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■EVユーザー171名を対象にした意識調査
バッテリーとモーターだけで走る電気自動車、いわゆるEV(またはBEV、ハイブリッド車を除く)。2022年には、軽EVの日産「サクラ」や三菱「ekクロスEV」が人気を得るなど、徐々に普及が進んでいますが、一方で、まだまだ充電場所が少なかったり、充電時間がガソリン車などと比べると長いなど、さらなる普及にはさまざまな課題も残ります。
では、実際にEVを保有している人は、どんな理由で購入し、どんな点に満足したり、不満を感じているのでしょうか? また、次にクルマを乗り換える際もEVを選びたいと思っているのでしょうか?
ロイヤル顧客の反応可視化ツールを提供するスパコロは、全国20〜69歳のEV保有者171名を対象に、「ユーザー意識可視化調査 電気自動車編」を実施。
その結果、次の乗り換え時もEVを選ぶと答えた人が53.8%いる一方、残りの約半数は、ガソリン車やハイブリッド車など、別のタイプに乗りたいと考えていることなどが分かりました。
●所有するEVのメーカーは日産がダントツ
今回の調査は、2022年12月2日(金)〜2022年12月3日(土)の期間、インターネットによるアンケート形式で行われたものです。
調査によれば、まず、現在所有しているEVのメーカーは、上位から
1位:「日産(日産自動車)」(41.5%)
2位:「ホンダ(本田技研工業)」(11.1%)
3位:「三菱(三菱自動車工業)」(8.8%)
4位:「レクサス」(4.7%)
と続いているといいます。
前述のサクラをはじめ、世界初の量産EV「リーフ」、SUVタイプの「アリア」など、他メーカーに先駆けて早くからさまざまなタイプのEVを販売する日産が、ダントツで1位となっていますね。
●EVを選んだ理由の1位は「補助金」
調査では、さらに、EVを選んだ理由を質問。上位から
1位:「補助金が出るから」(42.7%)
2位:「ガソリン代がかからないから」(38.0%)
3位:「環境に配慮しているから」(32%)
3位:「電気自動車が主流になりつつあると感じたから」(32.2%)
という結果になっています。購入動機では、「コスト」を重視した人が多いということが分かります。
●EVに満足している点
次に、調査では、EVに「乗っていて満足している点」について質問。上位から
1位:「走行音が静か」(36.3%)
2位:「ガソリンスタンドに行かなくて良い」(33.9%)
3位:「維持費が安い」(33.3%)
4位:「走りがなめらか」(32.2%)
4位:「燃料費が安い」(32.2%)
という結果になったといいます。「走行音が静か」や「走りがなめらか」など、走行性能を気に入っている人や、ガソリンや維持費など、やはりコスト面について満足度が高いと答えた人が多い結果になっています。
●EVを不満に感じた点
また、調査では、逆に「不満に感じた点」についても質問。上位から
1位:「充電に時間がかかる」(38.0%)
2位:「充電スポットが少ない」(30.4%)
3位:「充電の残量が不安になる」(29.8%)
4位:「価格が高い」(28.7%)
という結果になっています。やはり、上位には「充電」や「走行距離」に関連する項目が入っていることで、EVユーザーが持つ「悩みのたね」は依然として同じのようです。
●次の乗り換え時に選ぶクルマは?
最後に、調査では、「次に車を購入する際の車のタイプ」について質問。
1位:「電気自動車」(53.8%)
2位:「ガソリン車(レギュラー)」(12.9%)
3位:「ハイブリッド車」(18.1%)
4位:「ディーゼル車(軽油)」(5.8%)
5位:「水素自動車」(4.7%)
6位:「ガソリン車(ハイオク)」(3.5%)
7位:「そのほか・わからない」(1.2%)
という結果に。半数以上が「電気自動車」と答えていることで、継続してEVに乗る人が多いことが分かります。
ただし、なかには、2位のガソリン車や3位のハイブリッド車など、従来からの内燃機関を搭載するクルマに戻りたいと思っている人も一定数いるようです。
今回の結果について、調査を行ったスパコロは
「電気自動車ユーザーはコストを意識して電気自動車を購入する人が多いこと、走行性を評価する一方で、航続距離・充電スポットについての悩みを抱えていることがわかりました。
また電気自動車ユーザーのうち約半数は次の車の買い替え時も電気自動車以外に乗り換えることを考えていることがわかる結果となりました」
といった分析をしています。
いずれにしろ、EVは、カーボンニュートラル実現のために普及が期待されているものの、実際に購入した人にとっては、まだまだ課題が多いことも事実のようです。
今回の「電気自動車ユーザーが次に購入する車のタイプ」の調査結果でも分かる通り、次の買い替え時にEVではない別のタイプを望む人もいることは、非常に残念だといえます。
時代に先駆けて購入したEVユーザーが、不便や不満を感じず、真に満足して乗り続けられるよう、早急なインフラの整備や、航続距離など技術的進歩に期待したいものです。
(文:平塚直樹 *写真はすべてイメージです)