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■クルマでは普及、バイクではまだ一部のモデルに限られる
●利便性だけでなく盗難防止にも有効!
クルマでは採用が進んでいるスマート(カード)キーシステムですが、バイクでも一部モデルで採用されています。スマートキーは、スマートキーを携帯してバイクに近づくとバイクが所有者であることを認識し、メインスイッチの操作だけでエンジンが始動できるシステムです。
利便性の向上に加え盗難防止にも有効なスマートキーシステムについて、解説していきます。
●スマートキーシステムとは?
スマートキーシステムは、クルマではすでに多くのモデルに採用され、バイクでも一部のモデルで採用され始めました。簡単に言えば、キーを鍵穴に入れて操作するのではなく、スマートキーを携帯していれば、スイッチで始動できるシステムです。
スマートキーシステムにも多少の機能の違いがありますが、基本的には携帯するスマートキーと車両本体側に装備されたハンドルロックモジュール、交信用のアンテナとレシーバー(受信機)などで構成されます。ハンドルロックモジュールとECUが一体化され、ハンドルロックやメインスイッチノブ、エンジンECU、シートとコンソールのアクチュエーター、メーター、ウィンカーと連動するようになっています。
●スマートキーのメリット
スマートキーシステムは、ユーザーがバイクに接近すると携帯するスマートカードキーとバイク側のスマートECUとの間で通信を行い、ID認証されればメインスイッチのノブの解錠、シートやコンソールボックスの解錠、エンジンの始動ができるシステムです。スマートキーが反応できる範囲は、メインスイッチノブを中心に解錠は概ね後方1m程度、施錠は2~3m程度です。
スマートキー自体は、手のひらに収まる程度に小さくて軽量なため、ポケットや小物入れの中に入れて違和感なく携帯できます。両手が荷物でふさがっている場合でも、キーロックカバーを外したり、キーを挿し込む必要がないので、スムーズな乗り出しが可能となります。
スマートキーの最大のメリットは、キーを取り出して鍵穴に挿し込んでキーを回して始動するという一連の操作数が大幅に減らせるという利便性です。さらに、キーの抜き忘れによる盗難の防止やECUとの連携によるセキュリティー向上があります。
●システムの基本操作
・乗車時(メインスイッチノブ解除)
スマートキーを携帯した状態でメインスイッチを押すと、ハンドルロックモジュール内のスマートECUとスマートキーが通信し、相互認証が完了するとメインスイッチノブが解錠(回せる状態)されます。そしてメインスイッチをON状態に回すと、今度はエンジンECUに動作許可IDを送信してECUが認証するとエンジンが始動します。
・降車時(メインスイッチの施錠)
メインスイッチをOFFにすると、スマートキーと交信を行い、相互認証が成立している間はメインスイッチノブを解錠状態で維持。ライダーが車両から規定距離(2~3m程度)以上離れると、メインスイッチノブを施錠(回せない状態)し、ウィンカーを点滅させてライダーに知らせます。ライダーが車両の近くにいても20秒以上放置した場合、またはスマートキーのスイッチをOFFにした場合には、メインスイッチの施錠状態になります。
バイクの盗難は昔から大きな問題であり、メーカーは様々な盗難防止システムを用意して対応しています。スマートキーシステムは、ライダーの利便性を向上するともに盗難防止装置でもあります。現在、採用はビッグスクーターなど一部に限られますが、今後さらに普及することが予想されます。
(Mr.ソラン)