電動化訴求で発光タイプ採用? ルノーがダイヤモンド型エンブレムを新ロゴに変更

■現在のダイヤモンド型ロゴの起源は1925年

1898年にフランス人技術者のルイ・ルノーと、その兄弟によって設立された「ルノー」。

ルノー「メガーヌR.S.」のサイドビュー

フランスの代表的な自動車メーカーである同社は、誕生から120年以上の歴史を持ち、現在では日本においても「メガーヌR.S.」などがスポーツカーFANから熱い視線を浴びています。

また、今年2月にはスタイリッシュな新型SUV・2代目「キャプチャー」の販売を開始しました。

ルノー創業時のロゴ

そんな同社の「顔」とも言えるロゴマークは創業以来、幾度と無く更新されてきました。

ルノーが初めて公にロゴマークを持つようになったのは創業から2年後の1900年のことで、創業メンバーであるルイ(Louis)、マルセル(Marcel) 、フェルナンド(Fernand)の3名のイニシャルがモチーフになっています。

その後、数回に渡ってロゴのデザインが変更されており、1925年に現在の基礎となるダイヤモンド型になって以降も1959年、1972年、1992年、2015年と4度デザインが見直されています。ダイヤモンド形のロゴについては1925年以降、同社のシンボル的な要素になっており、現在使われている2015年のロゴは1992年のロゴを少しアレンジしたものとなっています。

●2022年以降の生産車に新ロゴのエンブレムを採用

ルノーの新ロゴ(左)と現行ロゴ

そうしたなか同社は先頃、創業以来9番目となる新たなロゴを発表。

新ロゴは2つの連動したダイヤモンド形をシルエットとするフラットなデザインになっているのが特徴で、ルノーのデザインディレクターであるジル・ヴィダル氏は今回のロゴ変更について、「電動化に向けてロゴを更新することにした」としています。

新型ルノー5のプロトタイプ

ルノーは2025年までに欧州で最も環境に配慮した自動車メーカーになることを目指しており、電動化に取組む新たな方向性を示す1台として、本年1月にフランスで「ルノー5プロトタイプ」をワールドプレミアしました。

同車はかつてのルノー5をオマージュしたピュアEVで、車両前後には新ロゴによる発光式エンブレムが装着されており、今回エンブレムの意匠がフラット化された背景には、今後の電動モデルにも同様なタイプの発光式エンブレムを装着する狙いがあるものと思われます。つまり、LED発光式エンブレムにはフラットな意匠が向いているという訳です。

ルノーによると、2022年以降の生産車から新ロゴタイプのエンブレムに切り替えるそうで、2024年までに全車切り替えを終える計画。

日産も昨夏、新ロゴに刷新しており、自動車各社では今後の電動化に向けた戦略の一つとしてロゴ変更を活用する傾向にあるようです。

Avanti Yasunori

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https://clicccar.com/2020/07/26/994563/

【関連リンク】

ルノー フランス https://www.renault.fr/

キャプチャー https://www.renault.jp/car_lineup/captur/index.html

メガーヌR.S. https://www.renault.jp/car_lineup/megane_rs/index.html

この記事の著者

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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