子どもたちが大人になったら買いたいものNo.1はクルマ!?【週刊クルマのミライ】

■第一生命が行なったアンケート調査で子どもたちのマイカー指向が明らかに

毎年、第一生命が行なっている「大人になったらなりたいもの」の調査結果が2020年4月30日に発表されました。全国の幼児・児童(保育園児・幼稚園児および小学校1年~6年生)1000名を対象としたアンケートは、今回で31回目とおなじみの調査です。

なりたいものの第一位は男の子が「サッカー選手」、女の子は「食べ物屋さん」となり、なんと女の子の食べ物屋さんは23年連続の一位ということです。IT革命などもあり、時代は目まぐるしく変化していますが、子どもたちのマインドというのは、じつはあまり変わっていないのかもしれません。

ちなみに、大人になったらなりたいものの2位は男の子が野球選手、女の子が保育園・幼稚園の先生、3位は男の子が警察官・刑事、女の子は看護師となっていました。

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男児の将来買いたいもののトップ3は1位
クルマ、2位:ゲーム機、3位:スマートフォン

さて、今回のアンケート調査では令和になって初めてというのを記念してスピンオフ企画として「大人になったら一番最初に買いたいもの」というテーマでもアンケート調査が実施されました。大人になったら最初に買いたいものという言葉から、大人だから買えるもの、大人の証として買いたいものなどを子どもたちが回答したことが想像できますが、その結果は驚くべきものでした。

なんと、男女とも一位は「車」となっていたのです。世の中ではクルマ離れという言葉が使われるようになって久しいですが、子どもたちは大人になったら「クルマ」を買いたいと思っているというわけです。

しかも男女とも一位というのは注目です。クルマは大人の象徴であり、欠かせないものとして考えている子どもが多いということが考えられるからです。

それは、この時代に欠かせないスマートフォンが、女の子の2位、男の子の3位に入っていることや家が女の子の3位、男の子の4位に入っていることからも明らかです。

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女児の大人になったら買いたいものトップ3は、1位:クルマ、2位:スマートフォン、3位:洋服/家(同率)

いま欲しいという短絡的な発想ではなく、大人のマストアイテムとして、子どもたちはクルマを捉えているといえそうです。つまり、憧れの商品ではなく、「クルマは、買って当たり前のもの」と子どもは考えているであろうことを、今回の調査結果は示しているといえます。

さらに、冒頭にも記したように「大人になったらなりたいもの」はドラスティックに変わっていないという部分があります。つまり、今回初めて調査された「大人になったら一番最初に買いたいもの」も、大筋としては昔から変わっていない部分があると予想されます。

だとしたら、昔から子どもたちは大きくなったらクルマが欲しいと思っていたでしょうし、絶賛クルマ離れ中といえる世代であっても小学生のころは「大人になったらクルマを買おう」と思っていたと考えられるのです。

もともとはクルマを買おうと思っていた子どもが大きくなったらクルマを買わない理由としては、経済的余裕や経済合理性などが想像できます。本当は子どもころから大人になったらクルマが欲しいと思っていたのに、経済的な理由から買いたくても買えないという人は、思っている以上に多いのかもしれません。

なお、今回の調査は2020年2月に実施されたそうですが、まさにコロナ禍によってマイカーへのニーズが高まっている時期でした。そうしたタイミングの関係がなかったとはいえませんが、いずれにしても誰もが素直な気持ちで、生活を充実させるためにクルマを買えるような社会になることを切に願うばかりです。

(自動車コラムニスト・山本晋也)

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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