カワサキ「KX・KLX」シリーズ2023年モデルは出力向上、新色採用などアップデート

■KX/KLXシリーズ全11機種の2023年モデル発表

アメリカで最も権威あるオフロードレース、AMAスーパークロスやAMAモトクロスで数々のタイトルを獲得しているのが、カワサキの250cc競技向け市販レーサー「KX250」。その2023年モデルがカワサキモータースジャパンより発表されました。

カワサキKXシリーズに2023年モデル
カワサキ・KX250の2023年モデル

新型のKX250では、全回転域で性能を向上させたエンジンやハンドリングの改善などを実施。また、そのエンデューロ仕様「KX250X」にも同様のアップデートが施されています。

さらに、そのほかのKX/KLXシリーズにも新色などを採用し、全11機種の最新モデルが2022年9月1日に発売されます。

●KX250/KX250X

249cc・水冷4ストローク単気筒をスリムで高剛性のペリメーターフレームに搭載するのがKX250。アメリカAMAをはじめ、世界各地のオフロードレースで活躍する250ccの市販レーサーです。

その2023年モデルでは、エンジンの性能を全回転域で向上させると共に、リヤタイヤのワイド化(100/90-19→110/90-19)やサスペンションのセッティング変更などにより、コーナリング時のハンドリングを改善。

これらの組み合わせにより、ラップタイムを向上し、レーストラックにおいてより強力なマシンに仕上がっています。

カワサキKXシリーズに2023年モデル
カワサキ・KX250Xの2023年モデル

また、エンデューロレースなどクロスカントリー向け仕様のKX250Xでも、KX250のアップデートに合わせてエンジン性能を全回転域で向上。より多くのシチュエーションに対応する1速ギヤのロング化なども施すことで、さらに戦闘力をアップしています。

加えて、これら2モデルはカラーやグラフィックも変更。価格(税込み)は、KX250が84万7000円、KX250Xが85万8000円です。

●KX450/KX450X

数多くの先進機能を採用した449cc・水冷4ストローク単気筒エンジンを、スリムな車体に搭載するのが「KX450」。

カワサキKXシリーズに2023年モデル
カワサキ・KX450の2023年モデル

「中級レベルのライダーからエキスパートライダーまで、表彰台の頂点に立たせる」という、40年以上に渡るKXブランドの設計概念を今に引き継ぐマシンです。

主な特徴は、吸気ラインのダウンドラフト化やフィンガーフォロワーロッカーアームを採用した高出力エンジンを採用すること。セルフスターターや油圧クラッチなどによる優れた操作性と相まって、レースで高い戦闘力を誇ります。

また、KX450をベースにしたクロスカントリーモデルが「KX450X」。KX450の強力なエンジンやシャーシ性能などはそのままに、フロント21インチ、リヤ18インチのホイールにエンデューロタイヤを装着。さらに、サイドスタンドやスキッドプレートなど、クロスカントリーシーンで役立つ装備が備わっています。

カワサキKXシリーズに2023年モデル
カワサキ・KX450Xの2023年モデル

これら2機種の2023年モデルでは、KX450に新しくダンロップ製「MX33」タイヤを採用。また、両モデルともに、カラーやグラフィックも変更。

カワサキのワークスレーサーを彷彿とさせるライムグリーンをベースに、シュラウドのデカールやシートなどにブラックの配色を施すことで、よりアグレッシブなフォルムを実現します。

なお、価格(税込み)は、KX450が101万2000円、KX450Xが103万4000円です、

●KX112

低回転域から優れたトルクを発生する111cc・2ストローク単気筒エンジンを搭載し、小排気量クラスで高い戦闘力を発揮するのが「KX112」。

カワサキKXシリーズに2023年モデル
カワサキ・KX112の2023年モデル

車体には高い強度とねじれ剛性を持つペリメーターフレームを採用。減衰力に優れた36mm径の倒立フロントフォーク、強力な制動力を発揮する前後ペタルディスクブレーキなども装備することで、クラストップレベルの高い戦闘力を誇ります。

また、シュラウドデザイン、コンパクトなボディワーク、アジャスタブルハンドルバーにより、モトクロスを始めた若年層のみならず、より幅広いライダーが楽しめることも大きな特徴です。

