F1も新幹線も軽自動車もマクラーレンP1も。止めることなら任せとけ!!世界に誇れる日本の技術「曙ブレーキ」Ai-ミュージアムを清水和夫が社会科見学

■え? あのブレーキもこのブレーキもakebono製だって!?

●日本の技術、ここにあり!

曙ブレーキ
2006年、ニュルブルクリンク24時間レース用に開発

曙ブレーキ工業(株)は1929年(昭和4年)創業の老舗の主要ブレーキ部品サプライヤーです。「akebono」とローマ字で書いたほうが馴染深いかもしれませんね。

4輪自動車をはじめ、2輪のバイクや自転車、鉄道、フォークリフトなどの産業機械、風力発電、エレベーター…動くものを止めるには必ずブレーキが必要です(ちょっと強引!?)。

清水和夫
曙ブレーキの「Ai-ミュージアム」を訪れた清水和夫さん

その曙ブレーキの博物館「Ai-Museum(エーアイ ミュージアム)」があるのは、埼玉県羽生市(現在はコロナ禍により休館となっているそうですが、時機復活できるでしょう)。

そこに訪れたのは、「デカいブレーキが付いていると安心する」という、国際モータージャーナリスト・清水和夫さんです。

ちなみに「Ai」とは、「Akebono」「innovation」、曙ブレーキの改革を意味し、またIT(情報技術)の頭文字も含み、 ITを最大限に活用し、仕事の進め方を抜本的に改革する場にしよう、という誓いを込めて命名されたそうです。

さて、なぜ清水さんはAi-ミュージアムを訪れたのでしょうか? それは「頼もしい日本発のブレーキ」が、日本国内はもちろん、欧米、アジアなど世界中に日本の技術を提供している、その技術を社会科見学しに、です。

曙ブレーキ
低音が魅力の曙ブレーキ 代表取締役社長 CEO・宮地康弘さん

「社長とは旧知の仲」「網走で一緒に毛ガニを食べた仲」とのことで、バリトン歌手!?のような声がステキな代表取締役社長 CEO・宮地康弘さんもご登場です。

清水さんはどんな技術を勉強したのでしょうか? それは動画を見てね~♪ ですが、さわりをちょっとだけ紹介しますね。

●ブレーキは自動車安全技術の最先端、そして最後の砦

清水:宮地さんもスタートユアエンジン動画を見てくれているんですよね! なんかヘンなこと言ってませんか?w
曙ブレーキはモータースポーツにも積極的ですね。

曙ブレーキ
マクラーレンP1にも採用

宮地:ポルシェのようなモノブロックキャリパーを作ろう!と、モータースポーツ参戦へ立ち上がりました。

清水マクラーレンとF1用も開発するなど、ハイエンドなブレーキメーカーだと思っていたけど、軽自動車をはじめとした乗用車から、新幹線用もやっているんですね。
クルマ好きが最初に見るのは足元。タイヤ・ホイール・キャリパー! あと、ローターに穴が開いているかどうかw。

曙ブレーキ
ダストが無くなったことで白いキャリパーが誕生

宮地:10ポッドキャリパーはフォルクスワーゲン・グループのハイパフォーマンス、ポルシェやベントレー、ランボルギーニなど、SUV系など重たい系が得意。モータースポーツではWECで優勝したトヨタのマシンにも使われています。

清水:世界の最先端のモータースポーツで、akebono製が活躍していますね。

宮地:これからは排気ガスの問題、タイヤのパウダー、ブレーキダストの問題…。よりダストの出ないパッドが要求されています。

●akebonoブレーキでF1を目指せ!

曙ブレーキ
執行役員 開発部門長 西村誠司さん

ブレーキに関した基本的なことを展示してあるスペースは、執行役員 開発部門長 西村誠司さんに案内いただきました。

曙ブレーキ
20種類以上を使用するブレーキパッドの摩擦材は…企業秘密!

清水:富士スピードウェイのストレートエンドでブレーキ効かないと、死ぬほど怖い!

西村:摩擦材は20種類以上、配合は企業秘密です!

曙ブレーキ
新幹線用のブレーキもakebono製。「デカい!」
曙ブレーキ
akebono製の新幹線用ブレーキ

清水:コレ、新幹線用ですか! デカいですね~。風力発電の風車用も…ちょっと驚き!

