ベルランゴにそっくり!? 日本でも手に入るトヨタのMPV「プロエース・シティ・ヴァーソ」とは?

■トヨタがPSA(プジョー・シトロエン)と共同開発したコンパクトMPV

トヨタ自動車がPSAとの提携により、2013年に欧州でOEM販売を開始した「プロエース」。

トヨタの欧州向けミニバン「プロエース・ヴァーソ」

日本のハイエースにあたるモデルで、初代は商用車のみでしたが、2016年に発売した2代目からはPSAとの共同開発による9人乗りの乗用車版「プロエース・ヴァーソ(Verso)」を追加しており、現在に至ります。

トヨタの欧州向けMPV「プロエース・シティ・ヴァーソ」

このプロエースよりやや小型のモデルがPSAとの共同開発によるコンパクトMPV「プロエース・シティ・ヴァーソ」で、サイズ的にはトヨタのノア/ヴォクシーに相当します。

シトロエンの人気MPV「ベルランゴ」

サイドビューのデザインが、発売以来日本でも人気のシトロエン・ベルランゴ(Berlingo)と似ていますが、それもその筈、両車は姉妹車。

プジョー・リフター(Rifter)や、オペル・コンボライフ(Combo Life)についても姉妹関係にあり、スペインのPSAビーゴ工場で生産されています。

「トヨタ プロエース・シティ・ヴァーソ」のパワートレーン

「プロエース・シティ・ヴァーソ」は兄貴分のプロエース・ヴァーソと同じく、PSAグループが欧州市場でCカテゴリー以上のモデルに採用しているEMP2(Efficient Modular Platform 2)プラットフォームを採用。

「トヨタ プロエース・シティ・ヴァーソ」ロングバージョンの車両寸法

車体寸法は全長44,03mm、全幅1,848mm、全高1,880mm、ホイールベースが2,785mmで、全長を350mm、ホイールベースを190mm延長したロングバージョンも存在します。

●パワートレーンは1.2L直3ガソリンターボと1.5L直4ディーゼルターボ

パワートレーンは2種類の1.2L直3ガソリンターボエンジン(110ps/130ps)と2種類の1.5L直4ディーゼルエンジン(102ps/130ps)から選択可能。

・1.2L直3ガソリンターボ:110ps/20.9kgm+6速MT、130ps/23.4kgm+8速AT
・1.5L直4ディーゼルターボ:102ps/25.5kgm+5速MT、130ps/30.6kgm+6速MT/8速AT

トヨタの欧州向けMPV「プロエース・シティ・ヴァーソ」

駆動方式はFWDのみで、サスペンションはフロントがマクファーソンストラット式、リアはウィッシュボーン+トレーリングアームによる3リンク式を採用。

トヨタの欧州向けMPV「プロエース・シティ・ヴァーソ」のインテリア

エクステリアはフロントマスクにキーンルックを採用することでトヨタ車らしいデザインに変更されており、個性的なサイドウインドウのデザインやメリハリのあるホイールアーチ上部のプレスラインなどが目を惹きます。

トヨタの欧州向けMPV「プロエース・シティ・ヴァーソ」の電動サンシェード付きパノラマルーフ

またインテリアでは2列シートの5人乗り、3列シートの7人乗りの2種類が用意されており、電動サンシェード付きパノラマルーフをオプション設定するなど、上質な室内空間が演出されています。

安全装備としてはトヨタセーフティセンスを標準装備。欧州における価格帯はエントリーモデルが約277万円からとなっています。

●EV仕様も登場!トヨタ プロエース・シティ・ヴァーソの国内販売は?

オペルのMPV「コンボ ライフ」

シトロエン・ベルランゴ(318.6万円~)とプジョー・リフター(339万円~)については、すでに昨秋から日本でも販売を開始しており、オペル・コンボライフについても年内に国内で販売される可能性が高そうです。

中でもベルランゴは存在感の有るフロント廻りのデザインや、5人乗車時でも約600ℓと大容量のラッゲージスペース、比較的手頃な価格設定などで発売当初から人気が高く、街で見かける機会も増えています。

トヨタの「プロエース・シティ・ヴァーソ」については、同社による国内販売の予定は無いようですが、いくつかの輸入専門業者がすでに販売を行なっており、たとえば名古屋市に本社を置くオートリーゼンではトヨタセーフティセンスやプリクラッシュセーフシステムなど装備充実の1.2L直3ガソリンターボ(130ps+8速AT)ロングモデル(税抜き:438万円)の輸入実績があるようです。

トヨタの欧州向けMPV「プロエース・シティ・ヴァーソ」のEVモデル

一方、トヨタは欧州の環境規制強化への対応として同車のEV版となる「プロエース・シティ・ヴァーソ・エレクトリック」を5月4日に発表。

最大出力136ps/26.5kgmのモーターで前輪を駆動。容量50kWhのリチウムイオンバッテリーを荷室の床下に設置しており、100kWのDC急速充電器により約30分で80%の充電が可能。フル充電時のWLTP航続距離は260km~280kmで、パワーモードでの0-100km/h加速は11.2〜11.7秒。最高速度は135km/hとなっています。

トヨタの欧州向けMPV「プロエース・シティ・ヴァーソ」のEVモデル

欧州で年内の発売を予定しており、フランス、オランダ、ノルウェー、スイス、英国を皮切りに、来年にかけて他の国にも段階的に導入するそうです。

このようにトヨタはPSAとの協業により、欧州にマッチしたモデルを展開すると共に、EVについても着々とバリエーションを拡大しつつあります。

日本国内で見かけない、より個性的なミニバンを望むユーザーには、欧州仕様車の輸入モデルに目を向けてみるのも良いかもしれません。

Avanti Yasunori

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【関連リンク】

トヨタ プロエース・シティ・ヴァーソ(欧州仕様)
https://www.toyota.de/automobile/proace-city-verso/

シトロエン ベルランゴ(日本仕様)
https://www.citroen.jp/car/berlingo.html

プジョー リフター(日本仕様)
https://www.peugeot.co.jp/range/peugeot-rifter.html

オペル コンボライフ(欧州仕様)
https://www.vauxhall.co.uk/cars/combo-life/model-overview.html

AUTO RIESEN
https://riesen.co.jp/

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この記事の著者

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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