レース直系のド派手な翼を手に入れた! アプリリアのスーパースポーツ「RSV4ファクトリー」に2021年モデル登場

■新型ウイングレットで空力アップ

バイクのジャンル中で、最もスポーティで高性能なのがスーパースポーツ。

最近、このジャンルに属するバイクにはフロント部に「ウイングレット」という、まるで戦闘機に付いた翼端版のような形状のパーツが装着されているモデルが数多く登場しています。

元々は、主に空力特性を向上させるために2輪最高峰レースのMoto GPマシンに採用されていたものですが、そのフォルムたるや、かなりの迫力と本格的なレーシングマシンを彷彿とさせるスタイルを実現します。

中でも、イタリアの2輪車ブランド、アプリリアが発売を発表した「RSV4ファクトリー」の2021年モデルには、より大型となった新型の一体型ウイングレットを採用、さらにシャープで精悍なデザインとなって生まれ変わりました。

早速、どんな凄いマシンになったのか紹介しましょう。

●217psのV4エンジンを搭載

RSV4は、アプリリアが2009年から発売している1000ccの大型スポーツモデルです。

ど派手な翼を手に入れたアプリリアのRSV4ファクトリーに2021年モデル
RSV4ファクトリーのフロントビュー

2輪のF1ともいえるMoto GPや市販車ベースのマシンで競う「SKB(スーパーバイク世界選手権)」といった、世界の名だたるレースで培ったテクノロジーを投入した、まさにレース直系のバイクです。

その2021年モデルでは、前述の通り、新型のアウトレットを採用しています。従来モデルがサイドカウルに装着していたのに対し、新型はフロントカウルと一体型に変更することで、下向きに流れる空気の圧力を利用した、より高い空力特性を実現しています。

ど派手な翼を手に入れたアプリリアのRSV4ファクトリーに2021年モデル
新型ウイングレット

具体的な効果では、たとえば、高速走行時の安定性が向上し、コーナー立ち上がりでは前輪が浮くウイリー傾向を抑制、同時にハードブレーキングでの車体の安定性の向上にも貢献します。また、エンジンの冷却機能が向上することで、ライダーが受ける熱を減らす効果も生み出しています。

エンジンは、217psもの最高出力を発揮する独自の65°V型4気筒を搭載します。マグネシウム製アウターハウジングやオイルサンプ、シリンダーヘッドカバーにより、極めてコンパクトかつ軽量化されているのは従来モデルと同様です。

ど派手な翼を手に入れたアプリリアのRSV4ファクトリーに2021年モデル
1099 cc・V型4気筒エンジンは217psを発揮

新型では、排気量を1078ccから1099ccにアップ、ストローク量を52.3mmから53.3mmに変更し、新しいクランクシャフトも採用するなどで、最大トルクを122Nm(12.4kgf-m)/1万1000rpmから125Nm(12.7kgf-m)/1万500rpmに増大させています。

なお、新型RSV4ファクトリーは、より厳しくなった欧州の排気ガス規制ユーロ5に対応しながらも、最高速度は305km/h以上をマークするといいます。

●新設計のスイングアームも採用

車体では、部品点数を見直した新設計のスイングアームを採用することで、バネ下重量を600g軽量化することにも成功。鋳造とプレス加工された部品を溶接して強度と柔軟性を高めたアルミフレームとの組み合わせなどにより、軽快なハンドリングを実現します。

ど派手な翼を手に入れたアプリリアのRSV4ファクトリーに2021年モデル
新型スイングアーム

サスペンションには、電子制御式のオーリンズ製スマートEC2.0を採用。セミアクティブサスとも呼ばれるこのサスペンションは、ダンパー調整機構を自動化し、ライディングモードと連動することで、各モード毎の最適なセッティングが予め設定されるというもの。

ちなみに、RSV4ファクトリーには、ロード3種類、トラック3種類の計6タイプのモードを用意しています。

ど派手な翼を手に入れたアプリリアのRSV4ファクトリーに2021年モデル
フロントサスペンションの制御システム

ほかにも、最新の電子制御システム「APRC(アプリリア パフォーマンス ライド コントロール)」も搭載。エンジンの出力特性やエンジンブレーキの掛かり具合、トラクションコントロール、ウイリーコントロールなど、多岐に渡る制御を可能としています。

ど派手な翼を手に入れたアプリリアのRSV4ファクトリーに2021年モデル
シャープなリヤビュー

価格(税込)は308万円。2021年6月7日より全国のアプリリア正規販売店で受注を開始しており、出荷は2021年7月の予定です。

(文:平塚直樹

この記事の著者

平塚 直樹 近影

平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
続きを見る
閉じる