フェラーリ 812 スーパーファストを50km/hで走らせるのは清水和夫への拷問!?「V12・NAは完全バランス、ヤバイ!」【頑固一徹 和】

■フェラーリF1は不調だけど、812 スーパーファストのV12 NAエンジンはヤバい!

●こんな魅力的なクルマが出てくるなんて、世の中まだまだ捨てたもんじゃないね!by 清水和夫

フェラーリ 812 スーパーファスト
さぁ、アドレナリン出っぱなしになりそうなフェラーリ 812 スーパーファストに試乗です!

国際モータージャーナリスト・清水和夫さんが今、気になるクルマを辛口試乗&それにまつわるウンチク話がタメになる『頑固一徹 和』。

前回の牛・ランボルギーニに続いて、今回は馬・フェラーリ 812 スーパーファストです。

●国産V12はトヨタとスバル以外には作れない?

清水和夫さん
こんなクルマを50km/hで走らなくちゃいけないなんて…でもルールは守りましょう!

おいおい、800ps・718Nmだよ! 今日の試乗車はオプション900万円分くらい乗っかっているらしいよ(汗)。

いや~コレ、いいな! 今回はフラット6 NAの『ポルシェ718ケイマンGT4』、V10 NAの『ランボルギー二・ウラカンEVO・RWDスパイダー』にも乗っているんだけど、このフェラーリ812 スーパーファスト、V12 NAはホント~の完全バランスだ。

ヤバイ! なに、このエンジン! エンジンだけで2000万円くらいの価値があるよ。

フェラーリ 812 スーパーファスト
フェラーリ 812 スーパーファストは低速でも気分がアガル!

もうね、飛ばさなくてもいい。踏めば9000rpmまで回るんだけど。9000rpmまで踏み込みたい欲望に襲われて今…我慢しています。こんな折檻受けたことないよ~。

スーパーファスト乗って50km/hでガマンしなさいっていうのは。世の中これほど辛いことはない。でも…やっぱり…ルールは守らなくてはいけません!!

なんでV12が良いのか?って言うと、やっぱり完全バランスっていうのがあるよね。

トヨタV12
センチュリーに搭載されるV12エンジン。

日本では唯一、トヨタがセンチュリーでV12を量産(?)したんだけど、他のメーカーはみんな途中の7合目まで開発して製品化できなかった…という苦い経験がありますね。

スバルもフラット12エンジンを持っているんだよね。ジオット・キャスピタ(JIOTTO CASPITA/1989年「公道を走るF1マシン」と謳い、ワコール・スポーツカー・プロジェクトとして生まれたスーパーカー。

1989年東京モーターショー・スバルブースにて参考出品され、現在は石川県小松市にある日本自動車博物館内にて保存)プロトタイプに搭載したヤツ。

実はあのエンジン、1989年の東京モーターショーに出すときに「ちょっと走ろう」ってテストコースで乗ったことがあります。

ジオット・キャスピタ
ジオット・キャスピタ。懐かしいね!

あのフラット12はF1に挑戦していたときのスバルのエンジン(3.5L水平対向12気筒DOHC 60バルブ『SUBARU-M.M. 』。1990年F1にスバル・コローニとして参戦)。

スバル・フラット12
スバルの水平対向12気筒エンジン。F1でも使用されました。が…。

それに乗っていたのはベルトラン・ガショー(Bertrand Jean Louis Gachot)というフランス国籍のベルギー人(ベルギーでライセンス取得)なんだけど、ガショー曰く「エンジンは凄くパワーはあるんだよね。でもあまりにもボディがヘロヘロで予選は1回も通らなかった」って言っていましたね。

…スバルのフラット12には、そんな苦い思い出もあります。

フェラーリ 812 スーパーファスト
フェラーリ 812 スーパーファスト、全開して~!

まぁフェラーリはこんな素晴らしいスーパースポーツを作るんだけど、最近のF1は情けないね! コロナ禍じゃなかったら、イタリアのティフォシたちに石投げられるんじゃないの?

パワートレーンもエンジンもシャシーもダメ、ブレーキも燃えて…。あんなフェラーリは見たくもないね。

でもこういうクルマがヨーロッパから出てくるというところが、イイ。自動車の世界はEV一色でエンジン車が終わったとは言えない。

これだけの感動をEVで出せ!って言ったって、無理!!

総合評価指数
総合評価指数は★★★★★!
評価軸(3項目)&評価ポイント
評価軸(3項目)&評価ポイントは10、9、8点!

(試乗:清水 和夫/動画:StartYourEnginesX/アシスト:永光 やすの

フェラーリ 812 スーパーファスト
フェラーリ 812 スーパーファストの主なSPEC。

■SPECIFICATIONS
車名:フェラーリ 812 スーパーファスト(Ferrari812 SUPERFAST)
全長×全幅×全高:4657×1971×1276mm
ホイールベース:2720mm
トレッド 前/後:1672/1645mm
車両重量:1525kg
エンジン:V型12気筒DOHC
排気量:6496cc
ボア×ストローク:94.0×78.0mm
圧縮比:13.6
最高出力:588kW(800ps)/8500rpm
最大トルク:718Nm(73.3kgm)/7000rpm
トランスミッション:7速F1 デュアルクラッチ
駆動方式:後輪駆動
サスペンション 前/後共:ダブルウイッシュボーン
ブレーキ 前/後:398×38mm径ベンチレーテッドディスク/360×32mm径ベチレーテッドディスク
タイヤサイズ 前/後:275/35ZR20/315/35ZR20
燃料消費率 WLTPモード:6.2km/L
0→100km/h加速:2.9秒
最高速:340km/h
車両本体価格(税込):41,280,000円

【頑固一徹試乗とは?】
国際モータージャーナリスト、清水和夫が斬る試乗インプレッション『頑固一徹テスト』。頑固一徹・清水和夫が独自の目線でチョイスした新型モデルを、パワートレーン、ライドコンフォート、ドライビングプレジャーの3分野で評価、採点し、その合計点によって10段階で評定します(※今回よりミッドシップスポーツの実力を評価するべく、評価項目を変更しました!)。

■頑固一徹 総合評価指数
3〜6点→★
7〜12 点→★★
13〜18点→★★★
19〜24点→★★★★
25〜30点→★★★★★

■頑固一徹テスト 試乗インプレッション評価軸(3項目)&評価ポイント
パワートレーン 10段階評価(1〜10点)
ライドコンフォート 10段階評価(1〜10点)
ドライビングプレジャー 10段階評価(1〜10点)

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【関連リンク】

StartYourEnginesX
https://www.youtube.com/user/StartYourEnginesX

この記事の著者

清水和夫 近影

清水和夫

1954年生まれ東京出身/武蔵工業大学電子通信工学科卒業。1972年のラリーデビュー以来、スーパー耐久やGT選手権など国内外の耐久レースに参加する一方、国際自動車ジャーナリストとして活動。
自動車の運動理論・安全技術・環境技術などを中心に多方面のメディアで執筆し、TV番組のコメンテーターやシンポジウムのモデレーターとして多数の出演経験を持つ。clicccarでは自身のYouTubeチャンネル『StartYourEnginesX』でも公開している試乗インプレッションや書下ろしブログなどを執筆。
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