SUVで初めて「R」バッジを掲げる、フォルクスワーゲン・ティグアンRの刺激的な走り

■そこそこ大柄なボディでもフットワークと安定性の高さも光る

2021年5月にマイナーチェンジを受けたフォルクスワーゲンティグアン。同年後半から納車が始まった新グレードの「ティグアンR」に試乗する機会がありましたので、ご報告します。

フォルクスワーゲンの「R」といえば、ゴルフに設定されてきた「GTI」よりもさらにホットな最上級スポーツグレードです。

フォルクスワーゲン ティグアンR
フォルクスワーゲン・ティグアンRのエクステリア

現在、日本向けのフォルクスワーゲンSUVで最も大きなサイズになるティグアンに「R」が加わったことで、トゥアレグなどからの買い替え需要も満たしているそう。

かつてトゥアレグには、W12気筒エンジン搭載車もありましたが、マニアックなW12気筒搭載だけでなく、トゥアレグ・オーナーの視線も集めているようです。

フォルクスワーゲン・ティグアンR
フォルクスワーゲン・ティグアンRのリヤビュー

トゥアレグよりもひと回り小さなボディサイズは、日本の狭い道路や駐車場事情でも比較的取り回ししやすく、大人4人まででしたらゆったりと座れるのも魅力。

新設されたティグアンRは、専用の前後デザインをまとっています。

フォルクスワーゲン・ティグアンR
専用デザインの21インチアルミホイールを履く

足元には、専用の21インチアルミホイール、ブルーのブレーキキャリパーが備わります。さらに、クロームのデュアルツインエキゾーストパイプなど多くの専用アイテムを装備。

フォルクスワーゲン・ティグアンR
2.0L直噴ターボを積む

注目のパワートレインは、最高出力320PS/5350-6500rpm・最大トルク420Nm/2100-5350rpmを発生する2.0Lの直列4気筒直噴ターボの「2.0TSI」エンジンを搭載。

組み合わされるトランスミッションは、新開発の湿式7速DSGで、420Nmの最大トルクにも対応。

フォルクスワーゲン・ティグアンR
フォルクスワーゲン・ティグアンRのインパネ

また、駆動方式にも新開発となる4MOTION (4WDシステム)を採用。モータースポーツの世界からフィードバックされた「Rパフォーマンストルクベクタリング」という、トルクスプリッター付4WDシステムがフォルクスワーゲンで初めて採用されています。

「R」のバッジが初めてSUVに付けられたティグアンRは、その名に恥じない強烈な走りを披露してくれます。

フォルクスワーゲン・ティグアンR
フォルクスワーゲン・ティグアンRのフロントシート

中低速域では、常時あふれんばかりの分厚いトルク感があり、高速道路での追い越し時も少しアクセルを踏み込むだけでグイグイと前に押し出されるような力強さ。さらに、公道では高速域のパンチ力も必要十分で、日本の速度域であれば、パワーの頭打ちを実感することはまずないはず。

車内に演出されたエキゾーストノートも響き渡ることで、含めて刺激的な加速フィールを堪能できるだけでなく、湿式の7速DSGのスポーティな変速フィールと苦手という印象がある極低速域の動きもほとんどギクシャク感はありません。

フォルクスワーゲン・ティグアンR
フォルクスワーゲン・ティグアンRのリヤシート

先述したトルクスプリッター付4WDシステムは、前後輪間だけでなく、後輪左右間の駆動力も配分も行い、コーナリングの姿勢を安定させることが可能。曲がりくねった首都高速でも安定志向で、しかも適度な軽快感もあります。

ボディサイズと背の高さをあまり感じさせないフットワークは、結構大柄なのにタックルしても捕まえられない俊敏性も備えたラグビー選手のよう。現行ティグアンを筆頭に、フォルクスワーゲン製SUVの足まわりは引き締まっていて、日本やフランスなどの多くのSUVと比べると、総じて硬めの乗り味になっています。

しかし、ティグアンRは、先述した強烈なパワートレーンと、高い操縦安定性と俊敏性も備えた4WDシステムとのマッチングがよく、「Rの足ならOK!」と納得できます。

フォルクスワーゲン・ティグアンR
フォルクスワーゲン・ティグアンRのラゲッジスペース

アダプティブシャシーコントロールの「DCC」が標準で備わることで、ダンパーをはじめ、パワートレーンやパワーステアリング、先述のエンジン音(演出)も好みに応じて個別に設定できるのも美点。

ティグアンRは、ノーマルのティグアンと同等の居住性、積載性を備えていて、それに速さも求める人に打ってつけのモンスターSUVになっています。

フォルクスワーゲン・ティグアンR
フォルクスワーゲン・ティグアンRのエンブレム

●ティグアンR価格:684万9000円
●ボディサイズ:全長4520×全幅1860×全高1675mm

(文/写真 塚田勝弘