トヨタ「セルシオ」デビュー。レクサス初のモデル「LS400」をセルシオとして国内へ【今日は何の日?10月9日】

■メルセデス・ベンツやBMWに対抗するためにトヨタが放った超高級セダン

1989年にデビューした高級車セルシオ。レクサLS400を国内で販売
1989年にデビューした高級車セルシオ。レクサLS400をセルシオとして国内に投入

1989(平成元)年10月9日、トヨタは「クラウン」よりもさらに上級の大型高級セダン「セルシオ」を発売しました。

セルシオは、その1ヶ月前に米国で立ち上げた高級車ブランド“レクサス”の設立に合わせて発売された「レクサスLS400」を日本仕様にしたモデルです。


●欧米の高級車に対抗するために高級車レクサスブランドを設立

バブル景気の勢いで高級車が飛ぶように売れた1980年代後半、トヨタは世界の高級車市場に参入するため、米国で高級車の販売チャンネル“レクサス”を立ち上げました。

セルシオのリアビュー、堂々たる風格あるスタイリングと輝きを放つボディ
セルシオのリアビュー、堂々たる風格あるスタイリングと輝きを放つボディ

レクサスのクルマづくりは、それまでのトヨタ車とは一線を画し、すべての製造過程の加工精度を上げ、内装材も厳選した高級素材を使用。ボディの塗装も従来とは違った特別な塗装方法を採用し、その輝きと耐久性は際立っていました。

レクサスの設立と同時に発売されたのが「レクサスLS400」であり、「セルシオ」はその1ヶ月後に日本仕様にしたLS400として日本に投入されたのです。

●欧米高級車に負けない快適な乗り心地を実現したセルシオ

セルシオは、クラウンでは満足できなかったユーザーに、「センチュリー」と「クラウン」の中間に位置する超高級車を提供するために開発されました。そのため、欧米の高級車に負けない質感や乗り心地、静粛性が重視されました。

セルシオの豪華な内装
セルシオの豪華な内装

パワートレインは、最高出力260PS/最大トルク36.0kgmを発揮する新開発の4.0L V8 DOHC 32Vエンジンと、最新仕様のETC-i制御4速ATの組み合わせ。足回りは、4輪ダブルウィッシュボーンで、標準モデルにはコイルスプリング式、上級モデルにはダンパーの減衰力を自動調整できるピエゾTEMSを組み込み、さらにフラッグシップモデルには電子制御式エアサスペンションを採用して、超高級車らしい快適な乗り心地を実現しました。

セルシオは、メルセデス・ベンツやBMWの高級車と競合できる初めての国内モデルとして大きな注目を集め、国内でも大変な人気を記録しました。中でも最も売れたのは、600万円を超えるフラッグシップ仕様でしたが、それでも欧州高級車に比べればコストパーフォーマンスに優れ、お買い得でした。

●1980年代にトヨタ、日産、ホンダ3社が高級車ブランドを設立

1980年後半、ホンダ、トヨタ、日産の3社は、世界市場への高級車展開を目指して高級車ブランド(販売チャンネル)を設立しました。

1989年にデビューしたインフィニティ Q45
1989年にデビューしたインフィニティ Q45

日本初の高級車ブランドは、1986年に設立されたホンダの“アキュラ”ブランドでした。フラッグシップセダン「レジェンド」とスペシャリティカー「インテグラ」、1990年には「NSX」を販売。

日産は、レクサスと同じ1989年に“インフィニティ”ブランドを立ち上げ、最初に最上級セダン「Q45」が投入され、国内でも「インフィニティQ45」として販売されました。


トヨタ、ホンダ、日産が高級車ブランドを設立した理由の一つには、高級車を求めるカスタマーが、大衆車を求める人たちと同列に同じ店で接客されることへの嫌悪感を避ける目的があったと言います。これは、日本以上に階級意識の高い欧米では顕著だったようです。高級ブランドにはにはそれなりの別な対応を、というところからでしょう。クルマに限らず高級店には、お金持ち専用通路や接客部屋があるというのは、よくある話ですね。

毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかも知れません。

Mr.ソラン

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Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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