GMキャデラックの新型EV「リリック」が世界初公開。最高出力340PS・最大トルク440Nm、航続距離は約482km

■ホンダEVにも使われるEVプラットフォームの「アルティウム」を採用

電動化、中でもバッテリーEVに注力しているGMは、2035年までに乗用車の全モデルをピュアEVに切り替えると宣言しています。

そんな中、2020年4月22日、EVの「キャデラック リリック」を世界初公開しました。新型リリックは、2021年9月から全米で受注予約が開始され、2022年前半から販売されます。

キャデラック リリック
新型EVのキャデラック・リリックが世界初公開された

2023年モデルとなる「キャデラック リリック」は、GMの「アルティウム(Ultium)」プラットフォームがベースで、「アルティウム」はホンダEVにも使われることも発表済み。リリックは、この専用のEVアーキテクチャーによって可能になった最先端技術と、卓越した性能を発揮するとしています。

キャデラック リリック
新型EV「キャデラック・リリック」のリヤビュー

12モジュールで構成された100kWhのバッテリーパックと後輪駆動の「アルティウム」プラットフォームは、最高出力340PS/最大トルク440Nm(キャデラック推定値)を発揮し、フル充電で300マイル以上(約482km)の航続距離(GMのテスト値)を実現するとしています。

充電関連は、公共の充電ステーションでの190kWの高速直流(DC)急速充電にも対応し、10分の充電時間で約76マイル(約122km)の航続距離を延長することができます。

家庭での充電は、19.2kWの充電モジュールにより、1時間充電すると航続距離を最大52マイル(約83km)伸ばせるそう。

キャデラック・リリック
充電ステーションでの190kWの高速直流(DC)急速充電にも対応する

電動車らしい走りも提供されます。アクセルペダルで停止までコントロールできる利便性の高い「ワンペダルドライビング」、次世代のGM独自の回生ブレーキシステム「Variable Regen on Demand(バリアブル・リジェン・オン・デマンド)」と呼ぶ技術が採用されます。キャデラックの新しい「Variable Regen on Demand」により、ステアリングホイールに備わる感圧パドルでも減速し、完全に停止まで制御できるそうです。

エクステリアのハイライトは、キャデラックの特徴である「ブラッククリスタル」のフロントグリル。特徴的な縦長のフロントライトは、点灯の演出によって強調されます。このライトは、大きな技術的な躍進による賜物としていて、業界初となる縦長ランプの採用と表現しています。

キャデラック・リリック
新型キャデラック・リリックのフロントマスク

一方、シンプルなインテリアは、ウッドとメタルの組み合わせに、レーザーで複雑にエッチングされたパターンが配された、これまでにない新しい要素が採用しています。湾曲した大型LEDスクリーンを中心に構成されていて、一体感のあるコクピットになっています。

キャデラック・リリック
キャデラック・リリックのインパネ

2023年モデルの「キャデラック リリック」は、2022年第1四半期に生産が開始される予定で、価格は59,990ドルとなります。

生産はGMのテネシー州スプリングヒル組立工場で行われ、同工場には、電気自動車の生産を支援するために20億ドルが投資されます。なお、日本市場への導入時期は、改めて後日発表される予定としています。

塚田 勝弘

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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