとなり、新大阪・うめきた地下ホームと直結します

●今後更に発展するうめきたエリア

うめきたエリアは大阪駅前の新たな拠点として整備を進めていて、2013年に先行開発区域として開業したグランフロント大阪に続き、2期区域が2024年夏頃に一部先行まちびらきを行い、2027年度に完成を予定しています。

工事が進んでいるうめきた2期区域。左上には大阪駅高架ホームが見えます
工事が進んでいるうめきた2期区域。左上には大阪駅高架ホームが見えます

2031年春には、大阪駅うめきた地下ホームと大和路線JR難波駅・南海電鉄難波駅を結ぶ、なにわ筋線の開業を予定しています。なにわ筋線のルートは、大阪環状線の大阪駅と新今宮駅をショートカットしていて、大阪駅・新大阪駅から関西空港へのアクセス向上が期待できるほか、大阪市内を南北に結ぶルートの強化もできます。

うめきた地下ホームの開業により大阪駅は鉄道の拠点・まちづくりの拠点として大きく発展していくことでしょう。

(ぬまっち)

この記事の著者

ぬまっち(松沼 猛) 近影

ぬまっち(松沼 猛)

1968年生まれ1993~2013年まで三栄書房に在籍し、自動車誌、二輪誌、モータースポーツ誌、鉄道誌に関わる。2013年に独立。現在は編集プロダクション、ATCの代表取締役。子ども向け鉄道誌鉄おも!の編集長を務める傍ら、自動車誌、バイク誌、鉄道誌、WEB媒体に寄稿している。
過去に編集長を務めた雑誌はレーシングオン、WRCプラス、No.1カーガイド、鉄道のテクノロジー、レイル・マガジン。4駆ターボをこよなく愛し、ランエボII、ランエボVを乗り継いで、現在はBL5レガシィB4 GTスペックB(走行18万km!)で各地に出没しています。
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