曙ブレーキ
曙ブレーキのモータースポーツへの主な軌跡

西村:モータースポーツへの軌跡は、まずは2002年にダウンヒルの自転車競技からスタートしました。自転車の指の細かいブレーキコントロールを勉強するためです。
2003年にMTB JCFダウンヒルジャパンのシリーズチャンプを獲り、翌2004年は次のステップとして全日本ロードレース選手権JSB1000クラスへブレーキを供給し、2005年にクラスチャンピオン。
2006年ニュルブルクリンク24時間耐久レースにポルシェのプライベートチームに供給し、総合2位。
2007年F1ボーダフォン マクラーレン メルセデスに供給、2008年ワールドチャンピオン。
2009年にポルシェ パナメーラ(北米向け)用のパッドを供給開始しました。

清水:ここで初めてポルシェ社へ純正納品したんですね。

曙ブレーキ
最初のF1用、使用されたそのもの!

西村:2010年、WECでTOYOTA Team GAZOO Racingへ供給開始、2014年にダブルタイトルを獲得。
2012年からマクラーレン12C GT3へ供給開始。
2013年WECのTOYOTA Motor GmbHへ供給開始。鈴鹿8時間耐久ロードレースで優勝、マクラーレン P1用を供給開始。その後10ポッドの開発を開始…。という流れですね。

清水:ポルシェ、マクラーレンF1、ル・マン、WEC、WRC…世界のモータースポーツのトップカテゴリーをakebono旋風で支配した感じ。

●ブレーキって安心感というか、デカいのが付いているとカッコイイ!

曙ブレーキ
モータースポーツ、まずはダウンヒル自転車競技用からスタート
曙ブレーキ
ダウンヒル用のブレーキレバーに刻印されるakebonoロゴ

Akemoboのモータースポーツの世界が分かるスペースは、モータースポーツ担当の開発部門AAE チーフエンジニア・野際純一さんと社会科見学です。

野際:F1を目指してモータースポーツを始めたakebonoは、参戦2戦目でアジアのブレーキメーカーでは初めてF1で優勝しました。

曙ブレーキ
F1用の熱対策として、カーボン製の冷却用ダクトを開発

清水:F1にはホンダのエンジンとか自動車メーカーだけではなく、日本のサプライヤーもかなり入っていましたよね。
タイヤはブリヂストン(1960年代日本グランプリにチャレンジ/1976年日本初のF1GP参戦、マシンは星野一義のティレル007フォード/1997年から本格参戦/1999年~2000年、2007年~2010年はワンメイク)だったし、ブレーキはakebono、ダンパーはショーワ。一時期、コマツがトランスミッションを開発していた時期もあったしね。

野際:F1は1000度以上にもなるローター温度対策、そして軽量化を常に追求します。WRCでは路面からのG、振動に対しての対策、悪路の中でいかに安定させるか?が重要です。

●300km/h出るクルマを安心して止めるというのは、言うは易く行うは難し!

清水和夫×曙ブレーキ
ブレーキは自動車安全技術の最先端、そして最後の砦

清水:大きなキャリパーが付いているというだけで、ビジュアルで安心感があるし、お相撲さんがドーンと高速道路にいる感じ。
我々はブレーキからまずスポーツカーを見ていきたいですね。私はドライビングスクールでも「ブレーキ踏めないヤツはアクセル踏むな!」と教えています。


F1、WEC、WRC…。そのストッピングパワーを日本のakebono製が支えていると思うと、誇らしいですよね。ブレーキ好きな方は、ぜひAi-ミュージアムへ! そして動画のすべてはコチラ↓!!

(解説:清水 和夫/動画:StartYourEnginesX/アシスト:永光 やすの

【関連リンク】

StartYourEnginesX
https://www.youtube.com/user/StartYourEnginesX

頑固一徹学校 プレイリスト
https://www.youtube.com/playlist?list=PL_lxyb4LRfT_DFVEQdJjVgRYAlwDuUN61

Ai-Museum(ブレーキ博物館)
https://www.akebono-brake.com/product_technology/ai_museum/

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この記事の著者

清水和夫

清水和夫 近影
1954年生まれ東京出身/武蔵工業大学電子通信工学科卒業。1972年のラリーデビュー以来、スーパー耐久やGT選手権など国内外の耐久レースに参加する一方、国際自動車ジャーナリストとして活動。自動車の運動理論・安全技術・環境技術などを中心に多方面のメディアで執筆し、TV番組のコメンテーターやシンポジウムのモデレーターとして多数の出演経験を持つ。clicccarでは自身のYouTubeチャンネル『StartYourEnginesX』でも公開している試乗インプレッションや書下ろしブログなどを執筆。