ロータス初のSUV「Eletre(エレトレ) 」は超攻撃的なフォルムをまとうバッテリーEV

■前後モーターを備えた4WDで最高出力は600hp。目標航続距離は600km

2022年3月29日、ロータスは初のSUVとなる「Lotus Eletre(ロータス エレトレ) 」を世界初公開しました。初のSUVであるのと同時に、バッテリーEVでもあります。

ロータス エレトレ
ロータス初のSUVでバッテリーEVの「Lotus Eletre(ロータス エレトレ) 」

攻撃的なエクステリアをまとうエレトレは、新開発された800VのEVアーキテクチャを採用。駆動方式は、前後にモーターを配する4WDになります。100kWhを超えるバッテリー容量を備え、最高出力は600hpに達します。

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ロータス エレトレのリヤビュー

350kWの急速充電を使えば、約400kmの航続距離をわずか20分で充電できるそう。WLTPモードでの最大航続距離(目標値)は約600km。さらに22kWのAC普通充電機能も標準装備されています。

ロータス エレトレ
ロータス エレトレのインテリア

800Vのアーキテクチャは、最適な構造剛性のためにアルミニウムと高張力鋼が採用され、フラットな「スケートボードスタイル」のバッテリーパックとモーターがより低い位置に搭載されたことで低重心を実現。ロータスの特徴である優れたダイナミックパフォーマンスを実現するそうです。

前後をそれぞれ駆動する2モーターを備え、電気駆動システムは各モーターをコントローラーおよび減速機と統合し、ユニットをより小さく、効率化が図られた設計になっています。足まわりは乗り心地とハンドリングを両立する5リンクサスペンションを備え、エアサスペンションと「コンティニュアスダンピングコントロール(CDC)」が標準装備されます。

ロータス エレトレ
ロータス エレトレのフロントシート

さらに、アクティブライドハイト、アクティブリヤアクスルステアリング、アクティブアンチロールバー、ブレーキによるトルクベクタリングをオプションで設定。ステアリング、ダンパー設定、パワートレイン、アクセルペダルのレスポンスを調整する4つのドライブモードが備わり、レンジ、ツアー、スポーツ、オフロード、インディビジュアルから好みや状況に応じて選択できます。

●カーボンとアルミニウムで設計されたボディ

ロータス エレトレ
ロータス エレトレのフロントマスク

アグレッシブな印象を受けるエクステリアをチェックすると、フロントスクリーンの上部に、今後展開可能としているLIDARセンサーが用意されています。黒く見える部分は、すべてカーボンファイバーで仕立てられていて、ボディパネルはアルミニウム製。フロントホイールのすぐ後ろにあるエアアウトレットは、2つのドアの彫刻的な形状を特徴づけていて、各ドアにはフラッシュハンドルが装備されています。

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ロータス エレトレの俯瞰画像

充電ポートの電動開閉式カバーもフロントウイングに備えられています。サイドから眺めると、ウインドウスクリーンが傾斜しているのがよくわかります。狭いグラスエリアとその上のブラック・カントレールは、リヤで急激に先細くなっています。その先には、エレトレのロゴが刻まれたユニークなフローティングDピラーがあり、ドラッグを低減する革新的なエアブレードを用意。また、ドアミラーレスとして電動リバースミラーディスプレイ(ERMD)が採用されているのも特徴です。

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23インチのマシンカット分割仕上げの5スポークアルミホイールを備える

バックミラー用カメラ、駐車を支援する360度上方カメラ、そしてインテリジェントドライビングテクノロジーの一部である3つのカメラが搭載されています。3つ目はLIDARシステムと連動し、自動運転技術に使われます。

足元には、空力性能に配慮されたカーボンファイバーが挿入された23インチのマシンカット分割仕上げ5スポークアルミホイール、セラミックコンポジットの10 ピストンキャリパーブレーキが装着されています。

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フロントホイールと充電リッド

リヤビューは、フルワイドリボンライトがサイドの特徴的なラインを結んでいます。さらにカーボンファイバー製のフローティング式スプリットルーフスポイラーも目を惹きます。レーシングカーのウイングレットを連想させるモータースポーツにインスパイアされたデザインになっています。中央部をなくすことで軽量化を図り、LIDARセンサーをガラス上部に配置するというロータスらしい発想も特色となっています。スポイラーは、ガラスを流れる気流をアクティブテールゲートスポイラーに導き、高速走行時には自動的に展開。さらに、アクティブテールゲートスポイラーは、選択したドライビングモードに基づき、3つの角度に展開されます。

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横から眺めたセンターコンソール

インテリアは、5人乗りのほか、4つの独立式シートレイアウトも選択できます。主要サプライヤーであるKvadrat社と材料の選択に取り組み、手に触れる主要な場所には、プレミアム感と耐久性の高い人工マイクロファイバーを使用。シートには、高度なウール混紡生地が採用されています。

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センターコンソールのスイッチ

さらにドライバー重視のコクピットとハイセンターコンソールは、ロータス・エミーラとエヴァイヤにインスパイアされたそうで、落ち着いた雰囲気を醸し出しています。三角形をテーマとして強調された素材とテクスチャーのレイヤーはプレミアムな印象をもたらしています。ほかにも、音声認識技術にも対応する最新の車載インフォテイメントシステム、先進安全装備が満載されています。

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ステアリングスイッチ

ロータス エレトレは2022年後半より、中国に完成した新たな工場にて生産開始予定となっています。現時点で日本仕様の有無や詳細は明らかにされていません。

●ロータス エレトレ:全長5103×全幅2135(電動リヤミラーディスプレイ車 )×全高1630mm(ドアミラー車の全幅は2231mm)

塚田 勝弘

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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