炎天下の車内に置いておくと、安ブドウが絶品スイーツになる!?【毎年恒例真夏のダッシュボードクッキング】

■ダッシュボードで果物をローストする

昨年、猛暑日にクルマのダッシュボード上でローストビーフを作った記事が人気になったようで、その後「また何か焼いて」「ブイヤベース作ってみたら?」「次はローストチキンはどう?」などと勝手なことを言われるのですが、そうそううまくはいきません。というのは、真夏下のダッシュボード上は、手を触れると火傷をするような70〜80℃にもなりますが、それでも肉に火(火ではないですが)を通す温度としては低いんですね。そうすると沸騰させるのは当然ムリですし、焦げ目などもつきません。中が半生でも大丈夫なものしか調理できないんです。ローストビーフは印象的だったと思いますが、ほかにできるものといえばせいぜい温泉たまごくらいでしょうか。ネットを見ると実際に温泉たまごを作っているひとがいっぱいいますね。

ブドウとイチジクをロースト
左が輸入物の種なしブドウ。右は旬のイチジクです。

それでも何かないかなぁと考えた結果、ひとつ試してみたいものが思いつきました。それはローストフルーツです。僕がよく読んでいる水島シェフのレシピ本に、ローストビーフと一緒にブドウやイチジクをローストするメニューが出てきます。通常はオーブンで焼くわけですが、これがなかなか美味い。で、これならダッシュボード上でもできるんじゃないかと思ったわけです。フルーツなら中は半生でいいわけですから。

ダッシュボード上の温度
去年もそうでしたが、日射しを遮った真夏のダッシュボード上の温度はだいたい60℃前後ですね。

というわけで、まずは朝10時。直射日光を遮ったダッシュボード上の温度計は60℃弱を指していました。これならいけそうです。まず使うのはスーパーで買ってきた輸入モノの安ブドウです。こちらは洗って房のままバットに置きます。

輸入ブドウ
上のラベルにはメキシコ産。下のラベルにはアメリカ産とあります。ミックスされているからかな?

もうひとつはイチジク。こちらは安くありません。半分に切って切り口には軽く砂糖をまぶします。

イチジク
イチジクは半分に切って切り口に砂糖をまぶしました。シナモンなどを軽くかけてもいいかもしれません。

10:50頃、南向きに駐車してあるマイカーのダッシュボードに、ブドウとイチジクを置きます。

ダッシュボードにバットを置く
ダッシュボード調理をしたいひとは、マイカーのダッシュボードにアルミのバットが載るかどうかを確認しておきましょう。

この日の天気予報は1日中晴れ。予想最高気温は34℃。ただ、なんとなくですが、ダッシュボード調理の場合、気温よりも日射しの強さのほうが重要な気がします。今年は梅雨が明けてから8月第1週までずっと晴れですが、どうも薄く雲がかかったような晴れなんですよね。もっとスカーッと晴れてくれたほうが庫内……じゃなかった、車内の温度も上がると思うのですが。

さて、フルーツをただローストするだけだと芸がないので、今年は非接触温度計を導入してしまいました。直射日光が当たっているダッシュボードの表面はいったい何℃になっているのでしょうか?

ダッシュボードの表面温度
日が当たっているダッシュボードの表面温度を非接触温度計で測ったところ、なんと93℃を超えていました。

93℃オーバー! まじか! そりゃ熱くて触れないわけです。ただ誤解されないようにしてほしいのは、あくまでもダッシュボードの表面温度が93℃なのであって、ダッシュボード上の空気の温度が93℃になっているわけではないことです。なので93℃にセットしたオーブンと同じ状態ではありませんよ。ついでにほかの場所も測ってみたんですが、日が当たっている助手席の座面の温度を測ると73℃。日が当たっていない後部のジュニアシートの表面は……54.2℃でした。リヤシート近辺の室温がこれくらいと考えたらいいのかな。窓を閉めていれば風もないし、そうそう何分もいられる温度じゃないですよね。

リヤシートの温度
こちらは直射日光が当たっていないリヤシートの表面温度。それでも54℃を超えています。

その後13:30くらいにいちどフルーツを取り出して食べてみました。もともと生でも食べられるものなので、こうやってちょいちょいつまみ食いできるのがローストフルーツを作るときのいいところですね。まだ生感が強く、出来上がりとするには早い気がしたので、もう少し庫内……じゃなかった車内に入れておくことにします。

1時間半経過後
色はだいぶ変わってきていますが、つまみ食いすると、まだ凝縮感は乏しい状態でした。

日が傾きだした15:00頃、取り出して食べてみました。うんうん。だいぶ凝縮感が出てきた。これでOKということにしましょう。ローストフルーツの場合、“こうなったら完成”という状態があるわけではなく、だんだん水分が抜けて凝縮感が出てくるので、好みのところでストップすればOKです。

約4時間経過後
ダッシュボードに約4時間置いたブドウです。もともとは緑色だったものです。

さぁ、できあがりです。温かいまま食べてもいいですが、少し冷めてからでもいいです。下の写真は、右が生の状態。左がロースト後。手前の房がもともとは緑だったブドウで、かなり色が変わっています。ローストしたブドウは生で食べたときの渋みがマイルドになり、甘みは凝縮されて味に深みが加わり、安ブドウとは思えない新種のスイーツになったような感じです。

ブドウを比べます
左がロースト後、右が生です。生の状態だと渋みがやや強くて……。

そしてイチジク。こちらは砂糖をまぶしたこともありますが、ねっとりした甘みに適度な酸味もあり、なかなかの美味です。味が上品なので、止まらなくなり、いっぱい食べられます。

ローストしたイチジク
イチジクはオヤツとしてだけでなく、ローストビーフの付け合わせなどとして食べても美味しいと思います。

今回のダッシュボード調理は、たとえばレジャーで川に行き、ダッシュボードにフルーツを置いておきます。午前中遊んで、お昼にBBQをやって、午後も遊んで、小腹が空いてきたオヤツの時間にちょうど美味しくなっているという楽しみかたができると思います。

ローストビーフほどインパクトのある物が作れなくてすみません。でも、このローストフルーツは食べたことがないひとも多いと思いますが、なかなか絶品なのです。特に、生のままではそんなに美味しくない輸入モノの安ブドウもローストして食べるとがぜん美味しくなるので、ご家庭でもおススメですよ。

ローストしたフルーツ
家庭では、オーブンレンジだけでなく、オーブントースターでも簡単に作れちゃいます。

それにしても、やはりフルーツも真夏の車内ではどんどん水分が抜けて色も変わっていくことがわかりました。たとえ短い時間でも、お子さんやペットを暑い車内に置き去りにしてはいけないことがわかりますね。

(まめ蔵)

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【マジメに実験してみた】炎天下の車内に牛肉を置いたら、過去最高に美味しいローストビーフができた!?
https://clicccar.com/2019/08/04/898361/

「車内の匂いはどうなった?」“ダッシュボードでローストビーフ”裏話
https://clicccar.com/2019/08/10/902444/

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