■確かなオンロード性能を楽しみながら雪に備えるブルーアース4S AW21
2020年の年末、そろそろ限界に達していたタイヤを何に交換するか? 迷っていたのですが、ここはひとつオールシーズンタイヤを使ってみようと思い立ちました。
選んだタイヤは横浜ゴムの「ブルーアース4S 21W」というモデルです。約1ヵ月、普段の生活で使ってみた印象を報告します。

なぜ、このタイヤを選んだか?と言えば、ひとつは2020年の冬季に北海道で開催された試乗会において、雪道性能などは十分であることをチェック済みだったことが挙げられます。
オールシーズンタイヤに期待することは、まずは雪道できちんと走れることです。スタッドレスタイヤほどの性能は求めませんが、雪道で問題なく走れる性能がないならオールシーズンタイヤとはいえません。
スタッドレスタイヤがドライ路面を走れないなら話は別ですが、スタッドレスタイヤでもドライ路面は走れます。ならば、オールシーズンタイヤを謳うならば、雪道でしっかり走ってくれなければ困ります。
その点について、「ブルーアース4S 21W」に心配はありませんでした。テストコースで試乗した印象は、一世代~二世代前のスタッドレスタイヤ程度の雪道性能は持っているというものでした。

さて、夏タイヤから「ブルーアース4S 21W」に履き替えて一般道を走ってみると、意外なほどに静かであることがわかります。
私のクルマは20数年前の日産ウイングロードなので、クルマの静粛性などについては現代のクルマとは比較にならないほど悪く、タイヤノイズはよく伝わってくるのですが気になるノイズはなく、静粛性は高いレベルを確保していることが確認できました。いわゆるスタッドレスタイヤにありがちな“シャー”というようなパターンノイズも感じません。一般道での使用での性能には不満はまったくありません。

高速道路でも静粛性は高く、タイヤから感じるノイズは気になりません。100km/hでのレーンチェンジでも安定感は失われません。ランプウェイで大きく横Gが掛かるような場面でも、ふらつき感を感じることはありませんでした。
唯一気になったのは、直進状態でステアリングの中立感が弱めとなっている部分です。しかし、この領域のセッティングはちょっと難しい要素を含んでいます。私の乗っているクルマのように昔のクルマの場合は、中立付近がビシッと決まり直進安定性が高くなると走りが引き締まった印象になります。
一方、最近のクルマのように車線維持機能が付いたクルマの場合、中立付近がビシッとしたタイヤだと常に左右にぴょこぴょこと動くような制御となることがあるからです。制御なしのクルマとの組み合わせでは中立がちょっとゆるめなのと、制御ありのクルマとの組み合わせで落ち着かない……なら、前者に合わせたセッティングをするのが当たり前だと思います。


さて、年末の履き替えから約1ヵ月が経ちました。この間に東京では雪予報が1回、雨予報であったのに雪に変わったことが1回ありました。
サマータイヤを履いていたときは「やばいなあ、明日試乗会なんだよなあ」という気持ちでしたが、今は違って「雪積もらないかな」と雪が楽しみな状況。この余裕感を持っていられるのがオールシーズンタイヤのいいところなのです。そして、ウインターシーズンが終わっても、そのままでいいというのも大きな魅力です。

(文:諸星 陽一/写真:諸星 陽一、横浜ゴム)