日産自動車が「e-NV200」を発表。2014年ジュネーブモーターショーで初公開された商用バンのEV【今日は何の日?3月4日】

■リーフに続く電気自動車(ゼロエミッションビークル)第2弾

2014年にデビューした商用電気自動車のe-NV200
2014年にデビューした商用電気自動車のe-NV200

2014(平成26)年3月4日、日産はジュネーブモータ―ショーで商用電気自動車「e-NV200」を発表しました。

欧州は同年5月から、日本では10月から販売開始。e-NV200は、商用バン「NV200」をベースに、「リーフ」のEVパワートレインを組み合わせた商用車です。

●リーフのEV技術を移植した商用バン、乗用ミニバンも登場

商用電気自動車のe-NV200
商用電気自動車のe-NV200

e-NV200は商用バンNV200をベースに、リーフのEVパワートレインを組み合わせ、広い室内空間とモーターによる力強い走り、静粛性を兼ね備えたモデルです。

2010年にデビューしたリーフ
2010年にデビューしたリーフ

駆動バッテリーは、初代リーフと同じ容量24kWhのラミネート型リチウムイオン電池で、モーター最高出力80kW/最大トルク280Nm、満充電時の航続距離は185~190km(JC08モード)、最高速は120km/hを発揮。

初代の航続距離は短く、実用性に不満を持たれましたが、2018年のマイナーチェンジで容量をリーフ同様40kWhへと増量し、航続距離は300kmまで改善されました。

ボディタイプは、5人乗りのバンタイプの他に、3列シートの7人乗りミニバンタイプも用意され、国内初のEVミニバンという貴重なモデルとなりました。しかし、EVの価格と航続距離の呪縛から解放されることなく、知名度も販売も期待通りに伸びませんでした。

e-NV200は、スペインのバルセロナ工場で生産、欧州では販売を継続するものの、国内販売は不振を理由に2019年10月に終了しました。

●日産が進めたゼロエミッションビークルの取り組み

地球環境問題がクローズアップされ、CO2削減が世界中で叫ばれるようになった2000年以降、日産はいち早くゼロエミッションビークルとして電気自動車の開発に取り組み始めました。

e-NV200ミニバン仕様のシートアレンジ
e-NV200ミニバン仕様のシートアレンジ

成果の第1弾が、e-NV200のベースとなったリーフで、2012年12月に発売。本格的な量産電気自動車のリーフは、実用性を重視した5人乗りのハッチバックスタイルで、フロント部に電気モーターを搭載したFF駆動です。

EVシステムはe-NV200と同じですが、リーフはe-NV200より軽いので、航続距離は200km、最高速は145km/hを達成しています。その後、リーフはEVシステムの改良やバッテリー容量の増大によって、2017年10月の2代目では航続距離が400kmまで延びました。

横浜市で実証試験を行っている超小型EVのニューモビリティコンセプト
横浜市で実証試験を行っている超小型EVのニューモビリティコンセプト

2011年11月には、市販車ではありませんが、2人乗りの小型EV「ニューモビリティ・コンセプト」を使って、横浜市で実証試験を開始。

目的は、観光客や地域住民の移動手段としての有用性の評価で、全長234cm、全幅123cmの2人乗り、最高速は80km/hです。

●アリアとサクラも登場してEVフルランナップ体制へ

e-NV200以降、日産はリーフの改良に注力したためか、新しいEVを投入しませんでしたが、2022年1月にクロスオーバーEV「アリア」、2022年6月に軽EV「サクラ」を投入しました。

2022年にデビューしたクロスオーバーSUV・EVの
2022年にデビューしたクロスオーバーSUV・EV

アリアは、EVのクロスオーバーSUV。SUVといっても街乗り中心のお洒落な都会派SUVで、航続距離は430km~450km(バッテリー容量66kWh)、580km~610km(91kWh)です。2WDと4WDがあり、価格は539万円~790万円と高価です。

2022年にデビューした軽EVのサクラ
2022年にデビューした軽EVのサクラ

サクラは、「デイズ」のプラットフォームを使ったハイトワゴンのEVです。扱いやすい軽自動車ながら、EVらしい力強い走りが魅力で、20kWhのバッテリーを搭載し、通勤や買い物などの日常生活では十分な航続距離180kmを達成。価格は255万円と304万円の2つのグレードが用意されています。

アリアは価格が高いためか、販売に苦しんでいるようですが、サクラは好調に滑り出しました。


大量の荷物や多人数に乗員を搭載する商用バンやミニバンの電気自動車は、重いバッテリーに加えてさらに重量が増えるので、EVの課題である航続距離の問題がさらに深刻になります。そのようなこともあり、e-NV200は、充電の煩わしさを感じる使いづらいEVだったのかもしれません。

毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれません。

Mr.ソラン

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Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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