■欧州で長年に渡り販売台数1位を維持するBセグメントモデル
ルノー「ルーテシア」(欧州名:クリオ)は1990年に登場した初代から先代(4代目)までに渡り、累計1,500万台を販売しただけでなく、2度の欧州カー・オブ・ザ・イヤーを獲得しており、コンパクトカーの先駆者として高い人気を誇っています。
中でも2012年に発売された4代目は、8年連続で欧州Bセグメントの販売台数No.1を記録。昨年はコロナ禍にも関わらず、ヨーロッパ27ヵ国でNo.1を達成するなど、同モデルの人気ぶりを窺わせます。
一方、5代目となる新型「ルーテシア」は欧州で2019年5月にフルモデルチェンジされ、翌2020年11月から日本に導入されており、その洗練されたデザインや上質な室内空間、快適で余裕のある走り、クラス水準を超える先進運転支援システムなどが好評を得ているようです。
そんなBセグメントに属する「ルーテシア」の駆動方式はFWD(FF)。
車両サイズは全長4,075mm(-20)、全幅1,725mm(-25)、全高1,470mm(+25)と、街中での運転のしやすさを考慮して先代よりもダウンサイズを図る一方、ホイールベースはセグメント最長となる2,585mmを確保。後席の膝前スペースを25mm拡大したことで、余裕のある室内長を実現しています。[( )内数値は先代比]
先代比で50kg軽量化&高剛性化を図ったルノー・日産・三菱自アライアンスによる新開発「CMF-B」プラットフォームを採用しており、1.3L直4・直噴16バルブ ターボエンジン(131ps/24.5kgm)とパドルシフト付き電子制御7速DCTの組み合せにより、WLTCモード燃費17.0km/Lを達成しています。
走りの面ではハンドリングの正確さに加え、リヤサスのしなやかなセッティングによる滑らかな乗り心地が特徴で、トルクフルなエンジン特性による中間加速の良さもウリの一つ。また、床下からリヤサス下面までカバーで蔽うなど、徹底した空力対策が図られています。
●ルノー「ルーテシア」は日本人好みのコンパクトハッチ
「先進的」「エレガンス」「センシュアル」をテーマにしたエクステリアでは、Cシェイプを採用した斬新なデザインのLEDヘッドライトや、抑揚のあるボディ面に彫りの深いレリーフを施したサイドビューが印象的で、切削タイプの凝った17インチアロイホイールが全体を引締めています。
リヤドアハンドルをウインドウ・フレーム後部に移すことで、3ドアハッチモデルのように、スッキリとしたサイドビューを構成しているのも美点。
同車の兄貴分にあたる「メガーヌ」のサイドビューは、どことなくカローラ スポーツを連想させますが、近年のルノー車には親近感の沸くモデルが揃っており、ルーテシアもそんな日本人好みの一台と言えそう。
インテリアでは、水平基調とすることで車内の広さを演出したインパネや、視認性の観点でドライバー側にやや傾けられたセンターディスプレイ、運転中の操作性に配慮したクリック感のあるダイヤル式エアコンスイッチなどが目を惹きます。
そのほかにも体を包み込むような高級感のあるヒーター内蔵レザーシートや、同ステアリングホイール、ソフトパッド入りのダッシュボードやコンソールボックスなど、上質な装備が目立つと共に、駐車時に自車を上方から俯瞰できるアラウンドビューモニターや、スマホのミラーリング機能装備も注目されます。
荷室のフロアボードは上下2段階のセッティングが可能で、391Lの容量を確保したラッゲージスペースにはゴルフバッグが3セット積載可能。
高速道路で前方車に倣って自動走行する「アダプティブ・クルーズ・コントロール」や、レーンの中央走行をアシストする「レーン・センタリング・アシスト」も装備。
安全装備では、サポカー補助金の対象となる昼夜歩行者・自転車検知機能付きの「衝突被害軽減ブレーキ」を搭載しており、オートホールド機能付きの電動パーキングブレーキを装備。
便利装備では、約1mの距離に近づくと自動で開錠するカードキーを採用。「Android Auto」や「Apple CarPlay」に対応しており、スマホを車内のUSBポートに接続すれば、音楽やナビをスマホの延長で楽しむことが可能になっています。
「ZEN」「INTENS」「INTENS Tech Pack」の3グレードが用意されており、ボディカラーは全6色。車両価格は236.9万円から276.9万円までの設定。
そんな最新版のルノー「ルーテシア」はサイズ的にはBセグメントながら、内容では一クラス上のCセグメント車を標的にしたクルマ作りがなされています。
これまでドイツ車一辺倒だった日本の輸入車市場で、洗練されたエレガントなデザインを武器にルノーやプジョー、シトロエンなどフランス車の人気が高まっており、ルーテシアについても新車購入時の有力な候補になりそうです。
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