スカイライン「ジャパン」デビュー。「ケンメリ」の愛称で人気の4代目に続く5代目【今日は何の日?8月8日】

■伝統のスタイリングを継承しながら待望のターボモデルも登場

1977(昭和52)年8月8日、日産自動車から5代目「スカイライン」がデビューしました。キャッチコピーは、日本車の決定版の意味を込めて「スカイライン・ジャパン」。世界的な排ガス規制の強化によって性能が抑えられる中、モデルチェンジを機にスカイライン初のターボモデルを追加し、高性能と環境性能を両立させました。

1977年にデビューした5代目スカイライン・ジャパン2000GT
1977年にデビューした5代目スカイライン・ジャパン2000GT

●ケンメリの後に続いたジャパンも引き続き人気を獲得

圧倒的な人気を獲得した4代目「ケンメリ」の後を継いだ5代目スカイラインは、「日本の風土が生んだ日本の名車」の意味を込めてジャパンの愛称で親しまれました。

1980年に登場したスカイライン・ジャパン(2000GTターボ)
1980年に登場したスカイライン・ジャパン(2000GTターボ)

ジャパンは、先代より直線基調でシャープなフォルムを採用し、4ドアセダンと2ドアハードトップがラインナップされました。エンジンは、1.6L&1.8L 直4 SOHCエンジンをベースとして、ロングノーズの「GTシリーズ」には2.0L直6 SOHCを搭載。当時は、世界的に排ガス規制が強化されて排ガス対応が優先されたため、特に際立った性能ではありませんでしたが、ジャパンはケンメリの勢いを減速させることなく、販売開始数年は年に15万台前後と好調な販売を記録しました。

当時のジャパンのライバルは、トヨタの「セリカ」。DOHCエンジンを搭載したセリカが放った“名ばかりのGT達は道を開ける”というキャッチフレーズが、SOHCエンジンのジャパンを挑発するようだと評判になりました。しかし、1980年にジャパンがスカイラインとして初のターボモデル「2000GTターボ」を登場させ、今度は逆に“今、スカイラインを追うのは誰か”とやり返したのは有名な話です。

●5代目ジャパンまでのスカイランの輝かしい歴史

スカイラインは、1957年の誕生から現行の13代目まで今年で65年を迎え、日産の中で最も長い輝かしい歴史を持つモデルです。初代から4代目までの歴史を簡単に振り返ってみましょう。

・初代(1957年~)

1957年にデビューした初代スカイライン
1957年にデビューした初代スカイライン

初代スカイラインは、富士精密工業(後に日産と合併するプリンス自動車の前身)から発売されました。テールフィンを持つボリューム感のあるアメリカンスタイルを採用。エンジンは、1.5Lの直列4気筒でクラストップの60PSを発揮、最高速度は国産乗用車最速の125km/hを誇りました。

・2代目(1963年~):羊の皮をかぶった狼

1963年にデビューした2代目
1963年にデビューした2代目

1964年の第2回日本グランプリに参戦したスカイラインGTが、ポルシェ904をヘアピンカーブで抜き去るという伝説の離れ業を成し遂げ、「羊の皮をかぶった狼」という称号が与えられました。このレースを機に、多くのファンの期待に応えて「スカイラインGT」が市販化されました。

・3代目(1968年~):ハコスカ(愛のスカイライン)

1968年にデビューした3代目(ハコスカ)

日産・プリンスの合併後初のモデル、ボクシーなスタイリングから「ハコスカ」と呼ばれました。ファミリーユースとスポーツ性を両立させ、1969年には2.0L 直6 DOHCを搭載した「スカイラインGT-R」が誕生したモデルです。

・4代目(1972年~)ケンメリ(ケンとメリーのスカイライン)

1972年にデビューした4代目(ケンメリ)

ウェッジシェイプの流れるようなスタイリングに丸目4灯のテールランプが特徴、ファッショナブルなスポーツセダンというジャンルを確立。ケンとメリーのロマンチックなテレビCMの効果もあり、ある種の社会現象を起こすほどの人気モデルに。累計販売台数が歴代最高の64万台を達成しました。


かつて誰もがみんな憧れたスカイラインも、今後どうなってゆくのか厳しい状況のようです。ルノーとの提携の影響もあったのでしょうか、2001年に登場した11代目から、以前からのスカイラインらしさは薄まってしまったように思いますね。

毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかも知れません。

Mr.ソラン

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Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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