地方の新社会人は75%が通勤にクルマが必要!  新車は「お金がない」から買わない人も51.2%

■新生活で自分のクルマが必要な人の用途とは?

4月に入り、学校を卒業して企業などに就職し、新しい人生のスタートを迎えた新社会人の方も多いでしょう。

コロナ禍の影響などで新しい生活様式が求められている昨今では、通勤にも電車やバスなどの公共交通機関を使わず、「密」を避けるためクルマを利用する人が増えていますが、新社会人の場合はどうなのでしょうか?

地方の新社会人は75%が通勤にクルマが必要
2021年の新社会人は、例年と違う新生活をスタートしたも多いようだ

定額カーリース「おトクにマイカー 定額カルモくん」を運営するナイルでは、2021年4月に新社会人となった人のうち、特に生活とクルマが密着している地方在住の男女に調査を実施。

新生活で「自分のクルマが必要」と答えた人を対象に「その用途やクルマを実際に購入したか」などについてアンケートを行いました。

その結果、回答者の75%が通勤にクルマが必要だけれど、新車は購入していない人が57.1%いることなどが分かりました。

●必要だけれど新車は買ってない人が57.1%

今回の調査は、2021年4月に新社会人となる東京以外に住む男女639人を対象に、2021年3月19日〜31日の期間、インターネットによって行われました。ちなみに、ここでいう新社会人とは、高校・専門学校・大学・大学院を2021年3月までに卒業し、2021年4月から企業などに就職した人を指します。

地方の新社会人は75%が通勤にクルマが必要
新生活に自分のクルマが必要かどうかのアンケート結果(出展:ナイル)

アンケートでは、まず新生活に自分用のクルマが必要と回答した254人に「なぜ新生活に自分の車が必要なのですか?」という質問をしています。

その回答で、最も多かったのが「通勤のため」の75.4%。次いで、「ドライブを楽しむため」18.3%、「そのほか」6.3%と続きます。

なお、「そのほか」の中には「車を持つことがステータスのため」「買い物に行くため」「実家に帰るため」といった意見があったそうです。

次に、同じ人たちに「新生活に向けて新車を購入しましたか?」という質問も実施。その結果は「購入していない」人が57.1%で、「購入した」人の42.9%を上回りました。

地方の新社会人は75%が通勤にクルマが必要
新生活に向け新車を購入したかかどうかのアンケート結果(出展:ナイル)

アンケートでは、さらにクルマは必要だが新車を購入していないと回答した人に「なぜ新車を購入しないのですか?」という質問も行っています。

その結果、「お金がないから」が51.2%と最も多く、2位は「新車じゃなくてもいいから」16.6%、3位「誰かに車を譲ってもらうから」5.2%、4位「そのほか」27.0%という結果になりました。
なお、「そのほか」には、「家族の車を使うから」「免許を持っていないから」などの回答があったそうです。

地方の新社会人は75%が通勤にクルマが必要
新車を購入しない理由に関するアンケート結果(出展:ナイル)

●お金がないと新車に乗れない?

今回の調査結果について、ナイルでは「クルマが生活に密着していて必要でありながらも、新車を買うお金がないという理由から購入しない方が多いということがわかりました。また、お金がなければ新車に乗れないという感覚があることも見て取れます」とコメントしています。

確かに、最近のクルマは、衝突被害軽減ブレーキなど装備が充実している分、軽自動車でも新車で200万円近くするモデルもあります。仕事を始めたばかりの新社会人では、なかなか購入できない人も多いのでしょうね。

また、今回の調査は、東京などの大都市に比べ、生活によりクルマが必要な地方在住の新社会人を対象に行われましたが、東京圏などでも職種によってはクルマは必要だけれど、新車は買えない人もいるでしょう。

地方の新社会人は75%が通勤にクルマが必要
新車は「高い」イメージを持つ若い世代も多い

実際、筆者もそうでした。バブル世代ですので、今の若い世代よりも給与は高かったのですが、福岡県の田舎町から東京の企業へ就職した新社会人の時には、アパートの家賃など生活費だけで一杯一杯、とても新車が買える財力はありませんでした。

ですが、職種柄、クルマは必要でした。当時は、入社した出版社でバイク雑誌(月刊誌)の編集部に在籍していたのですが、発売日前に出張校正といって印刷会社へ行き、夜から朝まで雑誌の最終チェックを行う作業があったのです。

その作業は、概ね月に2〜3日間行われ、電車が運行していない時間に終了することも多かったため、必然的にクルマがないと帰宅できなかったのです。

でも、とても新車は買えない。そこで、筆者は、自宅近所の仲が良かった(なぜか)バイク屋さんに相談して、約6万円程度の中古車を購入しました。当時は、自宅が埼玉県にあったため、駐車場代が安かった(当時は月5000円程度でした)のは助かりましたけど、東京23区内に住んでいる人などは、駐車場代さえ高くて払えない人も多いでしょう。

地方の新社会人は75%が通勤にクルマが必要
交通機関が大都市ほど発達していない地方では、クルマは生活により密着している

クルマは、前述の通り新車価格が高騰傾向で、必然的に比較的新しいモデルでは中古車の価格もあまり安くありません。また、安い中古車では、故障した時に修理代が高くつく心配もあります。

さらに、毎年支払う自動車税や任意保険料、車検代や駐車場代、燃料代など維持費もある程度必要です。そう考えると、新社会人であれば「お金がかかる」イメージが大きいのはよく分かります。

一方で、最近は、今回アンケート調査を行ったナイルが運営している「おトクにマイカー 定額カルモくん」のように、税金や保険料など込みで新車を定額でリースできるもの(月1万1700円から)や、トヨタのKINTOのようなサブスクリプション、カーシェアなど、様々なサービスが出てきています。

もっとこういったサービスが充実し、価格もよりリーズナブルになることで、仕事などで必要な若い世代の人でも、より手軽にクルマを所有できるようになることに期待します。

(文:平塚 直樹 *写真は全てイメージです)

この記事の著者

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平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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