クルマを支えるタイヤの日/英国人F1ドライバーM・ブランデル生まれる/日本初の24時間レースでトヨタ2000GTが1&2フィニッシュ!【今日は何の日?4月8日】

■摩耗や空気圧を確認したい「タイヤの日」

4月は春の交通安全運動が実施される月であり、丸いタイヤを2本並べると数字の8にも見えることから、「タイヤの日」に制定されています。タイヤは、クルマの安全を足元から支える重要な部品。タイヤの摩耗などの不具合をなくせば、かなりの事故が抑えられるそうです。月に1度は、空気圧や摩耗状況、溝深さ、キズ、ひび割れなどをチェックしましょう。

4月8日には、タレントの王林と松本明子、ミュージシャンのDAIGO、女優の田中好子と桃井かおり、建築家の黒川紀章、レーシングドライバーのマーク・ブランデル、釈迦(※諸説あり)などが生まれています。本日紹介するのは、英国人F1ドライバーのマーク・ブランデルです。

●F1、CART、ル・マン24時間、BTCCと広く長く活躍したマーク・ブランデルが誕生

マーク・ブランデル(2011年) (C)Creative Commons
マーク・ブランデル(2011年) (C)Creative Commons

マーク・ブランデルは1966年4月8日、英国ロンドン北部のバーネットで生まれました。若い頃はモトクロスのライダーでしたが、1984年、18歳の時にフォーミュラに転向。1987年から1989年にかけて国際F3000選手権に参戦し、1988年にはシリーズ2位となっています。

マクラーレン時代のマーク・ブランデル(1995年)(C)Creative Commons
マクラーレン時代のマーク・ブランデル(1995年)(C)Creative Commons

1990年にウイリアムズでF1のテストドライバーを務めた後、1991年にブラハムからF1デビュー。F1参戦の機会のなかった1992年には、ル・マン24時間レースで総合優勝を飾っています。1993年にF1に再び参戦して2度3位の表彰台を獲得。1994年にはティレルで片山右京とコンビを組み、スペインGPで3位に輝きます。その後、1995年までF1に参戦しますが、それ以上の結果は残せませんでした。

F1撤退後は、CARTに舞台を移して1997年には3勝を飾るなど活躍。その後も、ル・マン24時間レースやWRCへのスポット参戦、英国ツーリングカー選手権(BTCC)など広く長く活動を続け、2020年1月に53歳でレーシングキャリアを終えました。

さて、クルマ界の今日は何があったのでしょうか?

●日本初の富士24時間レースでトヨタ2000GTが劇的な3台編隊ゴール!

1967年4月7日~8日、日本初の24時間レースとして、ル・マン24時間を手本にした富士24時間レースが開催されました。いっぽう前年の1966年10月、谷田部(日本自動車研究所)の高速周回路で耐久トライアルに挑戦して、3つの世界新記録と13個の国際記録を樹立したのがトヨタ 2000GT。このクルマの次の目標が、富士24時間レース制覇だったのです。レースは4月7日にスタート。2000GTはその実力を遺憾なく発揮し、貫禄の1、2フィニッシュを飾ったのでした。

1967年に発されたトヨタ2000GT。富士24時間レースで1、2フィニッシュ
1967年に発されたトヨタ2000GT。富士24時間レースで1、2フィニッシュ
トヨタ2000GTのフロントマスク。ロングノーズ・ショットデッキに、ポップアップ式ヘッドライトを装備
トヨタ2000GTのフロントマスク。ロングノーズ・ショットデッキに、ポップアップ式ヘッドライトを装備

トヨタのイメージリーダーとして、ヤマハと共同開発されたトヨタ2000GTは、ヤマハがチューニングした150PSを発揮する2.0L直6DOHCエンジンを搭載し、当時の先進技術すべてを盛り込んだスポーツカーでした。レースには、細谷/大坪組と津々見/鮒子田組の2台の2000GTと、トヨタ・スポーツ800の3台が参戦。ライバル車としては、プリンス2000GT、日産ブルーバードSSS、ホンダS600、日産フェアレディZなどに加えて、外国勢も参戦。レースが始まると最初から2台の2000GTが先行し、周回を増すごとに2台が他を引き離す展開に。最終的には2台の2000GTが1台のスポーツ800をサンドイッチにした編隊走行で余裕のフィニッシュを飾ります。

トヨタ2000GTのリアスタイル。ファーストバックに上開きテールゲートを装備
トヨタ2000GTのリアスタイル。ファーストバックに上開きテールゲートを装備

トヨタ2000GTは発売前に多くの伝説を作り、その年の5月16日に発売を開始。誰もが認める、日本を代表する高性能スポーツカーとして、今も語り継がれている名車中の名車ですね。

毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかも知れません。

Mr.ソラン

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Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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