優雅で気品ある2ドアクーペ「ユーノス コスモ」は男のダイナミズム?【ネオ・クラシックカー・グッドデザイン太鼓判「個性車編」第20回】

■追ったのはソアラ? 4代目コスモは2ドアラグジュアリークーペに大転身!

80~90年代の日本車のうち、チョット変わった個性派のデザインを振り返る本シリーズ。第20回は、超高性能エンジンを搭載し、内外装とも贅を尽くした高級2ドアクーペ、ユーノス コスモに太鼓判です。

コスモ・メイン
ロングノーズ、スモールキャビンの優雅な佇まい

●4代目は優雅な2ドアのみ

バブル景気に乗り5チャンネル化を果たしたマツダは、これを機に「コスモ」の4代目を計画。3ローターエンジンを搭載した最上級のパーソナルクーペとして、1990年に登場したのが「ユーノス コスモ」です。

2ドアのみとしたボディは、全長4815mm・全幅1795mmと余裕あるサイズに対し、全高1305mmという低さがポイント。超ロングノーズ、スモールキャビンの優雅さが、キャッチコピーである「クーペ ダイナミズム」を体現しています。

コスモ・サブ
フードやフェンダーの大きな曲面が特徴

フロントランプ自体はシンプルな長方形ですが、広大なボンネットフードが持つ「ウネリ」に合わせ、グリルもまた曲線を描いており、それが同車の決定的な特徴となっています。薄いグリル内は、ナナメに配した桟が繊細かつエレガントな印象を創出。

サイドビューでは、前後のフェンダー部に緩やかなカーブを持たせた薄いボディが優雅そのもの。一方で、前後ランプを結ぶキャラクターラインはストレートに引かれ、これが抑揚のあるボディに落ち着きを与えているようです。

一方、大きく寝かせたAピラーをはじめとするキャビンは直線基調で、その対比が絶妙です。また、強烈に太いリアピラーは、繊細なボディの中で圧倒的な存在感を示しています。

コスモ・リア
リアランプ回りはエレガンスな表情に

リアでは、パネルの低い位置に置かれた薄いランプとガーニッシュ、メッキモールの組み合わせが気品をも醸成。さらに、大きくラウンドさせたリアガラスは高い質感を生み出しています。

●過剰であっても気品は忘れない

インテリアでは、メーターパネルを含め中央部を全面ブラックアウトさせた、上下2段構造の近未来的なインパネに驚かされます。そこに、イタリアなど海外から調達した本革や本杢などの高級素材を惜しみなく投入。キャビン全体は「ペルソナ」を彷彿させるラウンド形状としました。

コスモ・インテリア
近未来感と高級素材が融合したインテリア

好景気により、潤沢な開発費と自由な発想が許されるとき、デザイナーはどんな造形を描き出せるのか? 「気概のある男のプライベートタイムを彩るスポーティクーペ」をコンセプトとしたコスモは、ある種の過剰さを抱えて登場しました。

ただし、それでもセンスのよさはキープされ、決して下品にはなりませんでした。恐らく、5チャンネルの中で比較的高級志向のユーノスブランドが持つ、優雅さやエレガントなイメージがいい影響を与えたのかもしれません。

■主要諸元 ユーノス コスモ タイプE(4AT)
形式 E-JCESE
全長 4815mm×全幅1795mm×全高1305m
ホイールベース 2750mm
車両重量 1610kg
エンジン 654cc×3 直列3ローター
出力 280ps/6500rpm 41.0kg-m/3000rpm

(すぎもと たかよし)

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すぎもと たかよし

東京都下の某大学に勤務する「サラリーマン自動車ライター」。大学では美術科で日本画を専攻、車も最初から興味を持ったのは中身よりもとにかくデザイン。自動車メディアではデザインの記事が少ない、じゃあ自分で書いてしまおうと、いつの間にかライターに。
現役サラリーマンとして、ユーザー目線のニュートラルな視点が身上。「デザインは好き嫌いの前に質の問題がある」がモットー。空いた時間は社会人バンドでドラムを叩き、そして美味しい珈琲を探して旅に。愛車は真っ赤ないすゞFFジェミニ・イルムシャー。
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