■新コンパウンドなど最新技術で夏・冬タイヤに求められる性能を進化
2021年8月18日、ミシュランは「雪も走れる夏タイヤ」を掲げた全天候型タイヤ「MICHELIN CROSSCLIMATE+」を進化させた「MICHELIN CROSSCLIMATE2(ミシュラン・クロスクライメート・ツー)」を10月8日より順次発売と発表しました。
前モデルとなる「MICHELIN CROSSCLIMATE+」は、2019年に日本で発売され、想定を超える販売本数を重ねているそうです。
「MICHELIN CROSSCLIMATE2」の発売サイズは、15インチから20インチの計61サイズ、価格はオープン。
新製品の「MICHELIN CROSSCLIMATE2」も前モデルと同様に、「雪も走れる夏タイヤ」というコピーを掲げ、後継商品として販売されます。
日本の降雪量は、ここ30年間で右肩下がりになっていて、非降雪地域での平均降雪日数も減少しています。ミシュランでは、ユーザーのニーズとして「高水準の夏性能+確かな雪上性能」と分析しています。
今回の新製品は、「2」が付くだけあって、「MICHELIN CROSSCLIMATE+」から性能向上が図られています。新開発コンパウンドをはじめ、新デザインのトレッドパターンを細部にまで最新の技術が投入され、相反する各性能に対応。
さらに、安全性に加えて、経済性のさらなる向上も図られていて、ユーザーニーズに応え、季節を問わない優れた機能性と利便性が確保されているそうです。
主な性能進化のポイントは「雪上でのブレーキング性能が7%向上」「ウェット路面でのブレーキング性能が6%向上」「ドライ路面でのブレーキング性能が5%向上」「性能維持力により、高い初期性能を長期間継続」。
技術面では、重要なコンパウンドに「サーマル・アダプティブ・コンパウンド」と呼ばれる、新開発のトレッドコンパウンドが採用されています(フルシリカのコンパウンド)。
ドライやウェット路面はもちろん、急な積雪などによる雪上路面など、刻々と変化する路面状況に幅広く対応、1年を通して安心・安全を提供。ただし前モデルと同様、凍結路面での使用は奨励されていません。
タイヤ表面の顔であるトレッドパターンも「新Vシェイプトレッドパターン」が採用されています。こちらは、センター部からショルダー部にかけて、溝面積が広くなる新しい設計になっています。
従来品よりも大きく切れ込んだV字角の新トレッドパターンにより、排水、排雪性能に貢献。これにより、ウェットや雪上路面でハイパフォーマンスを発揮。
「V-Ramp Edge(ブイランプエッジ)」の採用もトピックスです。
エッジ部に施された面取り加工により、ブロックの倒れこみを防止。接地面が最大化され、ドライ路面での高い制動力を発揮します。加えて、「LEVサイプ(エルイーブイサイプ)」により、ブロック同士がお互いに支えあい、倒れこみを抑制します。
これにより、夏・冬路面で効果的なグリップを発揮するとともに、耐摩耗性と転がり抵抗低減に寄与し、ロングライフと省燃費性にも貢献します。
また、「P-Edge(ピーエッジ)」により、摩耗してくるとブロック側面に凹凸と溝が出現。効率的に排水、排雪しながら、エッジ効果により摩耗時におけるウェット、雪上性能を向上させます。
タイヤの摩耗を把握するのに便利なのが「トレッドウェアサイン」。こちらは、スリップサインに対して摩耗度が3段階(25%、50%、75%)で分かるもので、新デザインになっています。
また、従来品と同様に、サイドに「スリーピークマウンテンスノーフレークマーク」も刻印されています。国際基準で定められたシビアスノータイヤ要件に適合。「スリーピークマウンテンスノーフレークマーク」と「M+S」が刻印され、冬用タイヤ規制時でもチェーン装着が不要(なお、全車チェーン規制では、文字どおりチェーンが必要になります)です。
ただし、いわゆるオールシーズンタイヤにカテゴライズできるタイヤですので、スタッドレスタイヤと同じような冬タイヤとしての性能を求めるのであれば、スタッドレスタイヤの「X-ICE」シリーズなどがオススメです。
(塚田 勝弘)