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■安い、安い!と聞くけれど、難しそうで手を出せないユーザー車検
●その中身やメリット・デメリットを余すところなく紹介します!
車検にかかる費用は様々です。
税金や保険料の他にも、業者へ支払う整備費や代行手数料があります。皆さんも、様々な業者で見積もりをとり、キャンペーンなどをチェックして少しでも費用を安く抑えようとしたことがあるのではないでしょうか。
業者に依頼しないと出来ないと思いがちな車検ですが、実は自分で受験し、車検を通すこともできます。
これがユーザー車検です。
今回は、安く費用を抑えられるユーザー車検の秘訣や注意点を中心に、実際の手順までを詳しく紹介していきます。
●ユーザー車検はいいことだらけ? メリットとデメリットを紹介
ユーザー車検は、自分で車検を受験するため、整備費用や代行手数料がかかりません。支払うのは法定費用(税金や保険料)だけです。しかし、事前準備から車検手続きまで、全てを自分で行わなければなりません。
ユーザー車検に挑戦する前に、まず車検の流れや所要時間、費用について知っておくといいでしょう。
一般的に車検の費用の内訳は大きく3つに分かれます。「法定費用」「車検基本料金」「部品・整備費用」です。
ディーラーや整備工場へ依頼した場合は、これら全ての費用が必要です。
一方で、ユーザー車検なら、支払うのは「法定費用」だけになります。このため、基本料金や部品・整備代がかからず、業者に依頼するより車検費用を抑えられるのです。
お金の面だけでいえば、ユーザー車検はどの業者よりも安く車検ができます。しかし、安さだけを見てユーザー車検に挑戦するのは…ちょっと待ってください。
車検は、クルマの同一性の確認に始まり、エンジンルーム点検、室内点検、足廻り点検、下廻り点検、外廻り点検と、大きく5つの項目に分けてチェックをします。
各項目では細部にわたるチェックが行われ、1項目でも不備があれば車検は通りません。不合格のクルマは部品交換や整備をして、再度検査を行うために陸運局へ持ち込む必要があります。
ここで、交換や整備を自分で行えるのか?という問題に直面します。こうした不合格ポイントの整備や点検を任せるのであれば、初めから業者に依頼して車検を行うのと同じです。費用も一般的な車検と変わらず、ユーザー車検のメリットを最大限に享受できない状態となります。
また、陸運局は、土日祝と12月29日~1月3日は休日なので、平日に受験できる方だけがユーザー車検に挑戦できることにもなります。
ユーザー車検を行うためには、知識と技術、そして時間がないといけません。お金と引き換えに、この3つを捻出する意味があるのか、しっかりと考えてからユーザー車検に挑戦することをおすすめします。
●ユーザー車検の流れをチェック! 費用や手続き、知識はここまで必要になる
ユーザー車検の当日、陸運局ではどのような動きが必要になるのでしょうか。
事前準備として、車検検査項目の把握、自動車の状態チェック、必要書類の準備、費用の準備、車検の予約が必要です。
これら全てが完了すれば、いよいよユーザー車検当日を迎えます。陸運局の業務時間は午前9:00〜12:00、午後13:00〜16:00となっているので、この時間に受け付けを済ませてください。
必要な費用は、自賠責保険・重量税・検査印紙です。軽自動車で合計30,000円〜40,000円、普通車(1500ccクラス〕では、合計40,000円〜50,000円がかかります。
重量税は、車両ごとに税額が違うため事前に調べておきましょう。陸運局へ問い合わせるか、インターネットからも検索可能です。
また、書類作成の代行をしてもらったり、車検前の予備検査場の利用をしたりする場合は別途料金が必要となるため、必要費用よりも少し多めに現金を持っていくことをおすすめします。
自賠責保険は、加入している保険会社に問い合わせて事前に加入しておきましょう。
受け付けが終われば、クルマで検査場へ向かいます。
車検審査時間は、午前9:00〜10:15、10:30〜12:00、午後13:00〜14:15、14:30〜16:00の4ラウンド制です。予約の際に決めた時間に並んでください。
列が長ければ、検査場へ入るまでに1時間程度かかることもあります。時間に余裕を持って全ての手続きを行いましょう。
車検ラインへは自分で運転をして入場します。検査員や機械の指示があるので、それに従ってクルマを操作します。
同一性確認、室内パネル、ワイパー、ライト点灯、排ガス、タイヤ、サイドスリップ、スピードメーター、光軸、サイドブレーキ・駐車ブレーキ、下回り、全ての点検へ合格すれば検査は終了です。
合格印が押された書類を添付して、陸運局の窓口に提出します。書類不備がなければ、新しい車検証とステッカーが交付され、ユーザー車検は終了です。
検査時は、クルマの機能を一部停止させることが必要になる場合があります。
たとえば、サイドスリップを測る際には「トラクションコントロール」などの電子制御を止める、排気ガス測定の際には、アイドリングストップ機能を止める、ハイブリット車では強制的にエンジンを駆動させるモード(メンテナンスモード)へ移行させる必要が出てくるのです。
それぞれ、どのようにすれば愛車の機能が制限できるのかも、確認しておく必要があります。
ユーザー車検は、全行程を自分で行うことで車検費用を抑えることが可能です。しかし、事前準備から陸運局へ行く時間や車検にかかる時間は、決して短時間とはいえません。
また、整備不良が1ヵ所でもあれば部品交換や整備が必要となり、業者の手を借りることもあるでしょう。最初から業者に依頼した方がよかった…と後悔することがあるかもしれません。
日頃からクルマのメンテナンスを怠らず、定期的な点検を受けていれば、ユーザー車検もスムーズでしょう。愛車の状況と相談しながら、選択肢の一つとしてユーザー車検があることを、頭に入れておくのがベストです。
(文:佐々木 亘)
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