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■2021チャンプのフェランディスと強力タッグ
アメリカで最も権威があるオフロードレースが、AMA(アメリカモーターサイクル協会)が主催する「AMAスーパークロス」と「AMAモトクロス」の両選手権。
2021年には、ヤマハのワークスチーム「Monster Energy Star Yamaha Racing」に所属するデュラン・フェランディス選手が、最高峰の「450MX」で見事チャンピオンを獲得。ヤマハにとって14年ぶりの快挙となり話題になりましたが、2022年シーズンはさらに注目度がアップ!
なんと、過去3度のチャンピオンに輝いた経歴を持つ、イーライ・トマック選手が同チームに加わることが発表されたのです!
●現役ライダー最多勝を誇る実力派
トマック選手は、2021年シーズンまでカワサキのワークスチームに所属していたトップライダーの1人で、AMAモトクロス450MXにおいて、2017年から2019年に3連覇を達成した実力派です。
また、AMAスーパークロス450SXでも、2020年にチャンピオンを獲得しており、現在、両選手権の最高峰クラスの現役選手で最多勝を誇るライダーです。
ちなみに、AMAスーパークロスは、野球場やスタジアムに人工的に造られた特設コースを舞台に、主にウインターシーズンに開催。AMAモトクロスの方は、自然の地形を利用したセクションを設けたアウトドアのダートコースを使い、主にサマーシーズンに行われます。
おなじオフロードレースではありますが、それぞれ特徴や走り方は違いますから、それら両方でチャンピオンに輝いているトマック選手は、まさにオールマイティな強さを誇るライダーだといえるでしょう。
ちなみに、トマック選手が加入する「Monster Energy Star Yamaha Racing」は、2021年に最高峰クラス(450MX)参戦を開始したばかり。
にもかかわわらず、AMAスーパークロスでは3人のライダー全員が450SXでの初表彰台を経験し、ランキングでもトップ10入りを果たす活躍をみせます。
そして、AMAモトクロスでは、前述の通り、デュラン・フェランディス選手が、ルーキながら年間チャンピオンを獲得。
さらに、Yamaha Motor Corporation, U.S.A.(ヤマハ北米法人)はマニュファクチャラー・オブ・ザ・イヤー、「Monster Energy Star Yamaha Racing Team」はチーム・オブ・ザ・イヤーを受賞。
加えて、ジェレミー・コッカーがチームマネージャー・オブ・ザ・イヤー、450メカニック・オブ・ザ・イヤーはフェランディス選手のメカニック、アレックス・キャンベルが受賞するなど、数々の輝かしい成果を達成しています。
なお、AMAの2022年シーズンは、まずスーパークロスが1月8日からカルフォルニアのアナハイムで開幕。トマック選手とフェランディス選手といった、2人の王者を擁するヤマハワークスの活躍に注目です。
●全日本モトクロスでは豪州トップライダー参戦
一方、日本でも注目の選手が走ります。国内最高峰のオフロードレース「全日本モトクロス選手権」に、オーストラリアのトップライダーであるジェイ・ウィルソン選手が参戦。
2021年10月23日(土)〜24日(日)に、宮城県のスポーツランドSUGOで行われる第59回MFJ-GPモトクロス大会(第7戦)で、その勇姿をみせることが発表されました。
ウィルソン選手は、ヤマハ・モーター・オーストラリアの契約ライダーで、これまでオーストラリア選手権とニュージーランド選手権で合わせて6回のチャンピオンに輝いている実力派です。
2020年は全9戦で行われたAMAスーパークロス選手権の「250SXウエスト」に5戦出場し、ランキング19位を獲得。クイーンズランドモトクロス選手権では、見事チャンピオンに輝いています。
なお、2021年シーズンは、オーストラリア・モトクロス選手権のMX2に参戦中。4レースを終え現在ランキング4位につけています。
そんなトップライダーのウィルソン選手が今回日本で走るマシンは、250cc・4ストローク単気筒エンジンを搭載する「YZ250F」。「YAMALUBE YAMAHA RACING AUSTRALIA」からゼッケン106を付けて、その卓越した走りを披露します。
ヤマハによると、今回ウィルソン選手を招聘した目的は、海外拠点との交流の一環。従来、北米や豪州に日本の若手ライダーを派遣してきた活動の延長線上にあるといった感じのようです。
また、海外トップライダーの走りを披露することで、全日本モトクロスの活性化の一助となることも目的としているといいます。
世界で活躍するトップライダーの走りが間近で見られるのは、オフロードレースファンにとっても絶好の機会だといえます。モトクロス好きは、ぜひスポーツランドSUGOへ足を運ぶことをおすすめします。
(文:平塚 直樹)