■「Cクラス」2022年型では、オプションで2.5度の後輪ステアリングが採用
メルセデス・ベンツのコンパクト・クロスオーバーSUV「GLC」次期型の最新プロトタイプをカメラが捉えました。
同社のジンデルフィンゲン工場付近で後部から撮影されたプロトタイプは、前後タイヤの向きが異なっており、はじめて4WS(四輪蛇行システム、または後輪ステアリング)を披露しています。
量産車で初となる4WSは、1985年の日産スカイライン「R31」に搭載されました。
以降、1987年のホンダ「プレリュード Si4WS」、三菱「3000GTVR-4/GTO」、マツダ「カペラ」などに採用され、1980年代にブームを起こしたシステムです。
そういう意味では画期的システムとはいえませんが、新型「Sクラス」や「EQS」を次世代のレベルに引き上げた功績もあります。同社のICE、およびEVフラッグシップでは、標準セットアップで後輪が4.5度の角度で回転し、アップグレードされたものでは後輪が最大10度回転します。
「Cクラス」2022年型では、オプションで2.5度の後輪ステアリングが採用されています。これは60km/h以下では、後輪と前輪が最大2.5度傾き、それ以上の高速では4輪すべてが同じ方向に回転、走行安定性、特に高速でのコーナーリング時の安定性が向上します。
エクステリアの詳細はまだ明らかになっていませんが、プロトタイプではルーフラックのように見えるシルバーのアクセントを装着、力強いシングルバーを備えるフロントグリル、新設計のLEDデイタイムランニングライトの一部を確認することができます。
またドアミラーがサイドウィンドウのコーナーからドアへ移動、最新のトレンドを踏襲していることがわかります。キャビン内では、センターコンソールの低い位置に巨大なタブレットを配置した新世代MBUXを搭載、パノラマディスプレイが期待できそうです。
パワートレインもCクラスと共有すると予想され、マイルドハイブリッド技術を備えた直列4気筒ガソリンエンジンとディーゼルエンジンをラインアップ。9速ATが標準となるほか、遅れてプラグインハイブリッドが追加されます。
頂点には4.0リットルV型8気筒に代わり、電動化された2.0リットル直列4気筒エンジンを搭載するAMG「GLC 63」を設定、最高出力は500hpを超えてくるはずです。
GLC次期型のデビューは、2022年前半が有力です。