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■シートやフロアマットなどは特に重要!
日本人は比較的よく洗車をする国民だといわれます。ただし、車外の洗車はよくやるけれど、意外にさぼりがちなのが車内の掃除です。
車内はいわば部屋と同じです。密閉されている場所ですから、乗車するだけで髪の毛やフケ、ホコリなどが知らず知らずのうちに堆積しますし、出先などで飲食をすれば食べかすなども溜まります。
車内をきれいに掃除をしておかないと、いやな臭いが出たり、特に梅雨から夏にかけての季節は、カビやダニの温床となり、健康被害をまねくこともあります。
そこで、ここでは、車内の特にどんな場所をきれいにすべきかや、その掃除方法について紹介します。
●掃除機かけ
車内を掃除する場合は、家と同じで、まずは天気のいい日に窓を開けて、空気を入れ換えることからはじめしょう。十分に換気ができたら、フロアマットを外し、車内全体に掃除機をかけます。
掃除機は、隙間を吸い取る細いノズルが付いたハンディタイプが狭い車内でも使いやすく便利です。最近は、クルマ用の充電式ハンディクリーナーなども3000〜4000円程度で売られていますので、掃除する場所の近くに電源がなくても使えます。
また、コイン洗車場などには、100円で5分程度使える掃除機もありますので、そういったものを使う手もあります。
コツは、ダッシュボードの奧やシフトノブ、ドアポケットの内側やドリンクホルダーなど、細かいところまで気を遣い、隅々までゴミやホコリなどを掃除機で吸い込むこと。
特に、シートは重要。前後調整できるシートは動かして、できるだけシート下側全体を掃除します。また、背もたれと座面の隙間や、シートの縫い目なども、隙間用ノズルなどを使い、念入りに掃除機をかけましょう。
また、ラゲッジスペースも、いつも荷物を積んでいるのであれば降ろして掃除機かけます。ラゲッジのフロア下に収納スペースがあれば、そこも忘れずに掃除機でゴミやホコリなどを除去しましょう。
●ダッシュボード・ハンドル・内窓
掃除機かけがすんだら、ダッシュボードやハンドル、内窓などを、きれないなタオルなどで水拭きします。
メーターまわりやナビモニターなどは、傷が付きにくいマイクロファイバーのクロスなどでホコリを落とすのもいいでしょう。コロナ禍の昨今ですから、ホコリなどを取ったら、ハンドルやシフトノブ、ドアノブなどよく触る部分には除菌スプレーなどを掛けておくのもいいですね。
●シート
シートは、乗車中に常に体に触れているため、汚れやすい場所のひとつです。特に、布素材を使ったファブリックシートは、表面がコーティングされたレザー製と比べて、油や水分が素材自体に染みこみやすいのが難点。飲食物を不意にこぼしたりするとシミになりやすく、夏の汗染みなども気になることがあります。
特に、何年も乗り継いだクルマでは、体との摩擦で汚れが積み重なることもあるため、汚れに気づいたら、繊維に染みこんでしまう前に早めの処置をしましょう。洋服のシミ取りと同じですね。
ファブリックシートの汚れは、クルマのシート用かカーペット洗浄用のインテリア・シャンプーなどを使って落とします。洗浄剤を使う場合は、かならず、まずは目立たない場所(シートの裏地など)で試してみて、色落ちなどがないか確認しましょう。
クリーナーをシート表面にかけ2〜3分置いたら、水で濡らして硬く絞ったタオルなどで汚れの箇所を叩いたり、抑えたりします。汚れが落ちにくい時は水で湿らせたスポンジで叩くのもいいでしょう。
汚れが落ちたら、乾いたタオルなどで残った水分を吸い取りましょう。シート内に水分が残るとカビの原因になりやすいので、念入りに。水分を吸い取りやすいマイクロファイバーのクロスやスポンジを使うのも手です。
ちなみに、レザーシートの場合は、水で濡らして硬く絞ったタオルなどで拭いた後、保護保湿用クリームを塗ればいいでしょう。
●フロアマット
フロアマットは、基本的に靴を履いた状態で乗るため、ホコリやゴミだけでなく、泥が付着していることが多い場所です。
さほど汚れていない場合は、まず天日干しをして、ハタキでホコリなどを落とし、掃除機をかけるだけでOKでしょう。
汚れが目立つ時などは、水洗いをしましょう。水で濡らしたあと、洗濯用洗剤や専用クリーナーなどを着けて、洗車ブラシなどで軽く擦りながら汚れを落とします。
洗剤などで洗ったあとは、水で念入りにすすぎ、やはり天日干しをして乾燥させるのが一番。水分が残ったまま車内に入れると、雑菌が発生し、悪臭の原因にもなります。
●ラゲッジスペース
ラゲッジスペースは、家でいえば押し入れのような場所。荷物を積むのに便利ですが、やはり長い間ほっておくとホコリなどがたまり、カビやダニ、悪臭の原因になります。
特に、アウトドアなどで使ったレジャーシートやウェア類などを、濡れたまま入れておくのは最悪。気が付いたらカビで真っ黒なんてことも! ほかにも、クルマや自転車のカバーや洗車道具などを、濡れたまま入れて放置すると、後々後悔することになりがちです。
ラゲッジスペースには、無駄な荷物は積まず、湿気が溜まらないよう風通しをなるべくよくしておきたいものです。除菌・消臭効果があるシートを引いたりするのもいいでしょう。
最近は撥水・防水加工が施されたラゲッジ用マットなどがオプション設定されているモデルもあります。また、フロアマットにも、同様の加工が施されたオプションがあるクルマもあります。さらに、アフターパーツでも同じような製品が数多く売られています。
特に、アウトドア派の人は、そういったものを付ければ、汚れてもすぐに外して洗えるのでとても便利です。
なお、ラゲッジスペースの掃除は、前述の通り、定期的に掃除機をかけることですが、もし泥汚れが目立つ場合は、水拭きか洗剤を使って落としましょう。
●それでもだめなら専門業者に!
車内清掃が終われば、あとはエアコンまわり。臭いの消臭やフィルターのチェックなどをやれば完璧です。車内の掃除は、できるだけマメに行うことで、きれいな車内環境を保つことができます。
ただし、あまり定期的に掃除できないとか、掃除してもカビやダニが心配とか、悪臭が取れないといった場合には、専門業者にお願いするのもいいでしょう。
費用はメニューや業者により違いますが、車内全体を掃除する場合は5万円程度かかる場合もあるので、自分でやるよりは高くつきます。ですが、専用クリーナーを使ったり、シートを外して清掃してもらえる業者もあるなど、効果はやはり大きいといえます。
最近は、カー用品店やガソリンスタンドなどでも車内クリーニングのサービスを行っているので、最寄りのショップで手軽に清掃を依頼できたりもします。
ともあれ、車内の掃除は、特に小さい子どもがいる家庭などでは、前述の通り、カビやダニなどによる健康被害にも関わるため、意外に重要です。ぜひ、こまめに実践しましょう。
(文:平塚 直樹)