その2023年モデルでは、基本性能はそのままに、カラーやグラフィックを変更。価格(税込み)は45万1000円です。

●KX85/KX85L

84ccのパワフルな2ストロークエンジンを搭載する、いわゆるミニモトクロッサーがKX85とKX85L。

カワサキKXシリーズに2023年モデル
カワサキ・KX85の2023年モデル

KX85にはフロント17インチ、リヤ14インチのホイールを装着、KX85Lはより大径のフロント19インチ、リヤ16インチのホイールが採用されています。

車体には、インナーチューブ径36mmの倒立フロントフォーク、ユニトラックリヤサスペンションなど充実した装備を誇り、小柄な車体ながら優れたパフォーマンスを発揮。

カワサキKXシリーズに2023年モデル
カワサキ・KX85Lの2023年モデル

未来のチャンピオンを目指す若年ライダーが腕を磨けるだけでなく、KX85Lなら大人もファンライドを楽しめる懐の深さも魅力です。

その2023年モデルでは、こちらもカラーやグラフィックを変更。価格(税込み)はKX85が42万9000円、KX85Lが44万円です。

●KX65

6速ミッションを装備した本格的なキッズ向けモトクロッサーが「KX65」。

2023_カワサキKXシリーズに2023年モデル
カワサキ・KX65の2023年モデル

上級モデルのスタイルをそのまま凝縮したアグレッシブなデザインと高い走破性で、多くのキッズライダーたちから高い評価を得ているモデルです。

エンジンには、64ccの2ストロークピストンリードバルブ単気筒を採用。パンチのある高回転域でのパワー特性と扱いやすさを両立すると共に、高い信頼性と耐久性も誇ります。

また、車体には、本格的なセミダブルクレードルフレームを採用。サスペンションは前後の伸側減衰力調整やリヤのプリロード調整も可能で、路面状況やスキルに合わせたセッティングを可能とします。

その2023年モデルでは、同じくカラーやグラフィックを変更。価格(税込み)は32万4500円です。

●KLX230R/KLX230R S

誰もが本格的なオフロードライディングを楽しめるように開発されたのが「KLX230R」。

2023_カワサキKXシリーズに2023年モデル
カワサキ・KLX230Rの2023年モデル

232cc・空冷4ストローク単気筒エンジンは、低中回転域から力強いトルクを生み出し、シンプルな構造により、ハードなオフロード走破に理想的な設計となっているのが特徴。

また、コンパクトなペリメーターフレーム、軽量な樹脂製タンク、アルミニウム製スイングアームなどを採用。車両重量115kgという軽量な車体と相まって、オフロードアドベンチャーを存分に楽しめます。

2023_カワサキKXシリーズに2023年モデル
カワサキ・KLX230R Sの2023年モデル

また、ミニモトクロッサーをベースに、シート高を25mm低い900mmとすることで、足着き性を向上させた「KLX230R S」もラインアップ。より多くのライダーが、自信を持ってオフロードライディングを楽しめるモデルです。

これらの2023年モデルでは、まず、KLX230Rがカラーやグラフィックを変更。一方のKLX230R Sでも新カラー&グラフィックを採用したほか、前後サスペンションのストローク量を最適化。フロント220㎜、リヤ223㎜とすることで、より足着き性を向上させています。なお、プリロードは好みに合わせた調整が可能です。

価格(税込み)は、KLX230Rが52万8000円、KLX230R Sが52万8000円です。

●KLX110R L

子供から大人まで幅広くオフロードを楽しめるのが「KLX110R L」。

2023_カワサキKXシリーズに2023年モデル
カワサキ・KLX110R Lの2023年モデル

エンジンには、111ccの空冷4ストロークSOHC単気筒を採用し、堅牢なバックボーンフレームに搭載。KACR(カワサキ・オートマチック・コンプレッション・リリース)とセルフスターターにより、安定した始動性も確保します。

また、スロットルの開け過ぎを防ぐストッパーや大型のチェーンガイド、ヒートプロテクターなど安全装備も充実。

変速方式には4速ミッションとマニュアルクラッチを採用し、オフロード走行をスポーティに楽しむことができます。

加えて、サスペンションには、140mmのストロークを確保したテレスコピック式のフロントフォークとガス封入式のリヤショックを装備。リヤのホイールトラベルは132mmを誇り、走破性と安定感のあるハンドリングに貢献します。

その2023年モデルでは、こちらも新しいカラー&グラフィックを採用。価格(税込み)は29万7000円です。

(文:平塚直樹

この記事の著者

平塚 直樹 近影

平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
続きを見る
閉じる