カワサキのスーパーチャージャー付き大型ツアラー「ニンジャH2 SX/SE」に2023年モデル。オートハイビームを新採用

■先進安全装備をさらにアップデート

カワサキは、高性能スポーツツアラー「ニンジャH2 SX」と、その上級グレード「ニンジャH2 SX SE」の2023年モデルを発表しました。

カワサキ・ニンジャH2 SX SE
カワサキ・ニンジャH2 SX SE

高い動力性能と優れた燃費性能を両立する独自のスーパーチャージドエンジンを搭載し、ロングツーリングのための快適性を追求したハイパフォーマンス・スポーツツアラーがニンジャH2 SXとニンジャH2 SX SE。

その2023年モデルでは、スタンダード仕様に新色を採用したほか、必要に応じてハイビームを自動で切り替える「AHB(オートハイビーム)」を搭載するなどのアップデートを実施し、2023年4月8日(土)に発売されます。

●200psの大パワーと高い燃費性能を両立

ニンジャH2 SXは、スーパーチャージャー付き998cc・水冷並列4気筒エンジン(スーパーチャージドエンジン)を搭載するハイパワーな大型スポーツツアラーです。

航空宇宙などで培った技術を投入した独自のスーパーチャージャーを装備するパワーユニットは、NA(自然吸気)エンジンでは味わうことのできない圧倒的な加速力が魅力。

998cc・水冷並列4気筒スーパーチャージドエンジン
998cc・水冷並列4気筒スーパーチャージドエンジン

また、最大出力200ps(ラムエア加圧時210ps)もの大パワーを発揮しながらも、WMTCモード値18.4km/Lという高い燃費性能も両立します。

外観は、優れたウインドプロテクション性能を持つカウリングを採用し、アップライトなポジションなどで長距離ツーリングでの快適性を追求。アッパーカウル先端のLEDヘッドライトなどにより、力強さを強調したフェイスデザインも印象的です。

ラインナップには、スタンダード仕様のニンジャH2 SXと、上級バージョンのニンジャH2 SX SEを設定。特に、ニンジャH2 SX SEには先進の電子制御システムを数多く投入し、長距離走行時の安定性や快適性を極めていることが注目です。

ニンジャH2 SX SEに搭載するセミアクティブサスペンションKECS
ニンジャH2 SX SEに搭載するセミアクティブサスペンションKECS

まず、足まわりには、独自のセミアクティブ電子制御サスペンション「KECS(カワサキ・エレクトロニック・コントロール・サスペンション)」を装備。路面および走行状況に0.001秒という非常に速い反応速度で適応し、減衰力を最適化することで、幅広いシーンで高い走行安定性を誇ります。

また、ショーワが開発した「スカイフック式EERA(電子制御ライドアジャスト)」テクノロジーも搭載(ロードモードおよびライダーモードのKECSノーマルモード時に作動)。路面の凹凸に応じてショックアブソーバー内の減衰力を自動調整する機能も持つことで、路面からの衝撃などを最小限にし、タイヤの接地感を高め、コーナリング時に優れた安定性を実現します。

●ACCなど数多くの先進安全装備も採用

ほかにも、ニンジャH2 SXとニンジャH2 SX SEのいずれも、2022年のモデルチェンジでボッシュ社製「ARAS(アドバンスト・ライダー・アシスタンス・システム)」を新採用していることも注目です。

ボッシュ社製「ARAS(アドバンスト・ライダー・アシスタンス・システム)」の採用で、ACCなどの先進安全装備も搭載
ボッシュ社製「ARAS(アドバンスト・ライダー・アシスタンス・システム)」の採用で、ACCなどの先進安全装備も搭載

車体の前後に搭載されたレーダーセンサーが周囲を検知することで、さまざまな先進安全装備を使えるのがこのシステム。

機能には、まず、高速道路などで適切な車間距離を自動で保持しながら前車を設定速度で追従する「ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)」を採用。

停止時に、ライダーのブレーキ入力無しでもブレーキ効力を維持するVHA(ビークルホールドアシスト)
停止時に、ライダーのブレーキ入力無しでもブレーキ効力を維持するVHA(ビークルホールドアシスト)

また、先行車と衝突する危険性がある場合に、インストゥルメントパネル上部の赤色LEDランプが点滅してライダーに警告する「FCW(フォワードコリジョンワーニング/前方衝突警告)」も搭載します。

加えて、ライダーの死角に接近する車両の存在を検知し警告する「BSD(ブラインドスポットディティクション/死角検知)」や、停止時にライダーのブレーキ入力無しでもブレーキ効力を維持する「VHA(ビークルホールドアシスト)」なども採用。幅広いシーンでの運転支援や利便性、快適性などを実現します。

●ブラック基調の新色で精悍さをアップ

2023年モデルでは、スタンダード仕様のニンジャH2 SXに新しいカラーやグラフィックを採用したボディ色「メタリックディアブロブラック」を設定。ブラックを基調とした色調が、より精悍さをアップしています。

スタンダード仕様ニンジャH2 SXの2023年モデル
スタンダード仕様ニンジャH2 SXの2023年モデル

また、スタンダード仕様と上級グレードのニンジャH2 SX SEともに、「AHB(オートハイビーム)」を新採用しています。

これは、搭載するカメラセンサーで前方車両のライトや街灯などの明るさを判断し、必要に応じてハイビームを自動でオン・オフする機能。夜間走行時などでは、基本的にハイビームにした方が運転時の前方視認性が高いことはよく知られていますが、一方で、ハイビームにしたままだと、前方車両の運転者などを眩惑する場合があり危険です。

AHB(オートハイビーム)を新採用
AHB(オートハイビーム)を新採用

このシステムは、そうしたハイビームとロービームの切り替え操作を省くことで、ライダーの疲労度を軽減。また、ロービームへの切り替え忘れなどにより、周囲の車両などへの眩惑を防ぐことができるというものです。

最近の4輪車では一般的になってきた機能ですが、バイクで採用するモデルはまだ少数。従来から数多くの先進安全機能を持つニンジャH2 SXやニンジャH2 SX SEですが、この新装備により、さらに安全性能が向上したといえます。

なお、価格(税込)は、スタンダード仕様のニンジャH2 SXが273万9000円、上級グレードのニンジャH2 SX SEが305万8000円です。

(文:平塚 直樹

この記事の著者

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平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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