小回りが利くコンパクトサイズでも車内とラゲッジは十分なサイズを確保【フォルクスワーゲンT-Roc試乗記】

■子ども2人の4人家族にちょうど良いサイズのクロスオーバーSUV

フォルクスワーゲン Tロック
フォルクスワーゲンT-Rocのエクステリア

フォルクスワーゲンのCセグメント級SUVのT-Roc(Tロック)は、全長4240×全幅1825×全高1590mm、ホイールベース2590mm。

「MQB」を使うフォルクスワーゲン・ゴルフは全長4265×全幅1800×全高1480mm、ホイールベースは2635mmで、意外にもゴルフの方が全長が25mm長くなっています。T-Rocの最小回転半径は5.0mとかなり小さめで、狭い街中や住宅街などでもストレスなく取り回しできます。

クロスオーバーSUVを謳う、T-Rocのエクステリアは、クーペテイストが盛り込まれ、とくにリヤからの眺めはよりスタイリッシュに感じられます。

フロントマスクは、LEDデイタイムランニングライトが組み込まれたフロントフェイスバンパーが採用され、ヘッドライトと一体感のあるラジエーターグリルが存在感とワイド感を強調。また、大型エアインテークとアンダーボディガード、リヤディフューザーによりSUVらしい力強さも強調し、サイドはクロームトリムで強調されたロングルーフにより、見た目よりも伸びやかなシルエットを印象づけています。

フォルクスワーゲン Tロック
T-Rocのサイドビュー

フォルクスワーゲンのSUVで初めて2トーンカラーが採用されたボディカラーも注目点。ブラックとホワイトの2色のルーフが用意され、ボディカラーの組み合わせによってはカラフルな外観も楽しめますし、試乗車のような「インジニウムグレーメタリック/ブラック」のコーディネイトを選択すれば、シックな外装色になります。

フォルクスワーゲン Tロック
「TDI Style Design PKG」のエクステリア
フォルクスワーゲン Tロック
「TDI Style Design PKG」のインパネ

インテリアは、フォルクスワーゲンらしい無駄を注ぎ落としたデザインでありながら、質感の高さを抱かせます。

さらに「T-Roc TDI Style Design Package」を選択し、ボディカラーを「ターメリックイエローメタリック」もしくは「ラヴェンナブルーメタリック」を選ぶと、インテリアもボディカラー同色系のイエローもしくはブルーの組み合わせになり、華やかなキャビンになります。

フォルクスワーゲン Tロック
T-Rocのリヤシート
フォルクスワーゲン Tロック
T-Rocのフロントシート

居住性は、ゴルフよりもホイールベースが45mm短いにもかかわらず、SUV化(背高化)したことで身長171cmの筆者が運転席で最適な運転姿勢を決めると、頭上には拳(こぶし)が縦に2つ、その後ろの後席には頭上にこぶし1つ強の空間が残ります。

また、後席膝前には、こぶしが縦に2つ弱入るくらいの余裕が残り、前席座面下への足入れ性も良好。大人4人でも十分なキャビンといえますし、子どもが2人いる家族にも十分に対応してくれるはず。

フォルクスワーゲン Tロック
T-Rocのラゲッジスペース(通常時)

ラゲッジは、通常時445Lで、6対4分割可倒式の後席背もたれを前倒しすれば最大で1290Lと、ボディサイズを考えると広いといえるサイズ。地上からの開口高は少し高めですが、積載性も良好といえます。

さらに、アクセサリーでルーフボックスやカヤックホルダー、キャリングロッドなども用意されていますので、ニーズに応じて選択できます。

価格帯は384万9000円〜453万9000円。試乗車の「T-Roc TDI R-Line」は453万9000円。オシャレな内外装やカラーを選択できる「TDI Style Design PKG」は405万9000円。輸入車のみならず、ひとクラス上のサイズの国産SUVとも競合しそうな設定になっています。

(文/塚田勝弘 写真/塚田勝弘、フォルクスワーゲン)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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